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【管理栄養士監修】玄米に含まれるLPSの量はどのくらい?期待できる効果と炊飯器でできる美味しい炊き方

「白米より玄米の方が栄養価が高い」と聞いたことある人は多いでしょう。実は、玄米にはLPSと呼ばれる免疫力を高める成分が多く含まれているのです。今回はそのLPSの働きについても詳しく説明します。

2018年06月12日更新

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]玄米に含まれるLPSとは

LPSはLipopolysaccharide(リポポリサッカライド)というリポ多糖の通称です。LPSは、土や土の中で育つ野菜などの食べ物の中にいる微生物の成分の1つで、本来なら人間の体の中にはいません。
しかし、食事を通して体の中に入ったLPSは粘膜を通じて体内の免疫細胞(マクロファージ)を活性化させ、免疫力を高めてくれる効果が期待できるため免疫ビタミンとも呼ばれています。また、LPSは空気の中にも存在しており、皮膚に触れることでも免疫細胞に働きかけると言われています。しかし、土や自然が少ない所ではごくわずかな量しかないとのことです。

LPSに期待できる効果

  • 風邪やインフルエンザなどの感染症を予防
  • LPSにより免疫力を高めてくれることで、細菌やウイルスと闘う力を高めてくれます。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防につながります。

  • 花粉症などのアレルギーやアトピー性皮膚炎を改善
  • 異物が侵入した時に体内の免疫細胞(マクロファージ)が戦います。しかし、マクロファージだけで対応できない時はアレルゲンの情報をT細胞に伝えて助けを求めます。
    そのT細胞の中のヘルパーT細胞(Th細胞)にはTh1とTh2があり、Th1細胞は細菌やウイルスと戦う抗体と呼ばれる武器を作ります。Th2細胞は花粉症やダニ、カビなどのアレルゲンと戦うIgE抗体と呼ばれる武器を作ります。このIgE抗体がアレルゲンと結びついた時に、大量の炎症物質が出されることで花粉症やアトピーなどのアレルギー反応が起こってしまいます。Th1よりもTh2が増加するとアレルギー体質になると言われています。

    LPSはTh1を増やしてTh1とTh2のバランスを保つ働きをします。それにより、花粉症などのアレルギーやアトピー性皮膚炎を改善する効果が期待できるのです。また、LPSは皮膚の中にある免疫細胞(マクロファージ)の働きも活性化させ、ヒアルロン酸やコラーゲンを増やして肌のハリやツヤをアップさせたり、傷んだ皮膚の治癒を促して肌荒れを改善する効果も期待できます。

  • がんを予防する
  • がん細胞は1日に5000個ほど増えていくと言われています。LPSは免疫細胞(マクロファージ)を活性化させ、このがん細胞を除去してがんの発症リスクを減らす効果が期待できます。

  • アルツハイマー型認知症の予防につながる
  • アルツハイマー型認知症は、アミロイドβと言われる不溶性のタンパク質が脳の中に溜まることで脳の血流を悪くして脳内の正常な細胞が壊されると発症することがわかっています。
    LPSは脳内にある免疫細胞を活性化し、アミロイドβを除去してアルツハイマー型認知症の予防につながります。また、睡眠をしっかりととることでLPSによる脳の免疫細胞の活動量が上がる効果が期待できます。

LPSの1日の摂取量はどのくらい?

LPSは500μgを毎日継続して摂ることが薦められています。摂りすぎても特に体に問題はありませんが、一度に多量に摂っても効果は増加しないと言われています。

[2]玄米ってどんなお米?

