免疫力と食事・サプリ

【管理栄養士監修】ほうれん草の栄養成分と効果!正しい調理法や相性の良い組み合わせ野菜・レシピもご紹介

栄養価が高い食材として有名なほうれん草。そんなほうれん草は11月から2月の間が旬の食材であり、この旬の時期は、1年の中でもさらに栄養価が高くなります。今回はその栄養と期待できる効果、そしてオススメの調理法について詳しくお伝えします。

2018年03月07日更新

亀崎智子 (管理栄養士)

  • fb
  • line

[1]栄養たっぷりなほうれん草の基礎知識

ほうれん草はアカザ科ほうれん草属の野菜です。日本全国で作られていますが、特に千葉県や埼玉県で多く生産されています。

見た目も栄養成分も似ているけど小松菜とほうれん草は違う

小松菜とほうれん草は、見た目も含まれている栄養成分も似ている野菜です。どちらもおひたしや炒め物のおかずの1品として食べることが多いため、どう違うのだろうかと思われる人も多いでしょう。

しかし、小松菜とほうれん草はそもそもの原産地が全く違う野菜なのです。小松菜の原産地が日本であることに対し、ほうれん草の原産地は西南アジアで、江戸時代に日本に伝わった野菜であると言われています。

そしてその最大の違いは調理法です。それは、調理前に下茹でが必要であるかないかです。ほうれん草にはシュウ酸と言われるアクの成分が含まれているため、下茹でが必要になります。小松菜にはシュウ酸が含まれていないため、下茹でせずに調理することが可能なのです。

ほうれん草のカロリーは?

茹でたほうれん草のカロリーは100g(1束の1/3~半分)あたり25kcalです。とてもヘルシーな野菜の1つです。

栄養満点な美味しいほうれん草の選び方

スーパーなどでほうれん草を購入するときに、できるだけ新鮮でおいしいものを選ぶポイントをお伝えします。

まず、ほうれん草の葉が濃い緑色でピンと葉先が張り肉厚のものが新鮮な証拠です。また、新鮮な物ほど葉物野菜の香りがあります。ほうれん草の葉に黄色や黒色の斑点があるものは虫食いか殺虫剤で処理されているものなので、避けた方がよいでしょう。ほうれん草の根元がふっくらして赤みが強いものほどミネラルが多く含まれており、甘みも強くなります。

ほうれん草の栄養をそのままに!正しい生・冷凍保存方法

生のほうれん草を保存する時は、濡れた新聞紙やクッキングペーパーで軽く包んで袋に入れ、空気を抜いて冷蔵庫の野菜室に葉の部分が上になるように立てておきましょう。保存期間の目安は1週間です。

生のまま冷凍するときはほうれん草をきれいに洗い、水気をしっかり拭き取って密閉パックに入れ冷凍します。保存期間の目安は1ヶ月です。しかし、使用するときに茹でると栄養素が流れ出てやすくなるのが難点です。生のほうれん草を冷凍した場合は、スムージーなど茹でずに使う方が栄養素をしっかりとることができます。

また、一度茹でたほうれん草も密閉容器に入れて冷蔵保存ができます。しかし、この場合の保存期間は2日程度です。長期間保存したい場合は、冷凍保存の方がよいでしょう。

冷凍する時は、ほうれん草を切らずに10秒から30秒ほど固めにさっと茹でます。その後、冷水につけて冷やし、しっかりとしぼったらキッチンペーパーなどで水気をとります。それから使いやすいサイズに切ってラップに包み、密閉パックに入れて空気を抜き冷凍します。保存期間の目安は1ヶ月です。
しかし、この茹でて冷凍する場合は調理次第では食べる時に少し水っぽく感じるかもしれません。そのため、解凍せずに使えるスープなどに使うのがおすすめです。

[2]ほうれん草の栄養成分と期待できる効果

栄養価が高いと言われているほうれん草の栄養成分と期待できる効果について詳しく説明します。

ほうれん草の栄養「鉄分」

100gあたりのほうれん草に鉄分は2㎎含まれています。鉄分は血液を作る材料となります。鉄分をとることで、貧血を予防する効果につながります。

ほうれん草の栄養「ビタミンC」

夏のほうれん草に含まれているビタミンCは100gあたり10㎎ですが、旬の時期になるとその3倍の3mgも含まれています。ビタミンCには体の中の活性酸素を除去する働きがあるため、老化や紫外線などによる皮膚のダメージを防いだり、がんや糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果が期待できます。
また、免疫力を高めて風邪の予防にもつながります。そして皮膚のコラーゲンを作る手助けもしてくれるため、美肌効果も期待できるのです。

ほうれん草の栄養「ビタミンE」

ビタミンEは100gあたり2.1㎎ほど含まれています。ビタミンEを取ることで、女性ホルモンのバランスを整えたり、体の中の血流を良くして冷え性や肩こりを改善する効果が期待できます。また、ビタミンEにもビタミンCと同じ体の中の活性酸素を除去する働きがあり、ビタミンCと一緒にとることで、その効果を高めてくれます。

