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【管理栄養士監修】梅干しは身体に嬉しい効果がある!生活習慣病予防やダイエットに期待!

お弁当に定番の梅干しに、防腐剤の効果があることはご存知の方も多いと思います。その殺菌効果は然ることながら、生活習慣病の予防など、梅干しにはさまざまな健康効果があることが分かっています。今回は、酸っぱい梅干しの秘密を探りながら、おすすめ梅干しレシピもご紹介していきます。

2018年03月05日更新

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]梅干しとは

梅を塩漬けしてできる梅干し。日本の伝統保存食のひとつですが、いつごろから食されるようになったのでしょうか。

梅干しの歴史

梅の歴史は古く、古墳時代の3世紀終わり頃に中国から日本へもたらされた説と、日本原産であるなどの説があります。定かではないようですが、中国から渡った説を用いる文献が多くあります。実際に梅の実を食べたという記録は奈良時代(710~794年)にあり、桃やあんずのようにお菓子として食されていました。

平安時代(794~1185年)には、梅干しが登場。鎌倉時代(1185~1333年)頃から梅干しが重宝されるようになり、戦国時代(1467~1590年)には保存食や食中毒予防などに使われていたとか。江戸時代(1603~1868年)には庶民も手にしやすい梅干しとなり、今ではいろいろな加工品が出回っています。

梅干しの栄養成分

梅の栄養成分はビタミンE・ムメフラール・クエン酸・リンゴ酸・コハク酸・酒石酸などの有機酸などがあります。ビタミンEは抗酸化作用があり、生活習慣病予防にも期待ができる成分です。

ムメフラールは梅を加熱すると作られる成分(梅肉エキスに含まれており、梅や梅干しには含まれていません)で、こちらも抗酸化作用があり、悪玉活性酸素を除去できる力や血行改善効果などがあります。有機酸は梅独特の酸味で、食欲増進や疲労回復効果があります。その他、梅干しにするとより多く摂取できるカリウムやマグネシウムも含んでいます。

梅干しの種類

梅干しといってもたくさんの種類があります。好きな梅干しはどのタイプでしょうか。

  • 梅干し
  • ■赤じそ漬け
    梅干しを漬ける際に、赤じそを混ぜたもの。しそにも殺菌作用があるため、防腐効果もより期待できます。食欲がアップするしその香りが漂います。

    ■白干し梅
    梅を粗塩に漬けた梅干し。伝統的なシンプルな梅干しでしょっぱい梅干しを楽しむことができます。

    ■小梅干し
    小粒な紀州産小梅を使った梅干し。小粒でも果肉はたっぷりで柔らかいのが特徴です。

    ■焼き梅
    梅干しを焼いたもので、酸味が程よく抜けています。酸っぱさ控えめで、おやつにもなります。

  • 調味梅干し
  • 白干し梅を他の調味料とあわせたもの。

    ■岩海苔梅
    岩海苔の佃煮に漬けた梅干しです。岩海苔の甘さと梅干しの酸味が絶妙にマッチ。炊き立てごはんやお茶漬けにぴったりです。

    ■かつお梅
    白干し梅を塩抜き後、かつお節やしょう油、みりんなどで味付けした梅干しです。

    ■キムチ風梅干し(梅キムチ)
    キムチと梅干しのコラボレーション。はちみつや昆布だしなどさまざまなエキスが混ざり、クセになる味です。

    ■昆布梅
    昆布も混ぜて漬け込んだ梅干し。昆布だしのうま味成分が酸っぱい梅干しをまろやかに仕上げます。

    ■はちみつ漬け
    白干し梅を塩抜き後、はちみつで味付けした梅干し。梅干しの酸っぱさとはちみつの甘さが人気の売れ筋梅干しです。

    ■りんご梅
    りんご果汁とりんご酢を使用した梅干しです。デザート感覚の梅干しで、フルーティーな味わいが楽しめます。

  • 梅漬け
  • ■カリカリ漬け
    一般的な梅干しは、日光の下に干す土用干しにより柔らかいもの。カリカリ漬けは干さないため、きゅうりの漬物のようにカリッとしています。