玄米とはもみからもみ殻を取り除いたお米です。簡単に言うと、精米(米からぬかを取ること)をして白米にする前の状態のお米です。

玄米には『免疫ビタミンLPS』が含まれている

玄米のぬかの部分には、免疫ビタミンであるLPSが多く含まれています白米になるとぬかの部分は取り除かれてしまうため、LPSの摂取は期待できません。150gの玄米(約お茶碗1杯分)を食べることで、1日のLPSの推奨摂取量である500μgを摂ることが期待できます。

玄米と白米・金芽米の違い

玄米や白米の他にも胚芽米や金芽米と言った様々なお米があります。これらの違いは精米によりどこまで取り除かれるかです。もみ殻だけしか取り除かれていない玄米はこれらの米の中でミネラルやビタミン、食物繊維が一番豊富です。しかし、その分食感が硬く、ぼそぼそとしているため美味しく感じない人が多いでしょう。

玄米のカロリー

玄米のカロリーは150g(お茶碗1杯分)で248kcalです。1合で525kcalになります。ちなみに白米のカロリーは150g(お茶碗1杯分)で252kcalです。

[3]LPSが多い食材は玄米!その栄養素と期待できる効果・効能

食材の中でLPSが一番多く含まれているのは玄米です。玄米はLPSだけでなく他にも様々な栄養素が含まれています。その栄養素と期待できる効果について説明します。

玄米に含まれる栄養素

  • ビタミンB1
  • 玄米には100gあたり0.41㎎のビタミンB1が入っています。これは、白米の約5倍の量です。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える、代謝に必要な栄養素です。また、ビタミンB1は神経機能と深く関わっています。ビタミンB1が不足するとイライラしたり、体のだるさや手足のしびれなどが起こりやすくなってしまいます。
    糖質やビタミンB1が豊富な玄米を食べることで、疲労回復の効果が期待できます。また、糖質を効率よく代謝してくれるということは、肥満予防にもつながります。

  • ビタミンE
  • 玄米には100gあたり1.2㎎のビタミンEが入っています。これは白米の12倍です。ビタミンEは女性ホルモンのバランスを整えたり、血流を良くして肩こりや冷え性の症状を改善する効果が期待できます。また、ビタミンEには体の中の活性酸素を除去する抗酸化作用があるため、老化や紫外線などによる皮膚のダメージを防いで肌をきれいにする働きや、がんや糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果が期待できます。
    さらに抗酸化作用によって活性酸素を適切な量にしてくれると白血球の強い味方となり、免疫力を高めてくれるため風邪などの感染症の予防にもつながります。

  • マグネシウム
  • 玄米100gあたり110㎎のマグネシウムが入っており、白米の約5倍の量です。マグネシウムは骨の形成や筋肉の収縮、体内のタンパク質の合成、エネルギーの代謝、血圧や体温の調整、血糖値の調整を行ってくれます。
    また、玄米にはリンやマンガンなどのミネラルも白米の約3倍含まれています。そして、味覚障害の予防にも効果的な亜鉛や貧血予防に効果的な鉄分も豊富に含まれているのです。

  • γ-オリザノール
  • 玄米のぬかの部分にはポリフェノールの一種であるγ-オリザノールが含まれています。γ-オリザノールにもビタミンE同様に抗酸化作用があり、生活習慣病の予防や免疫力を高める効果を期待できます。また、γ-オリザノールは脳の中枢神経に働きかけて食欲を抑えるため、食べ過ぎによる肥満の予防にもつながります。
    さらに、コレステロールの吸収を抑えたり、更年期障害の症状を改善する効果や体の中のインスリンの分泌機能を高めるため糖尿病の予防や改善にも効果が期待できます。

  • フィチン酸(IP6)
  • 玄米にはフィチン酸よばれるビタミンBの仲間が含まれています。このフィチン酸にも抗酸化作用があります。また、フィチン酸は体の中の毒素を排泄してくれる働きがあります。しかし、同時に体に必要なミネラル分まで排泄されると言われることもあります。ただ、玄米のぬかに閉じ込められている状態では体内のミネラルには影響を与えないと言うデータもあります。
    フィチン酸は玄米が発芽すると分解されて量が減るとも言われているため、フィチン酸の影響が気になる場合は発芽玄米を食べることも1つの方法です。

