【管理栄養士監修】小麦粉はLPSを白米よりも多く含んでいる?その種類と簡単レシピをご紹介

免疫ビタミンLPSは、体の自然免疫をサポートする成分で、摂取すると風邪をひきにくい体になるなど、あらゆる健康効果が期待できます。そんなLPSはいろいろな食材から摂取できますが、今回は主食となるお米などと比較して、小麦粉に含まれるLPSに注目していきます。

2018年03月02日更新

免疫力と食事・サプリ

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]免疫とLPS(リポポリサッカライド)のチカラ

そもそも免疫とは何なのでしょうか。そして注目のLPSの働きはどのようなものなのでしょうか。

免疫とは

体内にある自然免疫は、ウイルスなどから体を守ってくれる働きをします。そのメインとして働くのがマクロファージという名前の免疫細胞群の中の白血球の一種です。マクロファージが元気であれば、風邪などをひきにくい体になります。「免疫力」という言葉がありますが、年齢や食生活により、その免疫力はアップしたりダウンしたりします。

免疫ビタミンLPSの凄さ

免疫ビタミンであるLPS(リポポリサッカライド、和名:リポ多糖)は、自然免疫のマクロファージを活性化させる働きがあります。つまり体の免疫力アップに有効ということで、積極的に摂取したい成分です。

LPSは土壌で育つ成分で、日常的な食材、漢方などから摂取可能です。LPSの摂取は、風邪をひきにくい体にするだけでなく、アルツハイマー型認知症やガンの予防、花粉症抑制効果、さらにはクリームや化粧品に応用され、アトピー性皮膚炎などの改善に効果が認められるなど、研究が進んでいます。

[2]主食に含まれるLPSに注目しよう

LPSはさまざまな食材から摂取することができます。実はほとんどの食事でLPSが摂取できていると言えますが、その中で米などの主食についてもご紹介します

LPSを含む食材

LPSを多く含んでいる食材には、玄米・めかぶ・レンコン・ひじき・岩海苔などがあります。1日の摂取量の目安は体重10kgに対して100㎍。体重50kgの人なら1日500㎍となります。LPSは、体内で蓄積はできないため、継続的な摂取が理想的です。LPSが多く含まれている食材を下記にまとめました。

LPSを多く含む食材食べるときの目安LPS含有量
あした葉(粉末)100g13.8㎍
わかめ(乾燥)100g21.2㎍
めかぶ(粉末)100g42.8㎍
食パン1枚8.8㎍
レンコンきんぴら30g52.2㎍
岩海苔佃煮5g50.0㎍
シイタケ中2個13.0㎍
ごま大さじ2杯55.0㎍
渋柿100g17.1㎍
小麦ふすま100g8.8㎍
小麦胚芽100g7.5㎍
玄米100g10㎍
金芽米コンビニおにぎり1個23.2㎍
白米コンビニおにぎり1個4.5㎍
ひじき煮物40g120.0㎍
そば100g290.0㎍

参照:株式会社サクラ・ノーリン

玄米

玄米は皮の部分に当たる、ヌカ層と亜糊粉層にLPSが多く含まれていて、精米してしまうとはがれてしまいます。1gあたりのLPS含有量は10㎍と多めです。

金芽米

玄米に付いている亜糊粉層を残して、玄米よりも食べやすくしたお米が金芽米です。胚の黄色い部分が残るため、そう呼ばれています。1gあたりのLPS含有量は0.53㎍。

白米

白米の1gあたりのLPS含有量は0.09㎍。おにぎり1個では4.5㎍で、金芽米の6分の1程度のLPS含有量になります。他食材で補いたいところです。

小麦粉

1gあたりのLPS含有量は、小麦が0.2㎍、小麦の表皮を残した小麦ふすまが8.8㎍、小麦の芽の部分である小麦胚芽が7.5㎍、小麦粉のパン1枚が8.8㎍と、白米よりも多い量となっています。

そば

そばは一人前の100gで290.0㎍のLPSが含まれています。全粒粉のそば粉でつなぎなしで作られた十割そばは、約1日分のLPSが摂取できるそうです。

[3]小麦粉について知っておこう

日本人の主食の定番といえば、ごはんやパンですが、白米よりも小麦粉にLPSが多く含まれていることが分かりました。そんな小麦粉の種類や栄養成分についてご紹介します。

小麦の種類

日本ではほとんど小麦は作られておらず、自給率10%ほど。日本でよく利用される小麦粉はオーストラリアで栽培される中間質小麦で、麺に合うように改良されているとか。他にもカナダ産、アメリカ産などの小麦を輸入していますので、主な銘柄を見ていきましょう。

