【管理栄養士監修】牛肉の栄養成分と効能・効果とは?部位別の栄養素の違いも詳しくご紹介

牛肉は、日本でも海外でも人気の食材です。食べ方も色々な方法があり、焼肉やしゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキなどさまざまあります。また、牛肉は食べても太りにくいと言われていて、ダイエットをする人にも注目されている食材です。そんな牛肉には、どんな栄養が含まれているのでしょうか。

2018年03月14日更新

免疫力と食事・サプリ

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]牛肉・豚肉・鶏肉の栄養の違いと特徴とは

肉といえば、代表的なのが「牛肉」「豚肉」「鶏肉」ですが、それぞれ特徴があります。含まれている栄養素やその効能を知っておくと、自分に必要な栄養素が摂取できます。

牛肉の栄養素の特徴

牛肉が含む栄養素で注目すべきものは「鉄分」です。その含有量は、豚肉や鶏肉の3~4倍です。特に赤身の部分に多く含まれる鉄分は「ヘム鉄」と呼ばれおり、身体への吸収率にとても優れています。鉄分には2種類のものがあります。

動物性の食品に含まれている「ヘム鉄」と、海藻や野菜に含まれている「非ヘム鉄」です。「非ヘム鉄」は、ヘム鉄よりも身体への吸収率が5分の1程度です。ヘム鉄は赤身の肉、鶏肉や豚肉のレバー、ハマグリやあさりの貝類に多く含まれています。非ヘム鉄は小松菜やほうれん草、ひじきや大豆などに含まれています。

豚肉の栄養素の特徴

豚肉に含まれている栄養で優れているのは「ビタミンB1」です。豚肉に含まれているビタミンB1は、鶏肉や牛肉の約10倍もあります。糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1は、日本人にとって必要不可欠なものです。

日本人が毎日のように摂取するお米に含まれている糖質を、ビタミンB1は身体の中でエネルギーに変えてくれるのです。糖分をエネルギーに変換しないと脂肪となって身体の中に蓄積されることになり、肥満の原因となります。また、豚肉に含まれている脂身は牛肉よりも「飽和脂肪酸」が低いので、脂身を食べるなら豚肉のほうがいいのです。飽和脂肪酸は摂取しすぎると悪玉コレステロールが血中に増えて、心筋梗塞になる可能性が高くなります。

鶏肉の栄養素の特徴

鶏肉は他の肉に比べ、皮の部分を取り除くと低脂肪なのが特徴です。脂肪分が多いとされるひき肉にしても、脂肪分は他の肉の約半分なのでヘルシーな肉と言えます。
栄養素に注目してみると、鶏肉は他の肉よりも「ビタミンA」がとても多く含まれています。ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保つため、免疫力をアップさせたり、視力を正常に保つ働きが期待できます。

[2]牛肉の栄養成分と効果・効能を詳しく知ろう!

牛肉の栄養【モモ肉に多く含まれるタンパク質】

  • からだを作る
  • タンパク質は筋肉や臓器、爪や髪の毛など、身体の組織を作るために重要な役割があります。また、血管を強くする働きがあるので脳出血などの予防になるのです。

  • 免疫力をアップする
  • 免疫とは、体内に侵入してきたウィルスなどの異物から身体を守る力のことです。タンパク質にはこの免疫の力を助ける働きがあります。タンパク質を摂取することで免疫力が高まり、ウィルスを退治してくれるので病気になりにくい身体になります。

  • 高血圧予防
  • 私たちの身体は、塩分を摂りすぎると血圧が高くなってしまいます。タンパク質には身体から余分な塩分を排出してくれる力があるので、高血圧予防に期待できます。

牛肉の栄養【赤身に多く含まれている鉄分】

  • 貧血予防
  • 牛肉に含まれる鉄分は、「ヘム鉄」という鉄分ですが、このヘム鉄は身体への吸収率に優れています。身体への吸収がよいため、貧血予防に有効です。また、ヘモグロビンを作るために鉄分は欠かせません。ヘモグロビンは体内で生成できないため、食品から摂る必要があります。冷え性や貧血に悩む女性には積極的に摂ってほしい鉄分です。

牛肉の【ハツに多く含まれているビタミンB1】

  • 疲労回復
  • 炭水化物をエネルギーに変換するために必要な成分がビタミンB1です。私たちの身体は、生きるためにエネルギーが必要不可欠です。息をすることも体温を保つためにも、エネルギーを消費します。消化された小腸で炭水化物をブドウ糖に変換し、そしてそれをエネルギーに変えるのにビタミンB1が必要です。ビタミンB1を摂取して、ブドウ糖をエネルギーに変えることが疲労回復に大きな役割を担っています。

  • 心の安定を保つ
  • 糖質だけをエネルギー源としている脳にとってもビタミンB1 は必要な栄養素になります。そのために頭の回転を良くするためにもビタミンB1が必要になります。

牛肉の栄養【レバーに多く含まれるビタミンB2】

  • 皮膚や爪を作り美肌にする
  • ビタミンB2は身体の発達を促します。皮膚や爪、髪の毛を作る重要な栄養素です。身体を作る大事なビタミンB2は肌を美しくするため、美肌効果も期待できます。

  • 生活習慣病の予防
  • 糖の代謝を促す働きがあるビタミンB2には、糖尿病を予防する効果があります。また、過酸化脂質を分解する働きがあるため、動脈硬化などの生活習慣病を予防・改善効果が期待できます。

