免疫力の基礎

【医師監修】免疫力が落ちる5つの原因と身体に起こる影響とは?改善方法を知って免疫力を高めよう

以前はあまり風邪をひかなかったのに、風邪をひきやすくなった。疲れても一晩眠れば疲れが取れたのに、最近は一晩寝ても疲れが取れない。などという人がいたら、もしかしたらそれは免疫力が落ちたせいかもしれません!今回は免疫の力が落ちる原因や解決方法を解説していきます。

2018年03月09日更新

児玉華子 先生 (内科)

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[1]免疫とは

私たちの身体のまわりには目に見えない細菌やウイルスが存在しています。それは時に体内に侵入してきます。体内に侵入した細菌やウイルスを見つけて退治してくれるのが免疫です。
また、人の身体はガン細胞が毎日5000個も生まれていると言われています。そのガン細胞を「非自己」・「異物」として認識し、退治してくれるのも免疫の力です。さらに、死んだ細胞や老廃物を除去してくれるのも免疫の力です。

免疫の働きに

私たちの身体は「免疫」によって守られています。「免疫細胞」が血液に乗って全身を巡り、ガン細胞やウイルス、老廃物に至るまで身体にとって有害なものや不必要なものがいないか見回りしてくれます。その免疫細胞の約6割は腸の中に存在し、腸内でガン細胞やウイルスが来るのを待ち構えてやっつけてくれるのです。

免疫力アップにはLPSが鍵

近年、LPSという成分が健康を守るために欠かせない物質だということが注目されてきています。
LPSとは、グラム陰性細菌という、主に土壌に含まれる細菌の外膜にぎっしりと存在する、免疫の力を高める役割を持った成分で、その働きから「免疫ビタミン」とも言われています。正式名称は「リポポリサッカライド」といい、日本語でいうと「糖脂質」という意味になります。
LPSは、免疫細胞の一つである「マクロファージ」を活性化させ、免疫力を高める働きを持つため、多くの健康効果が期待できる、免疫力アップには欠かせない成分なのです。

[2]これはNG!免疫力が落ちる5つの原因

免疫力が落ちる原因「食生活の乱れ」

人は寝ているときに体温が低くなります。体温が低いままだと、代謝が悪くなって免疫力が低下する恐れがあります。しっかりと朝食を食べて血糖値を上げ、体温を上げることで代謝がよくなって免疫力のアップにつながります。
しかし、最近は朝食を食べない人が多いため、体温が上がらないまま1日を過ごす人が増えています。体温が上がらないと低体温症になって、代謝も免疫も弱まってしまいます。

免疫力が落ちる原因「ストレス」

ストレスを抱えると自律神経が乱れます。自律神経とは私たちが生きていく上で欠かせない働きをする神経で交感神経と副交感神経から成ります。呼吸をする、体温を調整する、心臓を動かすなどに関わる自律神経は疲れやストレスによって影響を受けてしまいます。体温を調整する機能は、体温を上げて免疫力をアップする効果があるため、自律神経のバランスが乱れることでその働きが低下し、結果免疫力が低下してしまうことになります。

免疫力が落ちる原因「睡眠不足」

睡眠不足の原因は色々ありますが、その一つにストレスがあります。場合によっては、人に良い影響を与えるストレスもありますが、悪いストレスの場合は免疫力低下の原因につながります。
また、パソコンやスマホを遅くまで見ていて寝る時間が遅くなってしまうと、睡眠不足につながり身体の疲れが取れず健康が保てません。睡眠不足は免疫力を低下させ、風邪をひきやすくなったり疲れが取れにくくなったりする原因になります。

免疫力が落ちる原因「運動不足」

免疫力と運動は密接な関係にあります。免疫細胞の中の一つであり、直接ウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃する「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」は血流に乗って身体の中をまわっています。このNK細胞は適度な運動をすることによって活性化されます。そのため、免疫力を上げるためには運動をすることが大切なのです。

免疫力が落ちる原因「加齢」

免疫力は生まれた時には低く、だんだん免疫力が強くなっていって一番高くなるのは20代です。20歳前後でピークになる免疫力はそれから少しずつ落ちていき、40代には20代の約半分ほどの力になっていきます。そして、70代になると免疫力は20代の約10%にまで落ちてしまいます。

免疫細胞の多くは腸の中に存在し、細菌やウイルスを退治します。しかし、年齢が上がるとともに免疫細胞であるT細胞の分化・成熟の場、胸腺が萎縮し、実際の免疫反応の現場である脾臓やリンパ節も機能が低下していきます。免疫細胞を作り出す力が弱まるとともに、作られたとしても加齢が原因でその働きは以前よりも弱くなります。そのために免疫力が落ちてしまうのです。

[3]免疫力が落ちるとどうなるの?

