【管理栄養士監修】カニの栄養は甲羅まである!?丸ごと食べたいたくさんの成分とその効能とは

カニと言えば、茹でて豪快に食べたり、贅沢に味噌汁に入れたりして食べるのを思い浮かべます。そんなカニに含まれている栄養はどんなものか、考えたことはありますか?今回はカニに含まれている栄養素とその効能について、詳しく解説していきます。

2018年03月06日更新

免疫力と食事・サプリ

KUMI (管理栄養士)

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[1]カニとは

カニは種類が豊富で、世界で6,000種類、日本では1,200種類ほどいることが確認されています。大きさも様々で、数ミリの小さなものから3mほどある大きなものまで生息しています。食用のものでは、タラバガニ、毛ガニ、ズワイガニなどがあります。

[2]カニの栄養成分とその効能について

良質の動物性【タンパク質】

  • からだの組織を作る
  • タンパク質は髪の毛や爪、臓器や筋肉などの身体を作るために大変重要な栄養素です。脳溢血や脳出血の予防にはタンパク質の働きで、血管を強くさせることが大事です。また、コラーゲンは美肌に欠かせないものですが、このコラーゲンはタンパク質の一つです。美しく潤いのある肌を保つには、タンパク質が欠かせません。

  • 免疫力を高める
  • 私たちの身体は免疫の力によって守られています。身体の中に入っていた異物を外に出す働きをする「抗体」のおかげで風邪などの病気にかからなくてすむのです。また、もしも病気にかかったとしても軽く済むのは免疫力のおかげです。タンパク質にはこの抗体の働きを助ける力があります。もしも抗体の力が弱いと、ウイルスや細菌をやっつける力も弱まってしまうため、病気にかかりやすくなってしまいます。免疫力を高めて病気にかかりにくい身体にするためにはタンパク質が不可欠です。

  • 貧血予防
  • タンパク質は鉄と結合してヘモグロビンを作ります。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ働きをしますが、もしもこのヘモグロビンが不足すると、酸素が全身に行き届かなくなります。そうなると、頭痛やめまい、貧血を起こしやすくなってしまいます。ヘモグロビンを生成するためにはタンパク質が必要です。貧血予防のためにもタンパク質を意識して摂取するといいでしょう。

貧血気味の人に!【ビタミンB12】

  • 貧血予防・改善
  • 赤血球の細胞分裂や増殖には、ビタミンB12と葉酸が必要です。どちらかが足りないと赤血球が正常な働きができなくなるため、貧血を引き起こす原因になってしまいます。貧血にならないためには、ビタミンB12と葉酸が必要ですので、意識して摂取するようにするといいでしょう。

  • 神経の機能を正常に保つ
  • 神経細胞の機能を正常に保つためには、ビタミンB12が核酸・アミノ酸・タンパク質の合成をサポートする力が重要になっています。また、ビタミンB12には肩こりや腰痛などの原因になる末梢神経の傷を治す働きがあります。

鉄の利用を促進する【銅】

  • 貧血予防・改善
  • 銅には貧血を予防するために、体内での鉄の利用をサポートします。血液中に存在する銅は、ヘモグロビンの合成に鉄を利用できるようにするためには必要な成分です。ヘモグロビンは全身に酸素を送る役割がありますが、食事で摂取した鉄をそのまま利用してヘモグロビンを作ることができません。銅の働きで酸化してからヘモグロビンの合成に利用するのです。そのため、貧血の予防には銅が欠かせないのです。

  • 免疫力を高める
  • 免疫細胞にはT細胞やマクロファージがありますが、銅はこれらの細胞のエネルギーを作り出すための「チトクロムCオキシダーゼ」の構成ミネラルです。銅は免疫細胞が正常に働くために必要な成分です。

味覚に関わる栄養素【亜鉛】

  • 味覚を正常に保つために必要
  • 亜鉛は、舌の表面にある味を感じる「味蕾(みらい)」の細胞の生まれ変わりをサポートする成分です。人は舌にある味蕾で味を感じ取っています。味蕾の細胞は短時間で生まれ変わっています。亜鉛が足りないと味蕾の細胞の生まれ変わりがうまくいかなくなり、味がよく分からなってしまいます。おいしく食事をするためには亜鉛の力は重要です。

  • 抜け毛を予防!
  • 亜鉛はタンパク質を作り出すためのサポートをする成分です。タンパク質からできています。亜鉛が酵素を作り出す成分になり代謝を助けると、毛髪の生まれ変わりを促進して抜け毛を予防する働きをしてくれます。

  • 生殖機能を維持する
  • 亜鉛はインスリンというホルモンの合成、分泌量の調整に不可欠な成分です。脾臓から分泌されるインスリンは血糖値を下げる働きを持つホルモンになります。また、亜鉛は生殖機能にも関わっていて、生殖器の発育や維持に重要な役割を持った成分です。

  • 成長の促進
  • 亜鉛は身体の成長に欠かせない栄養素です。成長期の子どもは活発な細胞分裂によって、細胞が新しく生まれ変わり、身長が伸びたりして発育します。大人でも肌や胃腸などの細胞は日々生まれ変わって新しい細胞ができます。亜鉛には細胞を作るためのサポートをする重要な役割があります。

  • 二日酔いの予防
  • 亜鉛は二日酔いの予防に効果が期待される栄養素です。アルコールは肝臓で分解され、毒素を外に排出します。この働きは、アルコール脱水酵素とアルデヒド脱水酵素という2つの酵素の力によるものです。亜鉛はこれらの酵素に働きかけるため、アルコール分解に必要とされています。

