【管理栄養士監修】ネギの栄養は青い部分と白い部分で変わってくるの?上手な保存方法と3つの豆知識

ネギは、一年中スーパーや八百屋で売られている野菜です。冬は鍋の中に入れて食べたり、夏は冷奴の薬味に使います。ネギは他の食材を引き立てて、おいしく食べられるようにする役目をしたり、料理によっては主役にもなる万能な食材です。今回は、ネギに含まれる栄養について解説していきます。

2018年02月13日更新

免疫力と食事・サプリ

KUMI (管理栄養士)

  • fb
  • line

[1]ネギの種類と保存方法

ネギの原産国は諸説ありますが、中国の西部ではないかと言われています。『日本書紀』の中に「秋葱(あきぎ)」との記載があることから、日本では奈良時代には食べられていて、江戸時代には栽培法が確立していました。おいしいネギは全体に張りがあり、緑と白の部分がはっきりと分かれているものがよいです。

甘味がある白ネギ

白ネギは太く、半分以上の部分が白いネギです。白ネギは東日本で好まれ、東日本では白ネギが多く出回っています。白ネギは位置的に茎の部分だと思われていますが、白い部分のほとんどが「葉」になります。白くなる理由としては、白い部分が土の中に埋まっている状態で、太陽に浴びることなく収穫されるためです。

白ネギは、熱を加えると甘味が出るのが特徴で、緑の部分は臭み消しとして使われることもあります。甘味がある白い部分は焼き鳥や鍋に入れるなどして食べます。白い部分の主な栄養素はカリウムアリシンなどが含まれます。

参考:農林水産省 ねぎについて

香りの良い青ネギ

青ネギは西日本で好まれるネギです。白ネギと同様に青ネギは「葉」になります。青ネギは、土の中から顔を出し太陽を浴びることによって色が変わります。細くて全体が緑色で根っこ以外全て食べることができます。お好み焼きの中に刻んで入れたり、おそばやうどんの薬味などに使われます。最近では西日本だけでなく、全国的に好まれて食べられるようになってスーパーなどでも置かれるようになりました。葉の緑の部分には、カリウムβカロテン葉酸ビタミンKカルシウムなどが含まれます。

参考:農林水産省 ねぎについて

ネギの上手な保存方法

ネギのおいしさを持続させる保存方法は、食べやすい長さに切ってラップに包むか、ポリ袋に入れて野菜室で立てて保存します。または、新聞紙に包んで冷暗所に保存しておくといいでしょう。

[2]ネギにも含まれている栄養素はどんな効果が期待できるの?

βカロテン(ビタミンA)

  • 粘膜や皮膚を健康に保つ
  • ネギに含まれているβカロテンは、身体の中に入ると必要な分だけビタミンAに変わります。ビタミンAは、粘膜や皮膚を健康に保つ働きがあります。皮膚の粘膜は、病原体が体内に入ってくるのを防ぐ重要な役割を担っています。免疫作用に働き、健康を維持するために必要な栄養素です。皮膚や目や口、胃腸、膀胱、子宮などの粘膜を正常に保つ働きがビタミンAにはあります。免疫を高めるためにもビタミンAを摂取することは大切です。

  • ガンの予防と動脈硬化
  • ビタミンAは粘膜を健康に保つ働きを持っているため、皮膚や臓器を覆っている膜や上皮組織の働きを正常に保つ効能があります。体内で活性酸素が過剰に発生することで、細胞の遺伝子を痛めつけてしまい、動脈硬化やガンを引き起こす原因になります。ビタミンAの働きで粘膜を健康に保つため、動脈硬化やガンの予防に期待できます。

女性が摂っておきたい栄養素の葉酸

  • 女性に嬉しい美肌効果
  • 皮膚は紫外線に当たると、チロシナーゼという酵素によってメラニンという黒い色素に変わります。このメラニン色素が沈着することで、シミやそばかすの原因となってしまいます。葉酸にはタンパク質を合成する動きがあるため、肌のターンオーバーを促してくれる効果が期待されています。

  • 貧血が気になる方に欠かせない栄養素
  • 葉酸は、ビタミンB12と一緒に摂取すると赤血球や血液の生成を手助けする働きがあります。このことから、バランスの取れた食事の中に、葉酸を含んだ青ネギなどの緑黄色野菜を摂り入れると、肌のくすみを減らし血色が良くなることが期待できるのです。葉酸の摂取が少なくなってしまうと、胃の粘膜が荒れて口内炎ができやすくなってしまうことも考えられます。葉酸は人の身体にとって大事な栄養素の一つなのです。

  • 妊婦さんに摂取してもらいたい栄養素
  • 今まで海外では妊婦さんに対して葉酸の摂取を勧めていましたが、日本では取り入れることがありませんでした。しかし、さまざまな研究の結果、葉酸を摂取することで胎児の神経管閉鎖障害のリスクが軽減されると発表されました。この結果を受け、日本でも妊婦さんに葉酸の摂取を厚生労働省が勧めるようになったのです。葉酸の摂取が推奨されている量は、成人で240μg/日となっています。何事も「摂りすぎ」には注意が必要です。適度な量を摂取していきましょう。