牛肉の栄養【幸せホルモンと呼ばれているセロトニン】

  • こころの安定に効果
  • セロトニンには心を安定させるために「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」を抑制する働きがあります。セロトニンが正常に働くことで、心の安定が保たれます。感情の浮き沈みを抑えるために必要なものです。

  • 身体を健康に保つ
  • 体内の90%を占めるとされる消化器官でセロトニンが正常に機能することで、身体や消化の健康を保つことができます。セロトニンを上手に摂取することで身体を健康にしましょう。

  • 睡眠サポート
  • 睡眠に関わる物質に「メラトニン」というものがあります。この物質は光が目に入ることでその量が変化します。昼間は量が減って夜に増えるとされています。そして。この量の変化がスムーズになることで質のよい睡眠がとれるのです。このメラトニンはセロトニンが変化したものなので、よい睡眠のためにセロトニンを積極的に摂取するといいのです。

牛肉の栄養【脂肪燃焼効果のあるカルニチン】

  • 脂肪を燃焼してくれる
  • カルチニンは身体の中で余分な脂肪を分解し、エネルギーに変えてくれます。脂質を燃焼する働きがあるので、中性脂肪の値を下げてコレステロール値を下げてくれる効果が期待できます。牛肉に含まれる成分はタンパク質の次にカルチニンが多いとされ、他の肉の中でも含有量は羊肉の次に多く含まれています。カルニチン体内にある量では足りないため、食事から摂取することが必要です。

[3]牛肉の部位別の栄養素の違い

牛肉のヒレに多く含まれる栄養素とは

牛肉のヒレに多く含まれる栄養素は、タンパク質、鉄分、ビタミンB群です。そして脂質が少ないのが特徴です。低脂肪で高タンパクの牛ヒレ肉は、柔らかくて食べやすいためステーキで食べるのがおすすめです。

牛肉のモモに多く含まれる栄養素とは

牛モモ肉には、ビタミンが豊富です。牛ヒレ肉よりも脂身が少ないため、脂を控えたい人はモモ肉の方をおすすめします。おいしい牛モモ肉の選び方は、紅色が鮮やかで艶がある、そしてきめ細かくて肉がしまっているものが美味しいものです。保存方法は、水気をしっかり拭き取って空気が中に入らぬよう、ラップで密封して保存します。

牛肉のレバーに多く含まれる栄養素とは

レバーは柔らかくて栄養が豊富だということで知られています。レバーにはタンパク質、鉄分、葉酸、ビタミンB12が含まれています。レバーを食べると貧血にいいと言われていますが、鉄分の他に葉酸にも血をつくる働きがあるためです。

牛肉のタンに多く含まれる栄養素とは

タンは牛の舌です。脂肪が少なくてタンパク質、鉄分、タウリンが多く含まれます。また、副腎皮質ホルモンの合成に関係するパントテン酸が含まれますが、これはストレス解消のホルモンと言われています。タンパク質は免疫力を高める働き、貧血や高血圧を予防する効果が期待できます。

牛肉の牛すじに多く含まれる栄養素とは

牛すじとは、牛のアキレス腱からとれる部分のことです。旨みが凝縮していますが、肉質は硬い特徴があります。煮込み料理にすると、トロトロになるのでおすすめです。牛すじにはビタミンB群が多く含まれていて、美肌を作る効果が期待できます。ビタミンB群には、肌の土台を作るコラーゲンを作ります。そして、コラーゲンを固める働きをするエラスチン、肌の潤いを保つために必要なヒアルロン酸が含まれているため、美肌効果が期待できるのです。

牛肉のカルビ(バラ)に多く含まれていている栄養素とは

焼肉などで大人気のカルビですが、カルビにはビタミンB12が含まれています。ビタミンB12には、赤血球を作る働きがあるため貧血予防に効果が期待できます。また、神経細胞の働きを正しく保つ働きもあります。そして、DNAの合成に必要な葉酸が正常に働くためにも、ビタミンB12が必要です。肩こりや腰痛の原因は、末梢神経が傷つくためですが、ビタミンB12には末梢神経の傷を治してくれる働きがあるので、肩こりなどの改善にも期待されます。

牛肉のハツに多く含まれている栄養素とは

ハツにはビタミンB12、ビタミンB2が含まれています。ビタミンB12には生活リズムを整える働きがあります。そしてビタミンB2はタンパク質の合成に関わるため、成長を促す働きがあります。また、粘膜や皮膚を健康に保つ働きや糖の代謝を助けるため糖尿病の予防や改善の効果が期待できます。

[4]牛肉の栄養は妊婦さんにもおすすめ

牛肉は妊婦さんにおすすめのお肉です。肉の中でも鉄分く脂質も少ないのがその理由です。妊娠中は貧血になりやすいため、積極的に鉄分を多く含む食品を食べることが重要です。
また、お腹が大きくなると寝付きが悪くなることがありますが、牛肉に含まれるセロトニンが安眠をサポートしてくれます。妊娠中は「あまり体重が増えすぎないように」と、病院から指導されることがあるでしょう。そんな時に、低脂肪で高タンパクの牛肉はおすすめの食材です。

牛肉に含まれるカルニチンは、余計な脂肪を燃焼してくれる働きがあるので、肥満予防に期待できます。食事に牛肉を取り入れて、心の安定を保ちながら栄養を摂取するようにしましょう。
また、すべての肉を選ぶ際に当てはまることですが、どのように育てられているのか生育環境やエサはどのようなものを与えられているのかというようなところにも目を向けて選んでみるのも良いでしょう。そして、食事は偏らずに摂ることが1番です。バランスよく、自分の身体と相談しながら食べてくださいね。

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