【管理栄養士監修】ナスには栄養が全然ない?美味しく食べられるレシピもご紹介!

ナスは、一年中スーパーなどで買うことができる野菜です。きれいな紫色が料理を彩ってくれる野菜ですが、ナスにはどんな栄養が含まれているのでしょうか。今回は、ナスに含まれる栄養とその効能を解説していきます。また、ナスの栄養が効率よく摂取できる食べ方もご紹介いたします。

2018年03月01日更新

免疫力と食事・サプリ

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]ナスとは

ナスとはどんな野菜?

ナスはインド原産のナス科ナス属の野菜です。日本へは8世紀頃に伝わってきたと言われていて、『正倉院文書』という奈良時代の書物に記載があります。ナスの名前から連想される「成す」という響きから、縁起の良い野菜とされています。1年中スーパーなどで購入できますが、旬は7~9月の夏野菜です。

おいしいナスの見分け方と保存方法

  • おいしいナスの見分け方
  • 新鮮なナスは、へたの切り口が新しくガク部分のトゲがとがっているものです。触ると少し痛いくらいトゲが鋭いものが新鮮な証拠です。また、皮の色が濃くてつやがあるもの、なめらかでハリがあるものを選ぶようにしましょう。

  • ナスの保存方法
  • ナスは水分を多く含む野菜ですが、保存する時に風に当てると水分が蒸発してしなびてしまいます。それを防ぐためには、1個ずつラップに包んで野菜室に保存しましょう。おいしく食べられるのは、購入してから3~4日程です。冷やしすぎると身が縮んでしまうので、5度以下にならないように注意してください。

[2]ナスに栄養はないって本当?

ナスには【ナスニン】というポリフェノールが含まれている

  • 老化やガンの予防
  • ナスに含まれるポリフェノールの一種、ナスニンには過酸化脂質や活性酸素が作られるのを抑える働きがあります。この働きの効果は老化やガンの予防が期待できます。

  • コレステロールの値を下げる
  • ナスニンにはコレステロール値を低下させる働きがあるため、動脈硬化を防ぐ効果が期待できます。また、ナスニンには肝臓や目の働きを活性化させる効果が期待できます。ナスニンは皮に多く含まれているので、皮ごと調理するのをおすすめします。

夏バテに【コリン】がよい

  • 夏バテ予防
  • 夏野菜であるコリンという成分は、胃液の分泌を促進させる働きがあります。この働きによって、肝機能を高めて食欲が無い時に食べると有効です。また、ナスは身体を冷やすため、ナスを食べることで身体の中から冷やし、夏バテに効果が期待できる野菜とされています。

  • 生活習慣病の予防・改善
  • 体内でアミノ酸から作られる成分であるコリンは、神経伝達成分のリン脂質であるレシチンやアセチルコリンなどの成分になります。アセチルコリンは、血管を拡げて血圧を下げる働きがあります。レシチンは細胞の膜を作る成分で、肝臓に脂肪がつかないようにする働きや、血管の壁にコレステロールがつかないようにする働きをします。この働きは、動脈硬化や脂肪肝などの生活習慣病の予防に効果が期待できます。

水溶性のビタミンの一種【葉酸】

  • 成長を促進
  • 葉酸は、細胞増殖が活発になる胎児期や幼児期に重要な働きをする栄養素です。葉酸はタンパク質や核酸(DNAやRNA)を作るために重要な働きをするため、大人にも必要な成分です。特に、口腔内や舌などの細胞は生まれ変わりがとても早いため、身体を作るタンパク質が必要になります。タンパク質の合成に重要な働きをする葉酸が不足すると、炎症が起きるなどの影響が出てしまいます。葉酸は粘膜や皮膚の成長、健康維持に重要な働きを担っています。

  • 貧血予防
  • 赤血球は体内で常に作られています。寿命が120日の赤血球を作るために葉酸は必要なビタミンです。赤血球を作るために、ビタミンB12ととにも補酵素として関わっています。赤血球を作るために必要な葉酸は、貧血を予防するためにも必要なビタミンといえるでしょう。

