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【管理栄養士監修】漬物には栄養があるの?健康維持のために食事バランスに合わせて取り入れよう

漬物は、定食と一緒に出てくるものや箸休めに食事の時に食べるというイメージがあります。その種類はたくさんありますが、いつも何気なく食べている漬物には栄養があるのでしょうか。食べ過ぎると塩分の摂りすぎにも繋がりますので、食事のバランスを見ながら適量を食べることが望ましいです。今回は、その漬物についてお話いたします。

2018年02月16日更新

KUMI (管理栄養士)

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[1]漬物とはどんなもの?

漬物とは、野菜などに塩をまぶして漬けたものを指します。昔、冷蔵庫がなかった時代に人々は、春や夏に採れた野菜をどうにかして冬に保存しておけないか試行錯誤しました。冬は野菜が収穫できないためです。しかし、そのまま野菜を置いていても腐ってしまったり、しなびてしまいます。

そこで昔の人は「」を使って野菜を保存するという方法にたどり着きました。塩でつけた野菜は長持ちする上に、うまみが出ておいしいというメリットもあります。そのおいしさと保存方法は「漬物」として広まっていきました。漬物は塩でつけて保存している段階で、乳酸菌が入り野菜に含まれている等分を分解して旨みが出てきます。そして、乳酸菌によって発酵が進んでいきます。

塩漬け

野菜や魚などを塩・塩水に漬けるものです。野菜の繊維を柔らかくして旨みが出ます。「白菜漬け」「梅干し」が有名です。

糠漬け

米ぬかを乳酸発酵させて作られたぬか床に、野菜や魚などを漬け込んで作ります。よく使用する材料は、きゅうり・ナス・大根などです。

粕漬け

酒粕やみりん粕でできたぬか床に、きゅうり・大根・ナスなどを漬けたものです。野菜や山菜の他に、鮭やホタテなどの魚介類や牛肉を漬けることもあります。粕漬けで有名なのは、「奈良漬」「わさび漬け」「守口漬」などです。

酢漬け

野菜や魚介類を酢に漬けたものです。酢だけではなく、しょうゆや砂糖などの他の調味料を入れることもあります。魚介類であればイワシやアジ、野菜類であれば玉ねぎやきゅうりなどを漬けます。その中でも「らっきょう」や「千枚漬け」がよく知られています。洋風の漬物として「ピクルス」も有名です。

麹漬け

米麹に砂糖や塩を混ぜたものに、野菜や魚介類を漬けたものです。白菜・ナス・大根などを漬けることが多く、先に塩漬けしたものを麹につけます。「大根のべったら漬」や、カブの間にブリを挟んで漬け込んだ、金沢の「かぶら寿司」などが有名です。

[2]漬物から摂れる栄養5つ

糠漬けから摂れるビタミンB1

ビタミンは長く漬け込むと失われてしまいますが、ぬか漬けは漬けている時間にビタミンB1が増えていくのです。野菜だけで食べる時よりも、ぬか漬けにして食べたときのほうがビタミンB1が多くなります。糠が野菜に浸かる部分が多いほどビタミンB1が増えるので、ナスなどを漬ける時は丸ごと漬けるより縦半分にして漬けた方がいいとされます。

  • ぬか漬けで疲労回復!
  • お米などの炭水化物を食べると、炭水化物は身体の中で消化されて小腸の中でブドウ糖に分解されます。人は身体を動かす時にエネルギーが必要ですが、ブドウ糖はそのエネルギーとして血液に乗り、身体中に運ばれます。ブドウ糖をエネルギーに変える時、まず最初にブドウ糖がピルビン酸に変化し、ピルビン酸はアセチルコリンCoAへと変わります。これがエネルギーとして使われているのです。この過程の中でピルビン酸がアセチルコリンCoAへ変化する時に必要なのが、ビタミンB1から生成されるTPPという物質です。

    このように、ブドウ糖をエネルギーに帰る時にビタミンB1は不可欠です。もしもブドウ糖がエネルギーに変換されなかったら、それは乳酸という疲労物質の元になるものになって身体に溜まってしまいます。疲労をためないためにはビタミンB1を摂取して、ブドウ糖をエネルギーに変える必要があるのです。