[2]梅干しが持ついろいろな効果

梅干しは昔から食されている通り、健康効果が期待できる万能な食材です。梅干しの効果が分かれば必需品になるかもしれませんね。

梅干しの血液サラサラ効果

梅を加熱することで作られるムメフラールという成分は、血流改善や生活習慣病の予防に役立つとされています。ムメフラールの抗酸化作用のパワーはビタミンCよりも効果的だとか。そして、ムメフラールはクエン酸と一緒に摂取することで相乗効果も期待できます。

梅干しには高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防効果も

血糖値上昇や肥満に繋がる酵素の働きを阻止する成分が梅に含まれています。梅干しの摂取により糖質を吸収しにくくなります。さらに梅干しの塩分が、高血圧を抑える効果もあるとか。塩分は血圧の高めな方以外にも気にする方は多いと思いますが、少しの梅干しの塩分は血圧に害がないようです。

梅干しの免疫力アップ効果で風邪予防

梅干しには体の免疫力を高める効果があります。インフルエンザウイルスの活動を抑制するポリフェノール成分があり、インフルエンザウイルスの抑制という目的に限っては、1日に梅干しを5粒程度食べることで効果が期待できるそうです。

梅干しの抗酸化作用でアンチエイジング

梅干しによる血流改善の効果から、ひいてはデトックス効果や活発な新陳代謝も期待でき、老化防止にもなるでしょう。そして梅干しに含まれる梅リグナンが活性酸素を除去してくれるため、こちらも老化防止に繋がります。酸っぱさから出る唾液から出るホルモンの相乗効果で梅干しは美容におすすめの食材と言えます。

美肌・ヘアケアにするアルカリ性効果もある梅干し

梅リグナンの働きにより、シミやくすみの出来にくい肌質改善が期待できます。シミやくすみは内臓の老化が原因のひとつとされています。梅に含まれるクエン酸は老廃物を排出してくれるので、美肌やむくみ解消も期待できるでしょう。同じく、ビタミンEやポリフェノールなどの抗酸化成分も美容に有効です。

梅干しの疲労回復効果

疲れの原因となる乳酸。乳酸が溜まると体の凝りやだるさなどの症状が出てきます。血中に乳酸が溜まると生活習慣病になりやすいとも言います。そこで梅干しに含まれるクエン酸が働いてくれます。クエン酸は、乳酸を体外へ出してくれ、疲労物質の発生も抑えてくれます。

梅干しの二日酔い改善効果

梅干しに含まれるピルビン酸は、肝機能を強くしてくれます。そして、胃腸を守る粘液の分泌を高めてくれる働きもあるので、お酒好きの方におすすめの成分です。またクエン酸も疲労回復と同時に二日酔いに効果的です。お酒を飲むなら、たまには梅サワーや梅酒などを飲むのもいいかもしれません。

梅干しと言えば食欲増進効果

梅干しに含まれるクエン酸は、胃液の分泌を促してくれたり、消化酵素の分泌を高めてくれる働きもあります。食欲増進効果が期待でき、消化吸収も助けてくれるでしょう。

梅干しの抗菌効果

クエン酸の効果は万能で、除菌効果も備わっています。よくお弁当やおにぎりに梅干しが入っていますが、クエン酸による防腐効果に期待するものです。食中毒の予防に限らず、胃潰瘍や胃がんなどの原因とされるピロリ菌の増殖を抑える効果もあるようです。

梅干しのクエン酸効果で骨粗しょう症予防

クエン酸はまた、カルシウムの吸収も助けてくれます。カルシウムは吸収率の低い成分ですが、クエン酸はカルシウムを水溶性に変えて腸からの吸収率を上げてくれます。同時に鉄の吸収も促してくれ、骨に定着させる働きもあるとか。カルシウム不足の子どもや高齢者の方だけでなく、大人も骨の老化防止に梅干しは役立つでしょう。

梅干しには鉄分吸収、整腸作用効果もある

梅干しに含まれるクエン酸は、腸の運動を促してくれるので整腸作用があります。便秘改善、腸内の悪玉菌を減らす効果が期待できるでしょう。下痢の症状改善にも効果的と言われています。

梅干しに虫歯予防効果まで?

