免疫力と運動

【医師監修】免疫力低下の原因は運動不足だった?ウォーキングやストレッチで健康的な身体になろう

運動不足は知らず知らずのうちに免疫力を低下させて、体に様々な不調を引き起こしてしまいます。最近、疲れが取れにくいとか、風邪を引きやすくなったと感じているなら、運動不足による免疫力の低下が原因の可能性があります。そこで今回は免疫力の低下を防止するためにオススメの運動を紹介します。

2018年03月09日更新

児玉華子 先生 (内科)

  • fb
  • line

[1]女性の体の不調の原因は運動不足による免疫力の低下

免疫力が低下している?自分でできるセルフチェック

免疫力は私たちの体を守る力です。そのため免疫力が低下すると体の不調が起こりやすくなります。

免疫力の低下の主な原因には、肉体的・精神的ストレスや睡眠不足、栄養不足、運動不足があり、このような状態が続くことで免疫力が低下します。
免疫力が低下することで起こる体の不調には、風邪を引きやすい、風邪が長引く、疲れやすい、疲れが取れにくい、冷え性、肩こりや腰痛といった症状があります。もし、日常的にこれらの不調を感じているのなら、もしかしたら免疫力が低下している恐れがあります。

また、メンタル面でも小さなことが気になることが増えた、ストレスを感じることが増えた、朝の目覚めが悪く仕事に行くのに気が重いと感じることが増えたなら、免疫力が下がってきている恐れが高いため、ライフスタイルを見直す必要があります。

免疫力を低下させるライフスタイルは

  • 食事が不規則で外食やコンビニ弁当が多い
  • デスクワークなど体を動かすことが少ない
  • 飲酒や喫煙の習慣がある
  • 揚げ物やスナック菓子が好き
  • つい夜更かしをしてしまい睡眠不足なことが多い
  • もし思い当たることがあれば、まずはライフスタイルを改善することから始めましょう。

運動不足が引き起こす免疫老化とは

多くの女性が運動不足だと思いながら、運動する時間を確保できずにいます。そんな運動不足の結果、日常的なストレスが蓄積され、疲れが取れにくくなってしまっているようです。

運動不足と免疫力は密接な関係があります。白血球の中に含まれているリンパ球の一種ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、運動をすることで活性化し、運動をやめると活性化しなくなります。つまり、定期的な運動をする習慣がない人は、NK細胞活性が弱くなります。

免疫力は20歳をピークに徐々に下がっていきます。定期的に運動する習慣がない人は、定期的に運動する習慣がある人と比べると、免疫力の低下のスピードが早いとされています。そのため、運動不足の女性の多くが、高齢者のように免疫力が落ちる免疫老化を起こしていると考えられています。

[2]運動不足を解消して免疫力をあげよう

運動によって免疫力がアップする理由

風邪を引くと熱が出ます。これは熱を出すことで免疫細胞がウイルスを撃退するために起こります。実は、体に侵入してきた細菌やウイルス、そしてがん細胞は熱に弱いのです。そのため、体温が高い人ほど免疫の活性度が高い=免疫力が高いといえます。

また、体温が上がることでNK細胞が活性化します。NK細胞は、リンパ球の1つで、ウイルスなどから体を守ってくれます。NK細胞以外の免疫担当細胞は、司令塔であるT細胞という免疫細胞の司令を受けてウイルスや細菌に対して攻撃をしますが、NK細胞は他の免疫細胞とは違い、独自にウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃することができます。そのため全身をパトロールしながら、これらの細胞を見つけると、いち早く総攻撃を仕掛けて撃退します。

つまり、運動によって体温が上がることで、病気がひどくなる前に早めの対処ができるので、定期的に運動をしている人の方がしていない人に比べて免疫力が高いといえます。日頃から体を動かす機会がない人は、日常生活の中で意識して体を動かしましょう。そうすることで体温をあげて血流を良くし、NK細胞の活性化につながります。

運動する時のポイント

せっかく免疫力をアップさせるために運動をするなら、効果的に行いたいですよね。そこで運動を取り組む時のポイントについて紹介します。

  • 軽めのエクササイズ

  • 免疫力を上げるための運動は軽めのエクササイズが基本です。激しい運動は体に疲労が蓄積し、それがストレスに繋がるため、免疫力を低下させる恐れがあります。また、激しい運動をすることで体に炎症作用が生じ、内臓にも負担をかけてしまう恐れがあるため、体を鍛える目的がなければ激しい運動は控えましょう。免疫力を上げることが目的であれば、少しキツイと感じる程度の運動がオススメです。

