【管理栄養士監修】鶏肉の栄養は健康パワーの源になる!部位を活かしたオリジナルレシピ6選もご紹介

献立に困ったらとりあえず鶏肉メニューという家庭も多いのではないでしょうか。他のお肉と比べても手にしやすい価格で、食べやすくおいしい鶏肉ですから、多様なレシピに活用できますね。今回は、そんな鶏肉のあまり知られていない栄養価や、部位ごとに合う料理法をご紹介していきます。

2018年02月01日更新

免疫力と食事・サプリ

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]鶏肉の種類と部位

鶏の種類と部位ごとの特徴についてご説明します。

鶏肉の種類

地方の有名な鶏をいくつご存知ですか。日頃、購入している鶏肉が何という種類で、他の種類とどう区別されているか、知っておきましょう。

  • ブロイラー
  • 市場に出回っている鶏肉のほとんどが、ブロイラーという種類です。若鶏とも呼ばれます。白い羽の色の鶏でメスとオスの交配によるものです。生まれて2ヶ月ほどの鶏が出荷される流れになっています。

  • 銘柄鶏
  • ブロイラーを、餌や飼い方などの違いで、区別した鶏のことをいいます。ブロイラーより質の高い鶏肉と言えるでしょう。細かい規定はありませんが、房総ハーブ鶏などの白系銘柄鶏、赤鶏さつまなどの赤系銘柄鶏と区別され、市場に出回っている割合では半分程になります。

  • 地鶏
  • 昔から日本にいる在来鶏のオスを、ブロイラーのメスと交配させたもので、約80日で出荷されます。また、地鶏のオスと茶色い鶏のロードアイランドレッドのメスなどを交配させ、90日以上で出荷となるものもあります。半年以上飼われてから出荷などと、それぞれに飼育条件が決められていて、出生証明ができ、国内鶏の血が50%を超える鶏になります。高品質でスーパーなどでは滅多に手に入りません。

部位別!鶏肉の栄養と成分

部位ごとに栄養素や食感が違う鶏肉です。よく使われる部位から焼き鳥でしか食べたことのないような部位まで、栄養価をご紹介します。

  • もも
  • 鶏の太ももの部分。鶏肉料理には定番とも言える部位で、ジューシーです。もも肉には、セレンというミネラルが多く、細胞の老化を防ぎ動脈硬化を予防すると言われています。また、程よく脂肪分がついており、たんぱく質と鉄分が豊富です。そして、ビタミンB2も豊富で、新陳代謝を高め、皮膚や唇にうるおいを与えてくれます。

  • むね
  • 鶏の胸の部分。くせが少なく、使いやすい部位でハムにしてもおいしく、低カロリーです。ビタミンK、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸などの成分が豊富で、特に多いナイアシンというビタミンは、口内炎予防にいいとか。挽き肉の原料としても多く使われています。

  • ささみ
  • 鶏の肋骨周りの部分。鶏肉の部位では最も効率よく、カロリーを抑えてたんぱく質が取れる部位になります。セレンの他、モリブデンも含み、老廃物の排出を促してくれたり、鉄を吸収しやすくしてくれる作用があるので、貧血予防に効果的な食材との相性がいいでしょう。

  • 手羽
  • 鶏の羽の部分で、手羽先・手羽中・手羽元の3つに分けられます。手羽先は羽の先端部で、血管を丈夫にし、皮膚のうるおいを保つコラーゲンやエラスチンなどの成分を豊富に含んでいます。ビタミンAも多く、粘膜を丈夫にし病気の回復を手助けする働きがあります。手羽中は、手羽先の先端を取り除いたものをいいます。「チューリップ」や「イカダ串」などと命名され、唐揚げや焼き鳥で調理されることが多い部分です。手羽元は羽の根本部分。手羽先に比べると脂肪分が少ないものの、ダシが出るので、煮込み料理に合います。

  • 内臓
  • はつは心臓、レバーは肝臓、砂肝は消化器官のことをいいます。はつはビタミンB12が豊富で、ヘモグロビンを正常にしてくれ、貧血予防が期待できます。レバーもセレンやビタミンA、B2、B6、鉄、銅、葉酸など、貧血予防に効果的な成分がたくさん。砂肝もビタミンB12、鉄、骨を形成するビタミンKが含まれています。どれも歯ごたえがよく、焼き鳥などによく使われます。その他、希少部位で食道のさえずり、腎臓のせぎもなどもあります。