なんとクエン酸は虫歯の原因となる、ミュータンス菌の活動を抑える働きもしてくれるそうです。食後に梅干しと白湯を摂取すれば、虫歯予防につながるでしょう。もちろん歯みがきとフロスも忘れずに。

[3]ダイエットに取り入れたい梅干しの効果

生活習慣病予防にいいという梅干しは、ダイエット効果もあると言います。種類豊富な梅干しからどういったタイプの梅干しを選んだらいいのでしょうか。

脂肪の吸収を抑える梅干しの効果

梅干しには脂肪の細胞に刺激を与えるバニリンという成分があります。摂取すると脂肪が燃焼するため、体重減が期待できます。また、クエン酸は血糖値の上昇を抑える効果がありますから、脂肪が付きにくくなるでしょう。

ダイエットにいい梅干しの選び方

梅干しによるダイエット効果を期待するなら、塩のみで付けられた白干し梅で大きめのものがおすすめです。白干し梅で小さめなら2粒でもいいでしょう。市販のはちみつ漬けの梅干しなどは、甘味料などの添加物が使用されている場合もあります。購入時には原料にも目を向けてみましょう。

ダイエットに効果的な梅干しの食べ方

体温を上げ、血行をよくするためにも、梅干しを焼いたりお湯に入れて食べてみましょう。焼く場合はトースターかフライパンで素焼きにします。焼くとクエン酸と糖の一部がムメフラールという成分に変わるので、血流改善やデトックス効果があります。

そして、焼くことで脂肪燃焼効果があると言われるバニリンも増えると言われています。梅干しをお湯に入れる場合は、梅エキスがしみ出た白湯ごといただきます。白湯は内臓を温めてくれます。利尿作用で老廃物を排出してくれるでしょう。シンプルに梅干しを1日1個食すだけでも、ダイエットに役立つでしょう。

[4]梅干しの効果的な食べ方

梅干しのさまざまな効能を実感するためにも、食べるタイミングや必要量、気をつけることはあるのでしょうか。

梅干しを食べるタイミング

梅干しを食べるなら食前がおすすめです。特に夕食は、朝や昼に比べてカロリーが高くなったり、晩酌などが加われば食事時間も長くなります。カロリーが消費されにくくなる内容となるため、できれば夕食前に梅干しを食べるといいでしょう。

梅干しは1日何個食べていい?

梅干しは塩分が気になるものの、1日1個でしたら食べ過ぎにはなりません。塩分が気になる方は、水に浸けて塩抜きをしたり、調味漬けの梅干しを選びましょう。ただし、調味漬けの梅干しは人工甘味料や着色料などの食品添加物が含まれているものも多くあるので、購入する際には食品表示を確認してから選ぶことが大切です。五訂日本食品標準成分表では、塩漬けの梅干しの塩分が100gあたり22.1gとされています。中くらいの梅干し総量12g、大きいもので総量24gの梅干し1個の塩分は2~4g程度です。1日あたりの食塩摂取量の目安は男性8g女性7gとなっています。調味漬けの梅干しであれば、塩分が1個あたり約0.6gになります。

おすすめの梅干しの食べ方

1日1個摂取するだけで、いろいろな健康効果が期待できる梅干しですが、アレンジが効くと食卓も楽しくなります。ここでは梅干しを使ったレシピをご紹介します。

  • 梅ごぼう

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<材料>
・ごぼう 1本(小さかったり短かったりする場合は2本で)
・梅干し 2個