  • 動脈硬化予防
  • 葉酸が不足すると、血液中のホモシステインというアミノ酸の一種の量が増えてしまいます。ホモシステインは血液中に増えて、動脈硬化などを引き起こす原因になるものです。葉酸はビタミンB6やビタミンB12とともに、体内でホモシステインをメチオニンやシステインに変えることができます。動脈硬化予防のためには、葉酸を意識的に摂取することが大事です。

  • 脳を正常に機能させる
  • 酸素と栄養は血液によって身体中の細胞に届けられています。そのため、血流が悪くなると認知症を引き起こす原因に繋がることになるのです。葉酸はホモシステイン血症を予防して、血流を良くする働きがあるので、認知症の予防に効果が期待できます。

むくみ予防に【カリウム】

  • むくみを予防
  • 私たちの身体の中には、カリウムとナトリウムをバランスよく存在させることが重要です。細胞内液に多く存在するカリウムと、細胞外液に存在するナトリウムは、それらの濃度が一定に保たれています。この2つのバランスが崩れると、ナトリウムが細胞内の濃度を下げるために血液中の水分を増やします。そうなると、血管の壁が水分で膨らんでしまい、血圧が上がりむくみの原因となってしまうのです。カリウムを摂取し、ナトリウムのバランスを保つことでむくみの予防に繋がります。

  • 高血圧予防
  • 私たちの身体は必要以上に塩分(ナトリウム)を摂りすぎてしまうと、高血圧になってしまう場合があります。カリウムはこのナトリウムと助け合って働く成分です。この2つはバランスを均一にすることで正常に働くことができます。カリウムは肝臓の働きで、汗や尿と一緒に体外へ排出されます。その時にナトリウムも同量、体外へ排出されます。

    もしもカリウムが体内で不足すると、ナトリウムが増えてしまうためバランスが崩れてしまいます。カリウムに比べ、ナトリウムが増えすぎないように、血液中のナトリウムを薄くしようと血液中に水分を増やします。血液が薄まり量が増えてしまうことで、血液を全身に送るための強い力が必要になってそれが高血圧を引き起こしてしまうのです。高血圧予防には、カリウムとナトリウムのバランスを保つことが大切です。そのため、カリウムを意識して摂取することが重要になります。

  • 筋肉を正常に保つ
  • 筋肉を動かすためには、カリウムとナトリウムが筋肉細胞に働きかけることが必要です。カリウムとナトリウムをバランス良く摂取することで、筋肉を正常に動かし、維持することになるのです。

[3]ナスの栄養を逃さずに摂取する方法

アントシアニンを逃さないために水にさらさない

ナスがきれいな紫色をしているのは、アントシアニンという色素によるものです。アントシアニンには抗酸化作用があり、細胞を酸化させるのを防ぐため、生活習慣病予防などが期待できるものです。(ただし、カットしてすぐに使用しない場合は、アクにより変色し、見た目はもちろん風味も落ちてしまうので水にさらした方が良いでしょう)このアントシアニンは水に溶けやすい+ナスは油との相性が良いので、調理する時は茹でるよりも油で炒める、揚げるなどの調理法をおすすめします。

ビタミンCと一緒に摂取するとナスニンの効果がアップ

ナスに含まれるナスニンは、ビタミンCと一緒に摂取すると効果がアップします。にんじん、かぼちゃ、ほうれんそうなどと一緒に食べるといいでしょう。

[4]管理栄養士おすすめのナスを使ったおすすめレシピ

ナスのトロトロ南蛮

<材料>
・ナス  3本
・米粉(もしくは、小麦粉、片栗粉でも可)  大さじ1
・オリーブオイル 適量
・醤油  大さじ2
・みりん 大さじ2 (甘味がしっかりと欲しいという方は砂糖に置き換えても可ですが、ホンモノのみりんであれば十分甘くできあがります)
・酢   大さじ2