  • むね肉やもも肉の皮で、鶏肉の部位では特にコラーゲンが多く含まれています。コラーゲンは細胞と細胞を繋ぐことのできる役割があり、関節の痛みにも効くと言われています。

  • 軟骨
  • 膝の関節にある軟骨をげんこつ、胸骨の先にある軟骨をヤゲンと呼びます。軟骨もコラーゲンが豊富で美肌効果がある上、コレステロールを下げるといった効果もあるナイアシンも含んでいます。コリコリとした食感が人気の部位です。

[2]鶏肉と相性のいい野菜

鶏肉は野菜と合わせて食べると、うま味成分と相まってよりおいしさと栄養効果がアップします。

ごぼう×鶏肉

ごぼうは強い抗酸化力を持ち、肌の張りを保ってくれます。風邪・肌荒れ予防効果があるタンニンや便の排泄を促進する肥満・便秘予防効果があるイヌリンが含まれています。体を温める作用のある温性の鶏肉と一緒に食べることで、整腸作用が期待できます。

大根×鶏肉

大根は胃腸の働きを整えてくれる消化酵素を多く含んでいます。よく大根おろしは血液をサラサラにする働きもあるとされ、脂っこいものとの組み合わせは知られていますね。胃腸を丈夫にする働きがある効果に期待できる野菜としては、もやし、キャベツ、トマトなどもあります。

[3]鶏肉を食べて美しく健康に!

鶏肉にはいろいろな栄養素がありますが、特に注目の鶏肉パワーについて取り上げます。

コラーゲンの魅力

コラーゲンは細胞と細胞を結びつける機能があります。ニキビやシミなどのお肌の問題改善だけでなく、目の水晶体や角膜にもコラーゲンが多くあるため、白内障の予防、老眼予防、関節痛の予防にもなります。コラーゲンは水溶性のため、煮込むと煮汁に溶け出しますので煮汁も飲むといいでしょう。

鶏肉に多いある成分には抗酸化作用が

たんぱく質の酸化を抑制する、抗酸化作用が期待されるアンセリン、カルノシンというジペプチドを多く含んでいます。体の老化の原因となる原子や分子をなくしていく、ビタミンC、ビタミンEなどの植物性食品に含まれる抗酸化物質が知られていますが、動物性食品由来のアンセリンやカルノシンも、効果的であることが分かっています。

運動の成果や血糖値の低下に期待

アンセリンとカルノシンはまた、抗疲労効果や運動パフォーマンスが上がると言われています。また、アンセリンに関しては血糖値の低下作用があり、尿酸値を下げる作用もあるということも報告されています。鶏肉を適量摂ることで、健康維持につながると言えます。

悪玉コレステロールを減退させる?

鶏肉に含まれる飽和脂肪酸は、善玉コレステロールを増やす働きがあるのでは、と考えられています。同じく鶏肉に含まれる不飽和脂肪酸は、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らすと言われています。ただ、脂肪酸の摂りすぎは動脈硬化の原因となりかねません。適度に鶏肉を摂取しましょう。

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」(P.8参照)によると、1日のたんぱく質の平均必要量は成人男性で50g、成人女性で40gとなっています。推奨量という項目もあり、成人男性は60g、成人女性は50gの摂取が推奨されています。

[4]鶏肉の部位ごとにおすすめする6つの調理法

部位ごとに栄養価も肉質も違う鶏肉。管理栄養士のレシピを参考にしてもっと鶏肉を楽しんでみましょう。

もも肉は唐揚げ、シチューに照り焼きとオールマイティ

ももは鶏がよく運動する部位になります。むね肉よりは少し硬めで、赤みがある肉です。骨なしもも肉は、唐揚げやカレー、シチュー、照り焼きと幅広く使えるでしょう。骨付きの関節下は、ドラムスティックと呼ばれ、こちらも唐揚げや煮込み料理にと、食卓を豪華に飾ってくれるでしょう。

  • 塩麹唐揚げ

<材料>
・鶏もも肉 1枚(300gくらい)
・片栗粉  大さじ3
・生姜(すりおろし)1かけ分
・にんにく(すりおろし)小さじ½
・塩麹   大さじ2
・醤油   小さじ1
・酒    大さじ1