  • 運動後はストレッチで疲れを残さない

  • せっかく免疫力をアップさせるために運動しても、疲れが残ってしまうなら意味がありません。運動後にストレッチを行って疲れを残さないようにすることが大切です。
    ストレッチはゆっくりと行い、筋肉に溜まっている疲労物質を排出させます。また、ストレッチをすることで代謝アップにもつながるため、運動する時間がない時はストレッチだけでも行うようにしましょう。

[3]運動不足を解消して免疫力アップ!おすすめの運動

免疫力をアップさせるためにオススメの運動をご紹介します。

ウォーキング

すぐに始めることができる運動としてオススメなのがウォーキングです。ウォーキングをすることで、体内に新鮮な酸素をたくさん取り込むことができます。そのため、血行が良くなり、血液中の免疫細胞が活性化するため免疫力アップにつながります。
その時のポイントは、大きく腕をふり、大股で歩くことと、少し息があがる程度の早足で30分ほど歩き続けること。そして、1番大切なのは続けることです。運動の習慣がない人がいきなり30分のウォーキングはハードルが高いかもしれません。まずは通勤時間を利用して一駅前で降りて歩くことから始めるといいでしょう。

ラジオ体操

ラジオ体操は体を曲げたり伸ばしたり、腰をひねったりジャンプしたりすることで全身の筋肉を万遍なく動かすことができます。運動量も疲れが残るほどではないため、無理なく続けられます。
もしラジオ体操を取り入れるなら朝に行うのがオススメです。太陽の光を浴びてからラジオ体操をすることで、体内時計が調整され、自律神経のバランスが整うためより免疫力の向上につながります。

水中ウォーキング

水中ウォーキングは体力に自信がない人でも続けることができる全身運動としてオススメです。水の浮力のおかげで膝や腰に負担をかけずに行えますが、前に進むのには思った以上に水の抵抗を受けるため、ゆっくり自分のペースで行いましょう。また、プールは室内にあるので天候に左右されずに取り組むことができ、定期的に運動をしたい人にオススメです。

背筋を伸ばしてストレッチ

ストレッチは自宅でも職場でも簡単に取り組みことができる運動です。ストレッチをすることで、同じ姿勢で凝り固まってしまった筋肉をほぐし、血管を拡張して血流を良くる効果が期待できます。
特にオススメなのは背筋を伸ばすストレッチです。猫背で姿勢が悪いと、体の中心を通る大きな血管が常に圧迫された状態で血行が悪くなってしまいます。背筋を伸ばして姿勢を良くすることで、血行促進につながるので日常生活に取り入れてみましょう。やり方は簡単です。

  1. 肩幅より少し広く足を開いて立つ
  2. 両手の指を組んで手の平を天井に向けて、鼻から息を吸いながら上に伸ばす
  3. 背筋を伸ばしたら息を吐きながら右へ倒していきます
  4. 息を吐き切ったら吸いながら体をまっすぐに戻します
  5. 息を吸い切ったら息を吐きながら左に倒します
  6. この動作を5回繰り返した後、息を吐きながら腕を解いて前屈をして終了です。ストレッチのポイントは鼻でゆっくり呼吸をすることと、痛みを感じない程度で止めて無理はしないことです。

ヨガ

ヨガは色々なポーズをして全身の筋肉を動かす運動です。ゆっくりとしたペースで行うため、運動が苦手な人でも無理なく続けることができます。ヨガで行う腹式呼吸は自律神経を整える効果が期待できるため、免疫力低下に繋がるストレスの解消にも繋がります。

[4]運動不足を解消して免疫力の低下から体を守ろう!

いかがでしたでしょうか?日常的に運動をすることで、血行が良くなり体温が上がるため免疫細胞が活性化されます。免疫細胞が活性化すると体内に侵入してきた細菌やウイルスを素早く撃退してくれるため、風邪にかかりにくい=病気に強い体になります。
もし最近運動不足だなと感じているなら、まずはストレッチやウォーキングなど手軽に取り組むことができる運動から取り組んでみませんか?

  • 関連するキーワード