  • ぬか漬けで心を落ち着かせる
  • 人は疲れがたまると、精神的にも疲れてきてしまいます。普段は気にならないことにイライラしたり、少しのことで落ち込んだりしてしまいます。身体に疲れをためないためには、ブドウ糖をエネルギーに変換して乳酸をためないことが大切です。そのためにビタミンB1を摂取して、疲れをためないことが大切です。

キムチから摂れるビタミンB2

朝鮮語で漬物を意味する「キムチ」は、野菜を塩漬けしてから魚介の干物や唐辛子やニンニクを混ぜて漬けた発酵食品です。キムチにはビタミンB2が含まれています。

  • キムチに含まれるビタミンB2が皮膚などを健康に保つ
  • 身体の発達には、ビタミンB2が必要です。皮膚や髪の毛、爪などの身体の発育にビタミンB2が深く関わっているためです。体内にためておけないビタミンB2は、食べ物などから摂取する必要があります。糖尿病や高血圧の予防にも有効なビタミンB2は、キムチから摂取することができます。

  • キムチから摂れるビタミンB2で生活習慣病予防!
  • 糖の代謝を促進する働きがあるビタミンB2を摂取することで、糖尿病を予防する効果が期待できます。また、動脈硬化や発がん性がある物質の原因になる「過酸化脂質」を分解するように働きかける力があります。

キムチに使われる唐辛子に含まれるカプサイシン

  • キムチに含まれるカプサイシンは代謝を促進します!
  • アドレナリンは脂肪を燃焼させる働きがあります。カプサイシンには、このアドレナリンの分泌を促す働きがあるのです。人間の身体は運動をするとエネルギーを消費しますが、この際に糖分をエネルギーとして使いますが、その後に脂肪が燃焼していきます。しかし、人の身体は糖分だけを燃焼して、脂肪を燃焼できずにいる場合が多いのです。

    脂肪が燃焼できないと体脂肪が溜まってしまうため、脂肪燃焼をしてくれるアドレナリンが働くことが必要です。キムチを作る時に使う唐辛子に含まれるカプサイシンを摂取することで、アドレナリンの分泌を促進させてくれるので代謝がよくなる効果が期待できます。

  • カプサイシンで血流改善
  • カプサイシンの持っている代謝を促進する働きは、血流をよくして体温を上げる効果があります。酸素や栄養は血液とともに身体中に送られ、老廃物を排出します。血流が良くなることで、酸素や栄養が身体に充分に行き渡りますが、血流が悪くなると栄養が行き届かなくなるので、カプサイシンを摂取して血流を良くしましょう。

  • キムチで疲労回復
  • カプサイシンの血流を良くする効果で、老廃物を排出する働きがよくなります。血流が良くなって代謝がよくなることで、疲労がたまりにくくなります。

  • コレステロール値を下げる可能性も示唆されているキムチ
  • 心筋梗塞や動脈硬化、脳梗塞などの病気は血中のコレステロールが増えることで引き起こされやすくなります。コレステロールを下げる可能性があると言われているカプサイシンをキムチから摂取することで生活習慣病予防に効果が期待できます。

野菜の漬物にも含まれる食物繊維

漬物の野菜は美味しいですが、野菜をたくさん摂取できると食べ過ぎるのはあまりよくありません。漬物には塩分が多く含まれているため、塩分を過剰摂取してしまうからです。ただ、野菜をそのまま食べるのが苦手だという方は、漬物のように塩などで漬けることにより、食物繊維が柔らかくなって食べやすくなります。漬物を食べる際は、適量にしましょう。

  • 食物繊維には糖尿病を予防する効果が期待できる
  • 食物繊維には、腸の糖質を吸収する速度を緩やかにする働きがあります。食事を摂ると血糖値が上がりますが、食物繊維が水に溶けてゲル化し、食べ物が移動する速度をゆっくりにします。そうなると急激に血糖値が上がることを防げるので、糖尿病予防に効果が期待されます。