  • ASW(Australian Standard White)
  • オーストラリアで栽培されている中間質小麦です。日本には年間で90万トンほど輸入している小麦で、主に麺用として評価されています。

  • 1CW(No.1 Canada Western)
  • カナダで栽培されている硬質小麦です。こちらも日本へ年間90万トンほど輸入しています。主にパン用として使われています。

  • WW(Western White)
  • アメリカで栽培されている軟質小麦です。お菓子や麺用として年間80万トンほど輸入されています。

  • HRW(Hard Red Winter)
  • アメリカで栽培されている硬質小麦です。パン用としてが主で年間90万トンほど輸入されています。

  • DNS(Dark Northern Spring)
  • アメリカで栽培されている小麦です。アメリカ産の小麦では製パンに最適と評されており、年間120万トンほど輸入されています。

  • さぬきの夢2009
  • 香川県産の小麦です。育てやすく味も良い「香育1号」と、倒れにくく粉の色が良い「関東120号」を掛け合わせて生まれました。

  • チクゴイズミ
  • 元々は香川で栽培されていた小麦ですが、今では九州で栽培されているうどん用銘柄です。もちもち感が高いようです

  • きたほなみ
  • 日本で一番小麦を生産している北海道の小麦です。外国産と似て、きめ細かい小麦粉となるようです。北海道産は「ゆめちから」「はるきらり」など、小麦があります。

小麦粉のタイプ

栽培される季節ごと、粒の色、粒の硬さで小麦のタイプは異なります。

  • 冬小麦
  • 秋に種をまき、翌夏に収穫されます。小麦は寒さに強いので、越冬して栽培されるのが本来のスタイルです。

  • 春小麦
  • 春に種をまき、秋に収穫されます。あまりにも冬に低温化するエリアでは、冬を越せないので秋収穫の小麦ができました。

  • 赤小麦
  • 皮が褐色の小麦です。栽培される条件によってはたんぱく質が多い赤小麦はより色が濃くなります。

  • 白小麦
  • 皮が黄色の小麦で、パスタになるデュラム小麦などが代表的。たんぱく質が多いと琥珀色になります。

  • 硬質小麦
  • 粒が硬い小麦で強力粉になります。パン用が主でたんぱく質が多く含まれています。

  • 軟質小麦
  • 粒が軟らかい小麦で薄力粉になります。お菓子用が主でたんぱく質が少なめです。

  • 中間質小麦
  • 粒がほどほどの硬さの小麦で中力粉になります。たんぱく質の量も中間でしょう。

小麦粉の栄養成分

小麦は胚乳・表皮・胚芽に大別され、胚乳が小麦粉になります。どの部分からもLPSが摂取できます。主な成分は銘柄問わず炭水化物です。表皮の部分である小麦ふすまは、半分が食物繊維で家畜用飼料となることが多い部分です。

胚芽は麦の柔らかい部分で、胚芽のみが商品化されることは珍しいでしょう。実際には小麦ふすまに混ざって家畜用飼料となってしまっています。胚芽は、たんぱく質が3分の1を占めていて食物繊維が14.3%。小麦をそのまま挽いた全粒粉の場合は、食物繊維が11.2%と豊富です。ちなみに白米の食物繊維量は100g中0.5gという少なさ。白米に20~30%の大麦を混ぜる麦ごはんにすると、食物繊維の摂取量が100gあたり3gとアップします。

[4]小麦粉を使った簡単レシピ

LPSが含まれる小麦粉は、うどんやパスタ、そうめん、ひやむぎ、パン、お菓子などから摂取することができます。また、料理では全粒粉を使用すると、薄力粉よりも食物繊維を多く摂ることができるでしょう。ここでは自宅で簡単に作れる小麦粉を使ったメニューを提案します。

