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【管理栄養士監修】味噌に含まれる栄養はどのくらいの力がある?日本人のソウルフードを徹底解説!

味噌といえば、味噌汁など日本人の食生活の中では切っても切れない食材です。しかし、食生活の欧米化によって、朝食はパンとコーヒーで済ませる人が増えてきています。夕飯でも味噌汁を飲まない人もいるようです。味噌を見直して味噌に含まれる栄養について知っていきましょう。

2018年03月26日更新

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]味噌とは

味噌の歴史を知ろう

味噌は中国から渡ってきた調味料「醤(ひしお)」が発達したものです。「殻醤(こくしょう)」というものは米や豆、小麦などの穀類を塩と一緒に発酵させたものです。「魚醤(ぎょしょう)」は魚を使って塩と発酵。肉と塩を発酵させたものが「肉醤(にくしょう)」です。日本で発達したものは穀醤で、奈良時代には色々な醤が作られていて、鎌倉時代には今の味噌のようなものが発達していました。

戦国時代には海のない地域で塩を備蓄するために、味噌を作って食料としていました。味噌は昔、家庭で作られていました。家によって味噌の味や製法が違い、嫁にきた女性が嫁ぎ先の味噌が作れるようになったら一人前という風習もありました。

色で分ける味噌の種類

味噌を作る時には、米麹作りから始めます。不純物を取り除いた米をよく洗って水に浸け、柔らかくなったら米を蒸して麹菌を植え付けて「米麹」ができます。大豆は不純物を取り除いてよく洗って水に浸けます。柔らかくなったら大豆を「蒸す」か「茹でて」つぶします。米麹と潰した大豆、塩を一緒に木桶などに入れて発酵・熟成させると味噌が出来上がります。

  • 赤味噌
  • 赤味噌は味噌を作る工程の中で、大豆を「蒸す」ことでできる味噌です。赤味噌は発酵熟成中にメイラード反応が起こります。これは大豆などの原料に含まれるアミノ酸が糖と反応し、色が褐色に変化することです。このメイラード反応によって、色や濃淡が変わってきます。味噌は商品になってからも熟成が進むため、時間が経つとともに色が変化していきます。熟成させる時の割合は、大豆1:米麹1で作ります。

  • 白味噌
  • 白味噌を作る場合は、メイラード反応を起こす物質が残らないように、大豆を「煮て」作ります。煮ることで、メイラード反応を起こす物質が煮汁に流れ出し、色が褐色変わることを防ぎます。大豆と米麹の割合で、米を減らすとメイラード反応を起こしにくくなるため、大豆1:米麹2にします。

麹で分ける味噌の種類

穀物に麹菌を培養して繁殖させた麹は、味噌や酒、しょう油などの発酵食品を作る時にとても重要な役割があります・味噌は麹の原料によって、「米味噌」「豆味噌」「麦味噌」と「調合味噌」に分けられます。「麦麹」とは大豆に麦麹を加えてつくったもの、「豆味噌」は豆麹を大豆のみを使い、「米麹」は大豆に米麹を加えたものです。

  • 米麹味噌
  • 「米麹」は麹菌を精白米に植え付け、米のデンプンを糖化させて作ったものです。米麹味噌の特長はお米の甘みが感じられる点です。

  • 麦麹味噌
  • 麦は香ばしいよい香りがするところが特長です。あっさりして甘味は少なく、米麹味噌よりも塩分が少ないです。麦麹味噌は、四国・九州地方で好まれています。

  • 豆麹味噌
  • 柔らかくなった大豆に種麹を植え付けて発行したものが「豆麹」です。これは八丁味噌やしょう油の原料となり、他の麹よりも生産量が少ないので入手しづらいです。豆麹を使って作った味噌は材料は大豆以外使用していないため、大豆だけの味噌です。

[2]味噌の栄養と効能

人の身体を作る【タンパク質】

  • 免疫力アップ
  • タンパク質は体外から侵入してきた異物を退治してくれる免疫細胞であるマクロファージやウイルスや細菌が侵入してくるのを止めるリンパ球、病原菌などからの感染から私たちの身体を守ってくれる免疫グロブリンを作る働きをします。タンパク質はこのように、体内に侵入してきた異物を排出する交代の働きを助けて、免疫力をアップさせる働きがあります。