<作り方>

  1. ナスは浄水で洗い、一口サイズの乱切りにカットして、キッチンペーパーなどで水気をしっかりと切る。
  2. 袋にナスと米粉を入れて、シャカシャカ振って、ナスに米粉をまぶしておく。
  3. フライパンに下から1㎝くらいまでオリーブオイルを入れて、米粉をまぶしたナスをフライパンに並べて、表面全体にキレイな焼き色がつき、柔らかくなるまで焼く。
  4. 小鍋に醤油とみりん、酢を入れて、火にかける。軽くひと煮立ちさせて、みりんのアルコールが飛んだら、火を止める。
  5. 器に3と4を入れて、3に4を絡めたらできあがり。

蒸しナスの胡麻和え

<材料>
・ナス  3本
・白ごま 大さじ1
・白ごまペースト 大さじ1
・醤油  小さじ1
・甘麹(もしくは甘酒、きび砂糖などで代用可)小さじ1
・ごま油 少々

<作り方>

  1. ナスは浄水で洗って、ヘタを切り落としてからピーラーなどで皮をむいてあげる。
  2. サッと水にくぐらせてから軽く水気を切っておく。
  3. 蒸し器の下部分に水を入れて、火にかける。沸騰したらナスを並べて、強火で約7分ぐらい蒸す。(柔らかくなるくらいまで蒸すのがポイントなので時間は蒸し器や火加減で調整してください。)
  4. 白ごまはすり鉢でお好みの具合に擦り(すり鉢がなければ、すりごまを使っても可)、白ごまペースト、醤油、甘麹、を混ぜ合わせておく。
  5. 3のナスが触れるくらいまでに粗熱が取れたら、ナスを縦に4等分にして食べやすい大きさにカットする。
  6. 4に5を入れて、全体に絡めるように混ぜ合わせる。
  7. 器に盛り付けて、上からごま油を回しかけてあげたらできあがり。

豚肉とピーマンの味噌炒め

<材料>
・豚肉の切り落とし 200g
・ナス       3本
・ピーマン     3個
・しめじ      1パック
・みそ       大さじ1
・醤油       大さじ1
・みりん      大さじ1
・米粉(なければ、小麦粉・片栗粉でも可)適量
・塩        少々
・オリーブオイル  大さじ1

<作り方>

  1. 豚肉は浄水でサッと洗い、キッチンペーパーなどを水気を切ったら、塩をふりかけて、米粉をまぶしておく。
  2. なすとピーマンを浄水で洗い、ナスがヘタを切り落として一口サイズの乱切りにして、ピーマン縦半分にカットしてヘタと種を取り除いて、食べやすい大きさにカットする。しめじは石づきを切り落としてほぐしておく。
  3. フライパンにオリーブオイルをひいて、ナスのカット面を下にして火にかけて、カット面に焼き色がつくまで焼く。
  4. ナスを端によせて、豚肉を加えて炒める。豚肉の色が変わってきたら、ピーマンとしめじを加えて全体に混ぜる。
  5. 全体に油が回って、火が通るまで炒める。
  6. あらかじめ混ぜ合わせておいた味噌と醤油、みりんを加えて、全体に絡ませてあげればできあがり。

[5]ナスは妊婦が食べない方がいいの?

「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざがあります。おいしい秋ナスを憎たらしい嫁なんかに食べさせたらもったいない、という意味があると言われていますが、違う意味もあります。ナスは身体を冷やす野菜です。身体を冷やしてしまうナスを大事な嫁には食べさせないほうがいい、というものです。

妊娠中や産後のお嫁さんの身体を気遣う意味合いや、これから赤ちゃんを作るためには身体を冷やさないほうがいい、という意味があると言われています。確かにナスは身体を冷やすと言われていますが、栄養もありますので、にんじんなどと一緒に炒めて食べてみてください。

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