ほうれん草の栄養「βカロテン」

βカロテンは100gあたり4200μg含まれてます。βカロテンにも体の中の活性酸素を除去する働きがあります。さらに、抗菌作用もあるため風邪の予防につながります。そしてβカロテンの一部がビタミンAになり、髪の毛や目の健康、皮膚や粘膜の健康の維持につながります。また、喘息などの呼吸器の病気の予防や緩和の効果も期待できます。

ほうれん草の栄養「葉酸」

葉酸は100gあたり210μg含まれています。妊娠中は赤ちゃんのために葉酸を取ることを推奨されてますが、実は葉酸は血液を作る材料となったり、動脈硬化を防ぐためにも効果的な栄養素です。また、神経の働きをサポートするため、アルツハイマー認知症やうつ病などの精神病を予防したり、緩和する働きも期待されています。

ほうれん草の栄養「ミネラル」

ほうれん草にはカリウムやマグネシウム、マンガン、カルシウムやリンなどのミネラルも多く含まれています。カリウムには取りすぎた塩分を外に出し、血圧を下げる効果があるため、高血圧の予防や改善につながります。また、マグネシウムやマンガン、カルシウム、リンは骨や歯を強くしてくれる効果が期待できます。

ほうれん草の栄養「食物繊維」

100gあたり、2.8gの食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内を掃除して老廃物や悪玉菌を除去する働きがあるため、便秘の予防、改善につながります。

ほうれん草の栄養「シュウ酸」

シュウ酸は少し注意が必要な栄養成分であり、いわゆるアクと呼ばれている成分です。シュウ酸は鉄分の吸収を妨げてしまいます。また、生のほうれん草を1㎏以上毎日食べ続けると体の中のカルシウムと結びついて尿路結石ができたり、骨粗鬆症のリスクがあるといわれています。
さっと下茹でして調理することでほうれん草のシュウ酸を半分から7割ほど減らすことができます。

[3]ほうれん草の栄養をギュッと吸収!ゆで方や正しい調理法を伝授

ほうれん草の栄養成分をしっかりと取れる食べ方を説明します。

ほうれん草のゆで方

シュウ酸を減らし、アクを抜くために、サッと茹でることをオススメします。

茹でる場合は根元までしっかり洗い、たっぷり沸かしたお湯に塩を少々入れます。そして、ほうれん草を根本から入れ、しんなりしたら葉もいれて10秒ほど茹でます。その後、冷水につけて冷えたら絞ってカットします。
お湯で茹でる場合、茹でた後に冷水につけることアクをしっかり抜くことができ、鮮やかな緑色を保てます。

ほうれん草は油で炒めると栄養吸収率アップ

ほうれん草を油で炒めることで、ほうれん草に含まれているβカロテンの吸収率をアップすることができます。

ほうれん草は茎にも栄養がある

ほうれん草の根元のピンク色の部分にはマンガンが多く含まれているため、根元ぎりぎりまで捨てずに食べることをオススメします。ただし、根本まで食べる場合には特に無農薬や自然栽培などで育てられたものを選ぶことをおすすめします。

生で食べたい時はサラダほうれん草がおすすめ

ほうれん草の中でも生で食べられるものがあります。これがサラダほうれん草です。サラダほうれん草はシュウ酸が少ないように改良されています。そのため、生で食べてもアク抜きの必要がないのです。生で食べる際には特に無農薬、自然栽培で育てられたものを選ぶのが良いでしょう。

ほうれん草の栄養と相性の良い・悪い組み合わせの食材と効果

ほうれん草には一緒に摂ると相性の良い組み合わせ、悪い組み合わせの食材があります。

  • 相性の良い組み合わせ
  • いわしやさば、椎茸やわかめと一緒に食べることでコレステロールを低下させたり、高血圧や心筋梗塞の予防につながります。ニンジンやトマト、ピーマンや卵と一緒に食べることで目の疲労回復や白内症や緑内障の予防、ナスやじゃがいも、ブロッコリーやゴマと一緒に食べることで、血行促進やがん予防に期待できます。
    レバーや牡蠣、ハマグリと一緒に食べることで、貧血や冷え性の改善につながります。また、牛乳と一緒に食べると歯や骨を丈夫にする効果が期待できます。アーモンドや落花生、豚肉と一緒に食べることで、肌のくすみ予防や美肌に期待できます。

  • 悪い組み合わせ
  • ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉やイクラ、タラコです。これらには、発色剤が使われており、この発色剤が肉や魚介類に含まれる物質に反応して発がん性のある物質に変わる恐れがあります。