  • 貧血予防
  • 鉄とタンパク質が結合して作られたヘモグロビンは、身体中に酸素を運ぶ役割があります。このヘモグロビンが身体の中に足りなくなってしまうと、身体中に酸素を運ぶ力が弱まってしまうため、貧血を起こしやすくなってしまいます。貧血の他には頭痛やめまいなども引き起こしてしまいます。タンパク質が足りないとヘモグロビンが作られないため、タンパク質を積極的に摂取して貧血予防を心がけましょう。

  • 高血圧予防
  • 尿素はタンパク質が分解される際に生成されます。尿素が腎臓から排泄されるとき、それと一緒に塩分も排泄されます。このため、タンパク質を摂取することで、余分な塩分が身体から排出され、高血圧の予防が期待できます。

  • 身体を作る
  • タンパク質は身体を作るために重要な役割があります。髪の毛や爪や筋肉、臓器などを作るのはタンパク質です。また、タンパク質は血管を強くする効果もあります。この効果は脳出血や脳溢血などの予防が期待できます。そして、コラーゲンはタンパク質の一つですが、コラーゲンは美肌に欠かせないものです。美肌を維持するためには意識してタンパク質を摂ることが必要です。

水溶性のビタミン【ビタミンB12】

  • 神経の機能を正常に保つ
  • 神経細胞の機能を正常に働かすためには、ビタミンB12が核酸、アミノ酸、タンパク質の合成を助ける必要があります。また、肩こりや腰痛の原因は末梢神経が傷つくためです。この末梢神経の傷を治す効果があるビタミンB12を摂取することで、手足のしびれや肩こり、神経痛の改善効果が期待できます。

  • 睡眠を促す
  • ビタミンB12は、睡眠や覚醒のリズムに関わっていることが研究によって分かってきました。ビタミンB12を摂取することで、睡眠・覚醒のリズムを整える効果が期待できます。

  • 貧血予防
  • 葉酸と赤血球を作る働きがあるビタミンB12は、細胞分裂や増殖が正常に行われるために重要な成分です。とちらかが不足すると貧血が起こってしまいます。貧血予防のためにはビタミンB12が必要なのです。

若返りのビタミン【ビタミンE】

  • 血流改善
  • ビタミンEには、血流を改善する効果が期待できます。また、ビタミンEがもつ抗酸化作用によって過酸化脂質を分解して血液がどろどろになるのを防いでくれます。この働きによって、ビタミンEは血の巡りが悪くなることで引き起こされるとされる、冷え性や頭痛、腰痛などの改善が期待できます。

  • 生活習慣病予防
  • 強い抗酸化作用を持つビタミンEの働きは、生活習慣病の予防・改善に効果が期待できます。血管が老化して血流が悪くなると動脈硬化になりやすくなります。動脈硬化は心筋梗塞、脳卒中などの病気を引き起こす原因になります。血中の悪玉コレステロールが参加されると、過酸化脂質が血管の内側に付着してしまい、これが動脈硬化の原因になります。ビタミンEが持つ抗酸化作用で、血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぐことで、動脈硬化を防ぎ血管をしなやかに保つので、生活習慣病の予防に期待できます。

  • 美肌効果
  • ビタミンEの抗酸化作用は細胞の酸化を防ぐ働きをしますが、それは肌の細胞にも作用します。肌の細胞が酸化すると、シワやシミ・そばかすの原因になり、肌が乾燥してしまいます。ビタミンEが肌の酸化を防ぐことで、肌の潤いを保ち、美肌効果が期待できます。

女性ホルモンに似た【イソフラボン】

  • 更年期障害の緩和
  • 更年期障害とは、年齢とともに卵巣の機能が衰えてエストロゲンの分泌が減ることでさまざまな不快な症状が現れることです。発汗やのぼせ、めまいなどの身体的な症状の他に、イライラしたり不安や憂鬱などの精神的な症状なものもあります。エストロゲンの減少は、加齢だけでなくストレスや無理なダイエットによっても起こりえます。そして、ストレスや無理なダイエットは月経周期が乱れることがあります。イソフラボンには、更年期障害の症状を改善してくれる働きがあります。そして、エストロゲンが過剰に分泌することで引き起こされる乳がんの予防に、イソフラボンが役立ちます。

  • 骨粗しょう症予防
  • カルシウムは骨の中に蓄えられていて、身体の中でカルシウムが足りなくなったら、骨の中のカルシウムが血液中に溶け込んでカルシウムが足りないところに補充します。しかし、エストロゲンの分泌が減ってしまうことで、骨の中にカルシウムを蓄えておく力が弱くなってしまいます。