もっちりニョッキ

<材料>
・じゃがいも 中3個
・人参    1/2本
・小麦粉(もしくは全粒粉)80g
・塩     少々
・豆乳(もしくは水でも可) 適量

<作り方>

  1. 人参は浄水で洗って(無農薬でない場合は皮をむいて)、すりおろしておく。
  2. じゃがいもは浄水で洗って、鍋に水と一緒に入れてボイルする。つまようじが軽くすーっと通るまで柔らかくなったら、お湯を捨てて、乾煎りしてあげる。
  3. 温かいうちにじゃがいもの皮をむいて、マッシャーなどでつぶしておく。
  4. ボウルに1と3、小麦粉、塩を入れてこねる。(よく混ぜ合わさらない時には豆乳を加えてあげる)
  5. 耳たぶくらいの柔らかさになったら、棒状にして、約1㎝ずつ切って丸くして、フォークで少しつぶしてあげる。(一度に大量に作る場合はこの時点でジップロックなどの密閉の保存容器に入れて冷凍保存しても大丈夫です。)
  6. 鍋に水と塩を入れて火にかける。沸騰したら、5を加える。
  7. 浮いてきたら、鍋から取り上げて冷ましたらできあがり。

※ニョッキはシンプルな塩味なので、いろいろアレンジしやすいです。トマトソースやミートソース、クリームソースなどをかけてパスタ風にしたり、スープの具材としたり、きなこや黒蜜などをかけてデザートとしたりできます。

野菜たっぷりキッシュ

<材料>

~土台~

・小麦粉(もしくは全粒粉) 200g
・オリーブオイル      大さじ2
・塩            1つまみ
・水            大さじ3

~フィリング~

・たまご          2個
・豆乳           1/2カップ
・塩            小さじ1
・黒コショウ        少々
・ベーコン(あれば厚切り) 50g
・ミニトマト        8個
・アスパラガス       4本
・玉ねぎ          1/2個
・塩            少々
・黒コショウ        少々
・オリーブオイル      適量      

<作り方>

~土台~
  1. ボウルに小麦粉、オリーブオイル、塩、水を入れて、よく混ぜ合わせて、こねてひとかたまりにする。冷蔵庫で30分ほど寝かせる。
  2. 寝かせた生地を打ち粉をして綿棒で伸ばしたら、油を塗った型に生地を敷き詰めて、フォークで全体にプツプツ穴をあける。
  3. 生地の上にアルミホイルを敷き、おもし(乾燥豆などでも可)をのせて、200℃に予熱したオーブンで15分ほど焼く。オーブンから出した生地は冷ましておく。
  4. ~フィリング~
  5. たまごは常温に戻しておく。ベーコンは一口サイズにカットしておく。ミニトマトとアスパラは浄水で洗って、ミニトマトはヘタを取り半分に、アスパラは斜めスライスしておく。玉ねぎは皮をむいて薄くスライスしておく。
  6. フライパンにオリーブオイルをひいて、ベーコンとミニトマト、アスパラ、玉ねぎを軽く炒めておく。火が通ったら、塩と胡椒で味をととのえてあげる。
  7. 3の生地に5の具材を均等になるように広げてあげる。
  8. あらかじめ混ぜ合わせておいたたまごと豆乳、塩、黒コショウを6に流し込んであげる。
  9. (この時にお好みで全体にとろけるチーズなどをトッピングしてあげるとコクも増しさらに美味しさがアップしますが、ダイエット目的の時には控えた方が良いでしょう。)

  10. 200℃に予熱したオーブンで30分ほどこんがり焼き色がつくまで焼いたら、粗熱をとり、食べやすい大きさにカットしたらできあがり。

[5]バランスのよい食事を基本にLPSを摂取しよう

小麦粉を使った麺やパン食は、どうしても炭水化物を多く摂取してしまうということで、血糖値上昇が懸念されています。しかし、流行りの糖質オフを続けると、視力低下や抜け毛などの心配があるのも事実です。数年前には、国立国際医療研究センターから、5年以上継続する糖質制限は死亡率が高まる、との研究データが発表されています。

LPSは、主食の中ではそばや玄米に多く含まれていますが、玄米などが食べにくい場合には、白米よりもLPSが多い小麦粉メニューを上手に取り入れることをおすすめします。ただし、小麦粉にはさまざまな品種やタイプのものがありますので選ぶ時には注意が必要です。残念ながら今、流通しているものの多くは何世代も品種改良を重ねられたものであったり、栽培過程において農薬や化学肥料、除草、輸入品に関しては防カビ剤などが使用されていることがほとんどです。

そのため、全体でみると量は少ないですが、より効果を得るためには国産小麦(地粉)を選ぶことをおすすめします。野菜と組み合わせたバランスのいい食事内容を心がけ、免疫力アップを意識していきましょう。

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