【管理栄養士監修】葛の効能に副作用があるって本当?葉から根まで全てが利用される万能植物について

「葛(くず)」と聞くと何を連想しますか?葛粉をお湯で溶かした葛や、くず餅がよく知られています。また、葛は食べるだけではなく薬としても使用され、「葛根湯(かっこんとう)」という漢方薬の名前を聞いたことがある方もいるのではないのでしょうか。今回は、この葛の効能について解説していきます。

2018年03月28日更新

免疫力と食事・サプリ

KUMI (管理栄養士)

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[1]葛とは

葛という植物はどんなもの?

葛は日本、中国、東南アジアに分布するマメ科のつる植物です。日当たりのよい山野に育ち、夏から秋にかけてきれいな紅紫の花を咲かせる「秋の七草」の一つにも数えられる植物です。

葛には薬膳効果も!薬としても使われる

葛は葉や根、つる、花全ての部分がさまざまなことに利用されます。根にはでんぷんが治療に含まれていて、それを乾燥させたものが葛粉です。これをお湯に溶かして飲むのが滋養食として親しまれている「葛湯」です。根は漢方薬に配合される「葛根(かっこん)」という生薬名でよく知られています。風邪のひき始めに飲まれる「葛根湯(かっこんとう)」が有名です。

また、花は古くから「葛花(かっか)」という花を乾燥させたものが二日酔い予防や改善に効くと、中国や日本などで知られています。このことは、日本や中国の昔の薬の本にも記されています。葛の青葉は、糖尿病の改善や傷の回復によいとされます。このように、葛は昔から薬膳として親しまれているほかにも、つるを編んでカゴを作ったり、新芽を天ぷらや塩ゆでにして食べるなど食用にもされています。

[2]葛に含まれる成分と効能

イソフラボン

  • 更年期の症状を予防・緩和する
  • イソフラボンはポリフェノールの一種で、エストロゲンという女性ホルモンと似た働きを持ちます。女性は閉経すると、エストロゲンが減少することで更年期の症状が現れる人がいます。イライラしたり気分が落ち込むことや、肩こりや頭痛など人によって症状は違いますが、更年期の症状で悩まされる人がいます。エストロゲンに似た働きを持つイソフラボンを摂取することで更年期の症状を予防・改善が期待できるのです。

  • 骨粗しょう症の予防
  • エストロゲンには、カルシウムが骨から溶け出すのを防ぐ働きがあります。女性は閉経すると、エストロゲンの分泌が減少していきます。そうなると、カルシウムが少なくなっていき、骨粗しょう症になりやくなってしまうのです。葛に含まれるイソフラボンを摂取することで、骨密度を高めて骨粗しょう症の予防が期待できます。

サポニン

  • 血流の改善効果
  • サポニンには血流を改善する働きがあります。血流が良くなることで、色々な効果があります。血流が良くなると温かい血が全身に流れるので、冷え性の改善になります。また、血流が良くなることで、血栓ができにくくなって動脈硬化の予防になります。そして、血液には酸素や栄養を全身に運ぶ役割があるので、血流を良くすることで健康を維持することが期待できるのです。

  • 肝機能を高める
  • 葛の花には肝臓の値を改善し、アルコール依存症に役立つということが近年の研究で報告されています。昔から生薬として、葛の花を煎じて飲むと二日酔いによいとされてきました。

  • ダイエット効果
  • サポニンには、脂肪の吸収を抑える働きがあります。食事をすると栄養素は体脂肪として体内に蓄えられますが、サポニンにはこの蓄積を防ぐ働きがあるので、ダイエットの効果が期待できます。

β-シトステロール

β-シトステロールは植物ステロールの一種で、コレステロールに似ています。植物油やクルミ、アボカド、ノコギリヤシ、米ぬか、大豆などに含まれています。このβ-シトステロールは化粧品や医薬品に使用されています。

  • 動脈硬化の予防
  • β-シトステロールは、腸内でコレステロールが吸収されるのを抑えてくれます。そして、腸内でほとんど吸収されないでコレステロールと一緒に排泄されるので、血中コレステロール値を下げる働きがあります。この働きの効果で、動脈硬化や高血圧などの予防が期待できます。

  • 肌に潤いを与える・ダイエット効果・免疫力を高める
  • β-シトステロールには免疫力を高める効果があります。それは、免疫に必要なナチュラルキラー細胞を活性化させる働きがあるためです。また、ホルモンの働きにも作用するので、更年期障害の改善、男性の薄毛予防にも効果が期待できます。他には、ダイエット効果や肌に潤いを与える効果も期待できるのがβ-シトステロールなのです。

[3]葛には副作用があるの?

葛には、イソフラボンが含まれていることを解説してきました。このイソフラボンは女性ホルモンと同じような働きをします。そのため、妊娠中や授乳中にはイソフラボンを多く摂取しないほうがよいと言われています。

[4]マクロビオティックでも注目!葛を摂取して体の中からキレイになろう!

マクロビオティックとは、野菜や海藻類、豆類などを中心に、健康と美容を意識した食事の摂り方のことを言います。このマクロビオティックで、葛は注目されています。血流を良くするため、身体を温める食べ物として積極的に食べるといいとされています。普段はあまり食べる機会がないかもしれませんが、葛を摂取して身体の中からキレイになりましょう!

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