[4]管理栄養士さんによる!ほうれん草を使った栄養満点おすすめレシピ

ほうれん草の白和え

Lala Lai Laiさん(@lalalai18)がシェアした投稿

<材料>
・木綿豆腐 1丁
・ほうれん草 1/2束
・人参 1/3本
・干ししいたけ 3枚
・ミックスナッツ 1つかみ 
・だし(干ししいたけの戻し汁) 1カップ
・炒りごま 大さじ1
・練りごま 大さじ1
・西京みそ(もしくは白みそ) 大さじ1
・きび砂糖(もしくは甘麹) 大さじ1
・淡口醤油 大さじ1/2
・塩 少々

<作り方>

  1. 木綿豆腐は浄水で洗って半分にカットして、キッチンペーパーなどで包んで、重しをのせて水切りをする。
  2. 干ししいたけは水で戻し、柔らかくなったら、軸を落し、スライスする。軸もスライスする。戻し汁は後で使うので残しておく。
  3. ほうれん草は浄水で洗い、(無農薬、自然栽培などができれば良い)根元に十字の切れ込みを入れて、根本をしっかりと洗う。根元を輪ゴムで縛っておく。
  4. 人参は浄水で洗って、(無農薬でなければ)皮をむき、3㎝くらいの千切りにしておく。
  5. 鍋にお湯を沸かして、ティースプーン1杯くらいの塩を加える。そして、人参、干ししいたけ、ほうれん草の順に下茹でを行う。ほうれん草は下茹で後サッと水にさらしたら、水気を絞り3㎝くらいの長さにカットする。
  6. フライパンで、ミックスナッツと炒りごまを乾煎りして、すり鉢でお好みでする。すり鉢がない場合は袋に入れて、綿棒などでたたいて細かくしてあげても大丈夫です。
  7. フードプロセッサー(もしくはハンドブレンダーなど)で、1、干ししいたけの戻し汁、練りごま、西京みそ、きび砂糖、淡口醤油、塩を混ぜ合わせて滑らかにする。
  8. 滑らかになったら、干ししいたけ、ほうれん草、人参、炒りごま、ミックスナッツを加えてよく混ぜ合わせたらできあがり。

ほうれん草のソテー

@wansan_gohanがシェアした投稿

<材料>
・ほうれん草 1束
・ベーコン(できれば無添加のもの) 3枚
・しめじ 1パック
・コーン 30g
・にんにく 1かけ
・鷹の爪 2本
・オリーブオイル 大さじ1
・醤油 少々
・塩 少々
・ブラックペッパー 少々

<作り方>

  1. ほうれん草は根本に十字で包丁を入れて、浄水で汚れをしっかり落とす。3㎝くらいの長さにカットして(無農薬や自然栽培のものであれば根っこも使いましょう)、2~3分サッと水にさらしてざるにあげて水気を切っておく。
  2. ベーコンは2㎝くらいの幅にカットして、しめじは石づきを落してバラバラにしておく。にんにくは皮をむいて薄くスライスしておく。鷹の爪は種を取り除いて小口切りしておく。
  3. フライパンにオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を加えて弱火にかける。オリーブオイルに香りが移ったら、ベーコンを加えサッと炒める。
  4. しめじとほうれん草の茎部分、冷凍のコーンを加えて、炒める。軽く火が通ったらほうれん草の葉部分を加えて軽く炒める。
  5. ほうれん草がしんなりしてきたら、醤油、塩、ブラックペッパーを加えて、水分が飛ぶように炒めたらできあがり。

[5]ほうれん草のシュウ酸以外にも気をつけておきたい「硝酸塩」

ほうれん草にはアクの原因にもなるシュウ酸以外にも、気をつけていただきたい硝酸塩という成分が含まれています。

葉を大きく柔らかく育てる効果もあり、栽培に使用される肥料には窒素が含まれています。通常、この窒素成分が植物に取り込まれると有機態窒素、つまりアミノ酸やたんぱく質として植物の体の中で利用されます。しかし、その量が多くなってしまうと、無機態窒素である硝酸塩・硝酸イオン(硝酸態窒素)として体の中に蓄積してしまうのです。
これが私たちの体の中に入ってくると、腸内細菌により亜硝酸態窒素に変えられて悪さをすると言われています。これはソーセージやハムなどの発色剤と同じように発がん性が疑われるものです。

そのため、食べる時にはサッとボイルするか下茹でをするのはもちろん、含有量が少ない無農薬やオーガニック、自然栽培のものを選ぶことがおすすめです。有機野菜においては肥料が使われていることがあるので、この硝酸塩について考える場合は、通常の慣行農法のものと同じように考えた方が良いでしょう。
もし、赤ちゃんや幼い子どもに青菜を与えたい場合は、ほうれん草ではなく小松菜を与えることをおすすめします。

[6]ほうれん草は栄養満点な食材!上手に調理して毎日の食卓に取り入れよう

ほうれん草は栄養満点の食べ物です。また、どのような料理にも使えるので重宝したい野菜のひとつですね。ただ、シュウ酸や硝酸塩に気を付けて正しく調理し、毎日の食卓に上手に取り入れて健康を手に入れましょう。

  • 関連するキーワード