  • 食物繊維で便秘を解消
  • 食物繊維には腸内を整える効能があります。腸のぜん動運動を促進して便の排出を助けます。この働きで便秘を解消してくれる効果が期待できるのです。

浅漬けに含まれるビタミンC

ビタミンCは熱を加えたり、水に長期間浸かっているとその効果が減ってしまいます。しかし、浅漬けは短時間野菜を漬ける食べ方の漬物です。ですから、ビタミンCの残存率が比較的高いのです。ただ、浅漬けを食べることによってたくさんのビタミンCが摂取できるとは限りません。ビタミンCを摂取したい場合は、バランスよく食事することが大切です。

  • ビタミンCは美肌をつくる
  • 浅漬けには少量ですが、ビタミンCが含まれています。ビタミンCには細胞の酸化を防止する働きがあります。細胞が酸化すると肌が荒れたり乾燥したりしてしまいます。肌を整えるためには、細胞を固めるコラーゲンの存在が重要です。ビタミンCは、このコラーゲンを作り出すために必要な栄養素です。また、そばかすやシミの原因になるメラニン色素の生成を防ぐ働きがあるので、シミなどの予防にも効果が期待できます。

  • ストレスが多い時こそビタミンCを
  • ストレスに対抗するアドレナリンは、血圧を上げるなど体を応戦態勢にしてストレスをやり過ごす働きがあります。このアドレナリンを作るのにビタミンCが使用されています。ストレスが多い時にはビタミンCが多く使われます。そのためストレスを和らげるためにはビタミンCを摂取することが大切なのです。

[3]漬物から得られる効能とは

野菜の持つ栄養プラスを摂取できることがある

塩の力で野菜の旨みが出て食物繊維が柔らかくなり、野菜が美味しく食べやすくなります。しかも短期間であれば、ほとんどの栄養素が野菜の中に残ったままなのです。ビタミンCは長期間漬けていると減っていってしまうので、浅漬けにして食べることで残存率が高いまま食べられます。ぬか漬けなどによって、ビタミンBなどの栄養もプラスされます。ただ、上記でもお話したように漬物を食べ過ぎると塩分の過剰摂取になりかねませんので、適量が大切です。

ぬか漬けなどからは乳酸菌が摂取できることがある

漬物に含まれている乳酸菌というものは、植物性乳酸菌です。乳酸菌の多くは腸まで届かずに死滅してしまうのですが、植物性乳酸菌は行きたままで腸まで届くという特徴があります。それほど強い力が植物性乳酸菌にはあるのです。

植物性乳酸菌には腸まで到達して、腸内の悪玉菌を退治してくれる力があります。植物性乳酸菌は腸内を酸性にする働きがありますが、アルカリ性が好きな悪玉菌がいられない環境を作る働きがあります。発酵食品として腸内環境を整え、免疫力を上げる効果が期待できます。

アルカリ性なので健康維持に役立つ

食品にはアルカリ性食品と酸性食品があります。アルカリ性食品は、野菜・果物・海藻・キノコなどです。酸性の食品は、肉・魚・穀物・卵などです。日本人の食事は欧米化してきているために、酸性の食品を摂ることが多くなってきています。実は、アルカリ性の食品のほうが生活習慣病を防ぐために効果的です。漬物は野菜を中心にした食品です。漬物はアルカリ性食品なので、バランスの良い食事を摂るためには良い食べ物です。

[4]漬物を食事の中にバランスよく取り入れてみましょう!

漬物にはいろいろな種類のものがあります。漬けるものによって甘味が出るものもあり、幅広い味が楽しめます。ぬか漬けのように野菜そのものよりもビタミンB群などが増えたり、乳酸菌が取れたり良い面があります。ただ、漬物は塩分を過剰摂取することに繋がりかねません。厚生労働省の食事摂取基準によって、1日に塩分を摂取できる量が男性で8.0g女性で7.0gと決められています。このことに注意しながら、上手に漬物を取り入れていくといいでしょう。

参考:厚生労働省

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