<作り方>

  1. ごぼうを浄水で洗い、食べやすい大きさ(長さ3cmくらいの縦半分など)にカットして、アクを抜くために約5分くらい水にさらす。(無農薬のものを使用する場合はあく抜きは行わなくてもポリフェノールの一種であるアクは加熱することで甘味に変わるので大丈夫です。)
  2. 鍋に1と梅干し、かぶるくらいたっぷりの水を入れて中火にかける。
  3. 沸騰したら弱火にして、ごぼうが柔らかくなるまで時間をかけてコトコト煮込む。途中で蒸発して水気がなくなった場合には、水を加えて、柔らかくなるまで煮込み続けてください。
  4. 水気がなくなり、ごぼうがお箸で簡単に切れるくらいになったら、火を止めた冷ましてください。お好みで、一緒に煮込んだ梅干しは実をほぐしてごぼうに絡めてあげても美味しいです。


  • 鶏手羽元の梅煮

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<材料>
・鶏の手羽元  600g
・水      1カップ
・梅酢(もしくは普通の酢)大さじ3
・みりん(しっかりと甘味が欲しい場合は甘酒や砂糖でも可)大さじ3
・梅干し    2個
・醤油     大さじ1

<作り方>

  1. 鶏の手羽元は浄水で洗って、火が通りやすいように全体に包丁で切り込みを軽く炒れておく。
  2. お鍋に手羽元を入れて、表面に焼き色がつくように焼く。焼き色がついたら、いったん、鍋の外に取り出して、鍋にたまっている油をキッチンペーパーなどでふき取る。
  3. 鍋に2と水、梅酢、みりん、梅干し、醤油を入れる。梅干しは、箸で少し実をほぐしてあげる。
  4. 強火にかけて、沸騰したら弱火にして、鍋に浮かんでいるアクを取り除いてあげる。
  5. 落し蓋をして、約20分ほど煮込む。
  6. 落し蓋を外して、照りをつけるために火を強火にして、煮汁にとろみがついてきたら火を止める。(汁気がほとんどなくなるくらい)
  7. 残っている煮汁をお肉に絡めてあげたらできあがり。


  • 万能梅ソース

<材料>
・梅干し 1個
・白みそ(なければ他の味噌でも大丈夫。甘味の強いみその方が相性は良いです)小さじ1くらい
・白ごまペースト 大さじ1
・お湯 小さじ1

<作り方>

  1. 梅干しの種を取り除いて、実を包丁でたたいてペースト状にしておく。
  2. 1と白みそ、白ごまペースト、お湯をよく混ぜ合わせたらできあがり。

そのまま、お野菜や、お肉、お魚にかけてあげても良いし、オリーブオイルと混ぜ合わせると手作りのドレッシングにもなります。レシピの量はおすすめの配合量になるので必要な量をこの配合で作ってみてください。ただし、みそは使用するものによって塩気や甘味が異なるので、味を見ながら加えることをおすすめします。

梅の注意点

梅は柿や桃などと違って熟しても甘くはなりません。生で食べることはできず、加熱するかアルコールや塩漬けが必須です。生の梅の種子にはアミグダリンが含まれており、酵素によって分解されると青酸化合物に変化して、食べると中毒症状を起こしかねませんから、必ず加工しましょう。

[5]冷蔵庫に眠っている梅干しを毎日食べよう

体の酸性化は生活習慣病などの心配があります。そこで血液などをアルカリ性に保つことが健康のための手段となります。梅干しはアルカリ性で、野菜よりも少ない量で酸性を中和することができ、クエン酸他、多様な栄養成分が、健康効果や美容効果をもたらしてくれることが分かりました。毎日の摂取は難しいという方もいるかもしれません。

まずは冷蔵庫に眠っている梅干しがあれば、夜ご飯の前に1粒食べてみましょう。ただし、健康効果を得たいのであれば、減塩調味を施しさまざまな味のバリエーションがある調味梅干しや、調味液に漬け込んだだけで天日干しのされていない梅干しもどきではなく、自然塩で漬け込まれて昔ながらの天日干しで作られた梅干しを選ぶことをおすすめします。そして可能であれば、農薬を使わずに栽培された梅の方が効果も得やすいです。酸っぱさを感じるそのクエン酸が、体をキレイにするために働いてくれるはずです。

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