【ビタミンE】でアンチエイジング

  • 抗酸化作用で老化防止
  • ビタミンEには強い抗酸化作用があります。この働きは細胞の酸化を防ぐため、老化を予防することができます。40歳を過ぎると血液中の過酸化脂質が急激に増えていき、またストレスや加齢によって細胞の酸化が進んでしまいます。細胞が酸化すると肌が乾燥しやすくなったり、病気にかかりやすくなります。ビタミンEを意識して摂取することで、細胞の酸化を抑え老化の予防に効果が期待できるのです。

  • 抗酸化作用は生活習慣病も予防
  • ビタミンEの抗酸化作用は、生活習慣病の予防にも役立ちます。その中でも血管の老化によって引き起こされる動脈硬化は、高血圧や脳卒中などの病気の原因となってしまいます。血管の壁に、悪玉コレステロールが酸化してできた過酸化脂質がこびりつくと動脈硬化になります。ビタミンEの強い抗酸化作用で脂肪やコレステロールの酸化を防止して、血管を健康に保つことで生活習慣病の予防に効果が期待できます。

  • 血流改善にも効果あり
  • 加齢などによって増える血液中の過酸化脂質は、血管の壁にこびりついて動脈硬化を引き起こします。ビタミンEにはその過酸化脂質を分解し、血液がどろどろになることを防いで血液の流れを良くします。血流が良くなることで、肩こりや冷え性などの改善にも効果が期待できます。

[3]カニの甲羅に含まれる栄養素とその効能

赤色の天然色素【アスタキサンチン】

  • 眼精疲労予防
  • カニの甲羅はお湯で茹でると赤くなりますが、これは天然色素であるアスタキサンチンによるものです。アスタキサンチンは眼精疲労に効果が期待できる成分です。最近はスマホやパソコンを使用する人が増え、それに伴い眼の疲れを感じる人が増えてきています。眼の疲れはひどくなると、頭痛や肩こりの原因になります。眼精疲労に効果が期待できるアスタキサンチンを摂取することで、眼精疲労を予防しましょう。

  • 動脈硬化
  • 動脈硬化は悪玉コレステロールが血液の中に流れてきて、血管の壁に張り付いてしまうことで血管が硬くなるために起こります。悪玉コレステロールは活性酸素によって酸化してしまい、それが血管に沈着するのですが、アスタキサンチンにはコレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。また、酸化を防ぐだけではなく、血管内に付着した脂質を除去する働きもあります。

  • 筋肉疲労軽減
  • 人は運動などをして身体を動かすと、ブドウ糖をエネルギーに変えて消費します。運動量が増えると今度は脂質をエネルギーとして利用しますが、脂質を利用しないでいるとこの脂質は乳酸という疲労物質になって身体の中に蓄積されます。乳酸が溜まると人は疲れを感じます。アスタキサンチンには運動によって引き起こされる筋肉疲労を軽減する働きがあります。

  • 美白・美肌効果
  • 私たちの皮膚は紫外線によってシミやシワが現れることがあります。これは紫外線が真皮にあるコラーゲン、エラスチンという皮膚に潤いやハリを与える成分に悪い影響を与えるからです。アスタキサンチンには、シワやシミの原因になる活性酸素を取り除く力があるため、美肌や美白に効果が期待できます。

動物性の食物繊維【キチン・キトサン】

  • コレステロール値を下げる
  • コレステロールは肝臓から作られる胆汁酸の原料です。通常は小腸の一部に回収されて、再び肝臓に戻って利用されるの胆汁酸を、肝臓に戻さないようにするのがキトサンです。キトサンは食物繊維としての力で胆汁酸と結合して排出する働きを持っています。肝臓に戻るはずだった胆汁酸が減少したため、血中のコレステロールを使って胆汁酸を作ることになります。そのため、血中のコレステロールが減少するのです。キトサンの働きによって、コレステロールの値を下げる効果が期待できます。

  • 脂肪が溜まるのを防ぐ
  • カロリーを摂りすぎるからという理由だけではなく、不規則な食生活によっても身体に余分な脂肪がつきます。夜中に食事をしてすぐに就寝するなど、脂肪が増えて蓄積されることで肥満につながっていきます。キチン・キトサンは、小腸で腸内に残っている脂肪を吸着し、体外へ排出する働きがあります。この働きによって、脂肪が内臓に蓄積されるのを防ぐため、肥満を予防する効果が期待できるのです。

  • 免疫力を高める
  • 免疫に大きく関わっているマクロファージという細胞は、キチン・キトサンによって活性化されるという特徴があります。マクロファージには、体内に侵入してきた細菌やウイルスを退治する働きを持っています。キチン・キトサンによって、マクロファージが活性化されることによって免疫力を高め、病気になりにくい身体を手に入れることが期待できます。

[4]殻にも栄養が!味噌汁などで丸ごと栄養を摂ろう!

このように、カニは身だけではなく殻にも栄養があることが分かりました。小さなカニだと殻ごと食べることもできるので、唐揚げなどにしてもいいですね。大きなカニですと、殻をバリバリ食べることは難しいため、殻ごと鍋に入れたり味噌汁などに入れて栄養分をしっかり吸収しましょう。大きなカニを鍋に入れて食べる場合は、最後に入れるようにします。せっかくのカニ味噌が流れてしまうのを防ぐためです。殻を皿代わりにしてグラタンや雑炊にする食べ方もありますので、試してみてください。

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