  • 食物繊維
  • 100gあたりの玄米には不溶性食物繊維が3.0gと白米の6倍含まれています。白米には水溶性食物繊維はほとんど含まれていないのですが、玄米の場合は0.7g含まれています。食物繊維には腸の働きを整える働きがあり、便秘の予防にもつながります。また、食物繊維には血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を抑える効果も期待できます。

他にLPSが含まれている食材とは

玄米以外にもLPSを含んでいるオススメの食材をお話しします。

  • 海藻類
  • のりやめかぶ、わかめ、昆布などの海藻類にはLPSが多く含まれています。のりの佃煮5g、めかぶ50gに1日の推奨摂取量である500μgのLPSが含まれています。

  • 野菜類
  • 土の中で育つレンコンやにんじん、大根、イモなどの根菜類はLPSを多く含んでいると言われています。しかし、農薬を使って育てられた野菜は農薬によって土の中の細菌も減り、LPSの量が減ってしまっている可能性が高いです。また、土と接触している皮の部分にLPSは多いと言われていますので、きれいに洗って皮ごと食べる方がLPSは摂取できます。

[4]玄米のLPSをまるっと吸収できる効果的な食べ方とは?

玄米のLPSを効果的に吸収できる食べ方をお伝えします。

玄米は加熱しても大丈夫?

LPSは加熱しても失われることはありません。そのため玄米を加熱して食べても大丈夫です。

玄米と相性のいい組み合わせ食材

LPSは乳酸菌と一緒にとることでその効果が高まることがわかっています。特にカスピ海ヨーグルトには普通のヨーグルトと違ってカスピ海ヨーグルト自身にもLPSが含まれているため、一緒に摂ることで効果が高まることが期待できます。

玄米のおいしい炊き方

玄米は白米と比べてぼそぼそとして美味しく感じないことが多いです。今回はその玄米を炊飯器で少しでもおいしく炊く炊き方を説明します。

  1. 玄米を洗う
  2. まずはボウルに水を入れて、2~3回くるくる回して洗ってチリやほこりを取り除きます。白米のように研ぐ必要はありません。

  3. もみ洗いをする
  4. 水の中で手のひらで玄米を擦り合わせるようもみ洗いをします。こうすることで玄米の表面に
    傷をつけて水を吸いやすいようにします。

  5. 浸水させる
  6. 玄米を6~8時間以上浸水させます。(冬場は特に時間をかけることがおすすめです。そしてできれば数時間おきに水も入れ替えてください)浸水の時、1合に対しひとつまみの塩を入れるとあく抜きと玄米の皮を柔らかくする効果が期待できます。

  7. 玄米モードで炊飯
  8. 炊飯器に玄米モードがある時は玄米モードで炊飯します。玄米モードがない場合もしっかり浸水させていれば美味しく炊けます。

  9. しっかり蒸らす
  10. 炊きあがったらすぐに蓋を開けずに15分ほど蒸らします。そうすると玄米にしっかり火を通すことができます。

炊けた時に表面に大きめのたて穴がいくつも見える。これは、水分量が適度にあって強い火力で炊けたということです。この穴が見られると美味しく炊けています。

玄米を食べる時の注意点

玄米にはアブシジン酸が含まれています。このアブシジン酸は玄米の発芽を抑える作用がありますが、体内に入ると体内になるミトコンドリアに悪影響を与える恐れがあります。それにより、低体温や免疫力の低下、不妊症になる可能性があります。アブシジン酸は発芽させるか、炊くときにしっかりと浸水させると活動が鈍くなると言われています。

また、玄米は白米に比べて消化が悪いため、しっかり噛んで食べることをオススメします。そして、玄米はぬかも丸ごと食べるので無農薬>を選びましょう[5]LPSが含まれている玄米を食事に取り入れてみよう

玄米を美味しく炊いて食事に取り入れることでLPSを摂取することにつながります。玄米を躊躇していた方も一度試してみてはいかがでしょうか?

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