    そうなると、骨密度が低下してしまい骨がもろくなってしまいます。年齢とともにエストロゲンの分泌が減少するほかに、生活習慣の乱れやストレスでエストロゲンの分泌が減少することがあります。イソフラボンにはエストロゲンの分泌を促進して、骨の中のカルシウムを蓄えることで骨粗しょう症の予防が期待できます。

  • 生活習慣病の予防
  • コレステロールは脂質の一種ですが、細胞をつくるために必要な成分です。しかし、動物性脂肪を多く含む食品を摂りすぎると、血液中のコレステロールが増えて動脈硬化の原因になってしまいます。また、年齢とともに代謝が悪くなるので、コレステロールが増えやすくなってしまうのです。イソフラボンには増えすぎた血液中のコレステロールを減らす働きがあります。そのため生活習慣病の予防に効果が期待できます。

神経の働きを正しく保ってくれる【コリン】

  • 脂肪肝の予防
  • 味噌にはコリンという成分が含まれていますが、コリンには肝臓の機能を高める働きがあります。肝臓に脂肪が蓄えられるのを防ぐため、脂肪肝の予防になります。

脳にも栄養を与えてくれる【レシチン】

  • 記憶力を維持する
  • 私たちの脳の中には神経伝達物質のアセチルコリンにより、記憶を維持したり伝達します。そして記憶を引き出す働きもあります。レシチンはこのアセチルコリンを作る材料になっています。レシチンが足りないと、アセチルコリンが減ってしまうので、情報の伝達がスムーズにできなくなってしまうため、記憶力が悪くなったり忘れっぽくなる原因になることがあります。

  • アルツハイマーや認知症の予防
  • レシチンは人の脳内に約30%存在しています。そして、脳細胞の活動をサポートしています。人の細胞は20歳過ぎると2万個から3万個ずつ壊れていきます。こうして加齢に比例して壊れる細胞の数も増えていきます。また、アルツハイマーの原因はレシチンでできた脳の神経線維が傷つくことと言われています。レシチンを積極的に摂取することで、記憶力の低下を防ぎアルツハイマーの予防に効果が期待されます。

  • 動脈硬化予防
  • レシチンには水に馴染む特性と油に馴染む特性の両方を持っています。この特性は血管の中にこびりついてしまったコレステロールを溶けやすくして、不要な老廃物を血液中に溶かして血管の中をキレイにして、血流をよくする働きがあります。

大豆に含まれる【サポニン】

  • 肥満予防
  • サポニンには腸でブドウ糖と脂肪が合体しないようにして、脂肪が溜まることを抑制します。この働きは肥満予防に期待できます。

  • 血流を改善しコレステロール値を下げる
  • 動脈硬化の原因は血液中の悪玉コレステロールが多くなって酸化されることです。酸化された悪玉コレステロールは、血液の流れを悪くして血液をどろどろにします。そうなると、酸素や栄養が身体の末端の細胞まで届けられなくなります。サポニンには血液中の悪玉コレステロールの値を下げる効果があります。

  • 免疫力をアップ
  • サポニンには免疫力をアップする働きがあります。免疫細胞の中でもウイルスや細胞から身体を守ってくれる免疫機能であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化してくれるのです。免疫力が低下してしまうと、風邪をひきやすくなったり疲れやすくなることがあります。サポニンを摂取することで、免疫力を高めて風邪をひきにくくする効果が期待できます。

  • 肝機能を高める
  • サポニンの過酸化脂質の生成を抑える働きは、肝機能を高める効果があります。過酸化脂質は、コレステロールや中性脂肪などの脂質が酸化されたものです。そしてこれは老化や動脈硬化の原因になります。サポニンには過酸化脂質の生成を抑える効果があるため、肝機能を高める効果が期待できます。

[3]味噌汁を毎日飲んだら塩分の摂り過ぎになる?

味噌汁には塩分が多く含まれていると思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、3食毎回味噌汁を飲んでも塩分の摂り過ぎにはなりません。味噌汁の塩分はそれほど気にしないでもいいのです。ただ、飲み過ぎるのはよくありません。適度な量を飲むようにしましょう。

[4]味噌の栄養を毎日の食生活の中にとり入れましょう

味噌には身体に良い成分がたくさん含まれています。また、味噌汁には毎日具を変えることで飽きずに飲むことができるのが嬉しいですね。具はわかめや豆腐、大根など栄養をプラスできるのも味噌汁のいいところです。毎日の食生活の中に味噌汁を取り入れて健康な毎日を送りましょう!

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