参考:e-ヘルスネット 葉酸とサプリメント

カルシウム

  • 丈夫な骨や歯をつくる
  • 骨は、私たちの身体を支えるために大きな役割を担っています。カルシウムは骨や歯を作るために、マグネシウムやリンと一緒に働いています。また、骨の中には常にカルシウムが貯蔵されていて、カルシウムが身体に足りなくなると血液に乗って補うようになっています。骨から減ったカルシウムを補充するためには、食べ物から摂取することが必要です。

  • 骨粗しょう症を予防
  • 骨は毎日作られ、そして壊されることを繰り返します。このバランスをうまく保っていることで、丈夫な骨を維持します。骨を作る機能の方が追いつかなくなってしまうと、骨が壊される方が多くなってしまいます。骨にカルシウムが足りなくなり、スカスカになってしまうのです。そのような状態のことを「骨粗しょう症」と言います。

    骨粗しょう症は女性に多いと言われています。昔は、閉経後に女性ホルモンの分泌が少なくなるためとの理由が多かったのですが、最近では無理なダイエットなどで骨がもろくなってしまう人もいます。骨粗しょう症を防ぐためには、意識してカルシウムを摂取する必要があります。

  • 血液が固まることを防ぐ
  • カルシウムにはケガなどで傷ができたときに、出血した血を固める働きにも関係しています。血が止まるためには血液凝固因子と呼ばれる酵素などが関係しているのですが、この酵素の働きをサポートする作用がカルシウムにはあるのです。

アリシン

  • 疲労回復効果
  • アリシンには疲労回復効果があります。身体を動かす時に必要なエネルギーは、ブドウ糖から作られます。アリシンはビタミンB1と結びつくことで、その効果を持続させます。ビタミンB1は不足すると疲れやすいなどの症状が出るため、疲労回復にはビタミンB1が不可欠なのです。アリシンを摂取することで、ビタミンB1と結びつき身体の中に長く留めておけるため、疲労回復効果が期待できます。

  • 生活習慣病の予防
  • 現代人は欧米化した食事や運動不足などで、生活習慣病が引き起こされやすい身体になっています。コレステロール値や中性脂肪値が高くなると、高血圧や糖尿病になりやすくなります。アリシンにはコレステロールの上昇を抑える働きがあります。その働きで生活習慣病の予防に期待されます。また、アリシンには抗酸化作用があるため、細胞の酸化を防ぎ、老化やガン予防にも期待できます。ネギを食べてアリシンを摂取することで、生活習慣病を予防しましょう。

  • 血糖値の上昇を抑える
  • アリシンには血糖値が上がるのを抑える働きがあります。血糖値が上がることで引き起こされる病気は、生活習慣病の一つである糖尿病です。食べ物から摂取したブドウ糖は、身体を動かす時にエネルギーに変換されます。しかし、運動不足が続くとエネルギーに変換されないままのブドウ糖が血液の中に残ります。そのため、血糖値が高くなってしまうのです。アリシンは血糖値の値を正常値にするのに必要なホルモンの分泌をビタミンB1と一緒に促進します。

  • 血流を正常にして心筋梗塞予防
  • 人の身体は、健康な状態の時には血液の流れがスムーズですが、食生活の乱れや運動不足などの要因で血液の流れが悪くなってしまいます。そうなると、血が固まって血栓ができやすくなってしまいます。血栓があると、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしやすくなってしまいます。アリシンを摂取することで、血液の流れを良くして心筋梗塞などの予防が期待できます。

  • 食欲のないときにネギ!食欲増進効果
  • 鍋の中でネギを煮込んだ時に甘くなりますが、これはアリシンの成分が働いているためです。甘くておいしそうな香りを出すことで、胃液や唾液の分泌を促進して、胃腸を刺激して食欲が出てきます。ネギには食欲増進の効果が期待できます。

[3]ネギ豆知識あれこれ

ネギは早く食べよう

ネギに含まれているアリシンは、時間が経つと減少していってしまいます。薬味用に、とネギを刻んで密封容器などに入れて冷凍保存する人もいますが、これはアリシンが減ってしまうのです。ネギは刻んだらすぐに使うようにしましょう。

加熱しないで食べたほうがいい!

ネギに含まれているビタミンCは、加熱することでその成分が失われていってしまいます。ビタミンCを失わないようにするためには、鍋に入れるときなどは直前に入れるようにするといいでしょう。

納豆との相性バツグン!

納豆を食べる時に、ネギを刻んで混ぜて食べる人は多いと思います。実はこの組み合わせはうまく栄養を摂取する意味でも、最高の組み合わせなのです。納豆にはビタミンB1が含まれていますが、ネギに含まれているアリシンはこのビタミンB1の吸収をサポートする働きを持っています。納豆を食べるときにはネギを入れて食べることをおすすめします。

[4]ネギを食べて風邪を予防しよう

ネギには免疫を高める働きがあるため、風邪予防のために食べるといいと昔も今も言われています。温かい鍋に入れたり、うどんなどの薬味に使うなど、ネギは他の素材のおいしさを引き出す力も持っている野菜です。この時期、風邪予防にもネギを食事に取り入れてみませんか?

関連するキーワード