<作り方>

  1. 浄水で洗った鶏もも肉は一口大の大きさにカットして室温に戻しておく。
  2. ボウル(もしくは袋)に1と生姜、にんにく、塩麹、醤油、酒を入れて、約20分ほど漬け込む。ボウルの場合には途中で何回か上下が入れ替えてあげて、袋の場合も全体に調味料がまわるようにもんであげる。
  3. 漬け汁を捨てたら、片栗粉を加えて、全体に絡める。
  4. まずは160℃くらいの油で3~4分ほど揚げて、一度取り上げる。
  5. 取りだした肉を5分ほど休めて、余熱で中まで火を通した後は、190~200℃まであげた油で再度1~2分揚げたらできあがり。

むね肉は蒸し物、焼き鳥に

むね肉は脂肪が少なく、たんぱく質が多い部分です。 カロリーを気にする方は、皮を除くとより脂肪分が減らせます。淡泊な味なので、照り焼きや焼き鳥、煮物、蒸し物が向いているでしょう。加熱しすぎると食感がパサパサしてしまうので注意しましょう。

  • シンプルジューシーチキンソテー

<材料>
・鶏むね肉 1枚(300gくらい)
・塩    3g
・甘麹(もしくは、はちみつ・甘酒など)大さじ1

<作り方>

  1. 浄水の水でしっかりと鶏むね肉を洗った後、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を切る。
  2. 水気を切ったら、鶏むね肉全体に塩と甘麹をまぶして、袋に入れて、空気を抜きながら袋を縛って、冷蔵庫で1晩寝かす。
  3. 焼く前には冷蔵庫から出して常温に戻しておく。
  4. 冷たいままのフライパンにオリーブオイルを入れて、皮面を下にしてお肉を入れる。
  5. 弱火にしてじっくりと焼く。(約10分くらい)
  6. 皮の色がきつね色に変わっていたら、ひっくり返して、弱火にてじっくり焼く。(約10分くらい)水分が出てきたら、こまめにキッチンペーパーなどでふき取る。
  7. 1番厚みがあるところに竹串などを刺して、透明な肉汁が出てきたら火が通っているのでできあがり。

※肉のたんぱく質は65℃以上を超えると、たんぱく質が凝固をしてしまい、固くパサパサになってしまうので、弱火でじっくり焼くことが柔らかくジューシーに食べるためのポイントです。時間をかけれない場合は、そぎ切りなどで厚さを薄く切ってからソテーすることをおすすめします。火の通りが早くなります。

ささみはサラダや和え物

むね肉に近い部分のささみは、淡白な味わいで脂肪も少なく低カロリーです。鶏肉で最もたんぱく質が多い部分で、スポーツ選手たちも積極的に摂取している部位です。あっさりしているので、サラダや和え物にするとおいしく味わえます。中央の筋は固いので、取り除いてから調理してもいいでしょう。

  • 鶏ささみの中華サラダ

<材料>
・鶏ささみ 4本(200gくらい)
・きゅうり 1本
・人参   1本
・切り干し大根 40g
・塩
・酢     大さじ2
・醤油    小さじ1
・ごま油   小さじ1
・すりごま  お好みで

<作り方>

  1. 人参のヘタを落し、3cmくらいの長さの千切りにする。
  2. ボウルに人参と切り干し大根、酢をいれて全体に酢が絡むように混ぜ合わせておく。
  3. ささみを浄水で洗って、筋を取り除く。
  4. 鍋に500mlの水を入れて沸騰させたら、塩を小さじ1加えて溶かす。再沸騰したら、ささみを加えて、沸騰したら火を止めて鍋のふたをして約8分くらい蒸らしてあげる。
  5. 鍋から取りだし、粗熱が取れたら食べやすいようにほぐす。
  6. きゅうりは両端を切り落としたら、3cmくらいの長さの千切りにして、塩を2つまみ混ぜて10分ほど寝かした後、出てきた水分は絞っておく。
  7. 2に5と6を加えて均等になるように混ぜ合わせる。
  8. 醤油とごま油、お好みですりごまを加えて全体に絡むように混ぜ合わせてらできあがり。