風邪やインフルエンザにかかりやすくなる

私たちの身体の中に入ってきた細菌やウイルスは、免疫細胞がそれを見つけて退治してくれることで消滅します。免疫の力で私たちは病気から守られているのです。しかし、免疫力が低下すると、免疫細胞が細菌やウイルスを退治する力も弱くなり、病気にかかりやすくなってしまいます。

疲れやすくなり回復が遅い

精神的な疲れや身体の疲れはゆっくり休息を取って、栄養があるものを食べることで、だんだん回復していきます。しかし、疲れをそのままにしていると、疲れが蓄積し、それがストレスになって自律神経が乱れ始めます。免疫力が高いと心身の疲れを早く回復させるのですが、免疫力が弱くなると疲れやすくなって回復も遅くなってしまいます。

口内炎などができやすくなる

口内炎は口内にできる炎症のことです。体調が良い時には口内炎はできにくいのですが、体調が悪かったり疲れたりすると口内炎ができやすくなります。一般的に多いのが「潰瘍性口内炎」というもので、ストレスや疲れが原因とされています。ストレスや疲れがたまり、免疫力が低下することで普段はあまりできない口内炎ができやすくなることがあります。

アレルギーを引き起こしやすくなる

免疫は身体の中に入ってくる異物を退治する力がありますが、この免疫が正常に働かないとアレルギーを引き起こす恐れがあります。免疫細胞が正常な働きをしている時はよいのですが、免疫細胞のバランスが乱れて正常に働かなくなると、異物ではないものまで過剰に反応して排除しようとします。これがアレルギー反応となってくしゃみや鼻水、じんましんなどの症状を引き起こすことにつながるのです。

ガンにかかるリスクが高くなる

免疫細胞は身体の中に作られるガン細胞を退治してくれる働きを持っています。健康な人でも、毎日身体の中に5,000個ものガン細胞が生まれると言われています。免疫細胞の力が正常に働いていると、免疫細胞はガン細胞を見つけ退治し増殖を防いでくれます。しかし、免疫力が低下してしまうとその力が弱くなり、ガン細胞が増殖する力を抑えられなくなってしまうことがあります。

[4]日常生活で免疫力を高めるためにできる4つのこと

食生活を見直す

食品には身体を温めるものと冷やすものがあります。人の身体は温まって体温が上がることで免疫力が高まります。そのため、意識して身体を温める食品を摂るようにすることが重要です。また、食事は栄養のバランスを考えて3食しっかり摂りましょう。

質の良い睡眠をとる

健康を維持するためには質の良い睡眠が大切です。質の良い睡眠は、自律神経を整えるためにも重要になります。遅くまでスマホやパソコンを操作していたり、テレビを観たりしていると充分な睡眠が取れなくなってしまいます。

適度な運動をする

適度な運動をして筋肉量を上げることは平熱を上げる効果が期待できます。人の身体は体温が低いと代謝が悪くなって免疫力が落ちてしまいます。筋肉は温まった血液を全身に送るポンプの役目をするため、身体を温めるためには筋肉が必要です。
そこでおすすめなのが、30分程のウォーキングです。また、筋肉の多くは下半身に集中しているため、スクワットなどで下半身の筋力をつけることもいいでしょう。

ストレスをためない

私たちの身体は加齢によって年々、免疫力が低下するので意識して免疫力を上げる必要があります。そのために大切なのがストレスを溜めないことです。ストレスが溜まると自律神経に悪い影響を与えてしまいます。
自律神経が乱れると、免疫力の低下につながるため、病気になりやすくなったり疲れやすくなったりしてしまいます。免疫力を低下させないためにはストレスを溜め続けないことが重要なのです。

[5]免疫力が落ちる原因を知って事前に対策をしよう!

免疫力は年齢とともに徐々に衰えていきます。お年寄りがインフルエンザなどで重症化してしまうのも免疫力が低下していることが原因のひとつです。年を重ねても綺麗で元気でいたいものです。そのためには普段から意識して、免疫力を上げる努力をすることが重要です。まずはできることから始めてみませんか?

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