手羽は揚げ物、焼き鳥、鍋

手羽先はゼラチン質や脂肪が多いなので、スープや煮物に向いているでしょう。手羽中や手羽元は、比較的肉が付いているので、揚げ物にすると美味しいです。手羽は鍋にすると、骨から良い味が出るので、水炊きやさまざまな味付けの鍋にもぴったりです。

  • 手羽先の甘辛煮

<材料>
・手羽先 8本
・生姜  1かけ分
・醤油  大さじ2
・甘麹(はちみつや甘酒でも代用可)大さじ2
・酒   大さじ1
・水   80ml
・たまご 2個

<作り方>

  1. たまごは半熟茹で卵にして殻をむいておく。
  2. 生姜は皮をむき千切りしておく。
  3. 鍋にオリーブオイルをしいて、生姜を入れて火にかける。生姜の香りが立ってきたら、手羽先を加えて両面に焼き色がつくように軽く焼く。
  4. 焼き色がついたら、あらかじめ混ぜ合わせておいた醤油、甘麹、酒、水を加えて、中火で煮込む。
  5. 煮汁にとろみがついて煮詰まってくるまで煮る。
  6. 茹で卵を加えて、卵と手羽先に煮汁を絡めてあげたらできあがり。

       

内臓は串焼きや炒め物に

レバー、ハツ、砂肝などの内臓系は、鉄分補給に最適です。臭み消しに、にんにくや生姜、お酒やハーブ類などを使って、炒め物や煮物で味わいましょう。竹串に刺してお酒やしょうゆを振り、塩こしょうでグリルに入れて串焼きを楽しんでもいいでしょう。冷水につけて、血抜きをしてから調理しましょう。

  • レバーのバルサミコ酢煮

<材料>
・鶏レバー 300g
・酒    大さじ1
・梅酢(あれば) 大さじ1
・バルサミコ酢 大さじ2
・醤油     小さじ1
・塩      少々
・ブラックペッパー 少々

<作り方>

  1. 鶏レバーをレバーとハツ(心臓)に分けて、ハツは真ん中にハサミを入れて開く。レバーとハツを浄水で洗い、血の塊をしっかりと取り除く。
  2. ボウルに1と梅酢を入れて軽くもみ洗いして、水で洗い流す。
  3. 2に酒を加えて、ラップをして空気に触れないようにして10分ほどおく。
  4. 鍋に入れた水が沸騰前まで温まったら火を止めて、3を加える。
  5. 10分ほど放置したら取りだす。
  6. ハツは半分にカット、レバーはお好みの厚さにスライスする。
  7. フライパンにバルサミコ酢と醤油を入れて軽く煮立ったら6を加えて全体に絡めてあげる。
  8. 塩とブラックペッパーで味を整えたらできあがり。

皮は網焼きや煮物、スープに

皮は軟らかく脂肪が多い部分です。よくダシが出るので、スープで煮込んでダシごと楽しんでみましょう。炊き込みご飯などに、コクのあるダシの素としても使えます。カリカリに焼いてもおつまみに最高。脂肪の黄色い部分を取り除いて軽く茹で、冷水に取って脂や臭みを取り除いてから調理するといいでしょう。

  • カリカリ鶏皮ポン酢

<材料>
・鶏皮  お好きな分
・青ネギ お好きな分
・醤油  
・酢
・柚子胡椒 お好みで

<作り方>

  1. 鶏皮を浄水で洗って、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を切る。
  2. フライパンを中火にかけて、鶏皮がカリカリになるまでじっくり炒める。
  3. 鶏皮から出てくる油はキッチンペーパーでふき取る。
  4. パリパリになるまで火が通ったら、一口サイズにカットする。
  5. 醤油と酢を2:1の割合で混ぜ合わせておく。(お好みでここで柚子胡椒も加える。)
  6. 4と5を混ぜ合わせて、上に小口切りした青ネギをトッピングしたらできあがり。

[5]カロリーを気にする方にも嬉しい鶏肉

たんぱく質を摂ると体温も上昇しますから、いろいろなパワーのある鶏肉は冷え性改善にもいいでしょう。しかも鶏肉は脂を自分で取り除けば、脂肪を気にせずに摂れるたんぱく質としても便利な食材。低カロリー高たんぱくな鶏肉を適度な量で摂取していきましょう。

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