免疫力の基礎

【医師監修】睡眠不足は免疫力を低下させるって本当?その影響と免疫力を高める3つのコツ

今日は日曜日だから寝だめしよう…そんなことを思った人も多いでしょう。でも、免疫力アップには寝だめはあまり意味はありません。正しい睡眠を確保することが免疫力を上げる鍵になってくれるのです。では、正しい睡眠とは一体どのようなものなのでしょうか?

【医師監修】睡眠不足は身体に悪いって本当?その影響と免疫力をアップさせる3つのコツ

2018年04月05日更新

福田敬子 先生 (精神科医)

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[1]睡眠の質を守ると免疫力が上がるって本当?

突然ですが、皆さんは何時間くらい睡眠時間を確保していますか?仕事で忙しいから全く眠れていないという人もいれば、十分すぎるほど眠っているという人もいるでしょう。実は、睡眠時間を適切に取ると免疫力をアップさせることができるといわれています。

本当に眠るだけで免疫力が上がるのでしょうか?今回は、その謎を解明してみましょう。

【医師監修】睡眠不足は身体に悪いって本当?その影響と免疫力をアップさせる3つのコツ

質のいい睡眠で病原菌から体を守ってくれるようになる

人が免疫力を一定に保つためには、自律神経を保つ必要があります。自律神経が崩れてしまうと、免疫力が低下してしまうため様々な病気にかかりやすくなってしまいます。自律神経を保つためには、良質な睡眠を取ることが大切です。

また、人の体は夜のほうが免疫力が低くなっています。これには、免疫細胞の働きが関係しています。つまり、何時間も夜中に起きていると病気にかかりやすくなってしまうので、なるべく夜はしっかり眠ることが大切です。

睡眠中は様々なホルモンが分泌される

睡眠中には様々なホルモンが分泌されます。代表的なものでいうと、成長ホルモンですね。眠っている間に成長ホルモンが分泌されるので、丈夫な身体を作りたいのであれば特に最初の90分はしっかり眠れるように工夫しましょう。

最近は、子どもの睡眠不足も指摘されています。習い事やゲームなどの普及とともに、以前よりも睡眠時間が短くなっていることは明らかです。例えば身長を伸ばしたいと思っているのであれば、規則正しい睡眠リズムを確保するようにしましょう。 

参考元:ヘルスケア大学 成長ホルモンとは?子供の身長と睡眠、成長ホルモンとの関係

[2]睡眠不足が続くと体の免疫力低下につながる?

良質な睡眠を確保すると、体の免疫力が上がることがわかりました。では、反対に睡眠不足が続いてしまうと、体の免疫力は低下してしまうのでしょうか?そこで、睡眠不足が続いてしまった場合の、体への影響力をまとめました。

睡眠障害は一種の病気で免疫が低下する恐れもある

睡眠不足はとてもつらいですよね。日中に眠くなってしまった経験がある人も多いでしょう。でも、その睡眠不足は慢性化していませんか?長引く睡眠不足は、睡眠障害という立派な病気になっている可能性もあります。

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平成23年に厚生労働省が調査したところ、成人の約21%がなんらかの睡眠障害を患っているという調査も出ています。自分は睡眠障害かもしれない…と思った人は、自分が眠りにつくまでのことを思い出してみてください。

代表的な睡眠障害の例は、以下3つあります。

  1. 入眠障害
  2. 布団に入ってもなかなか眠りにつけない症状のこと

  3. 中途覚醒や早期覚醒
  4. 眠りにはすぐにつけるものの、夜中に起きてしまったり、朝方に起きてしまったりすること

  5. 熟眠障害
  6. 眠ってはいるもののなんだかすっきりしないような症状が出ること

睡眠障害になってしまう原因は、心因的なストレスや日々の生活スタイルなどが原因だとされています。もし、少しでも睡眠障害に似た症状が出ていて困っているのであれば、一度お近くの睡眠外来で診てもらったほうがいいでしょう。

参考元:ヘルスケア大学 睡眠障害の原因とは

睡眠不足がもたらす免疫に関する悪い影響

睡眠不足は免疫力を低下させてしまう原因を作ることがわかりましたが、具体的にどのような影響を与えるのかまとめました。中には、重大な病気を引き起こしてしまうリスクも潜んでいるので、なるべく睡眠不足にならないような生活を送ることが大切です。

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  • ガンの発症リスクが高まる
  • 日本人の死因として多いのががんですが、一説にはがんは睡眠不足が原因で発症を高めてしまうリスクがあると言われています。睡眠不足が続くと強いストレスを体に与えてしまうことになります。

    また、身の回りには発がん性物質が溢れているため、免疫力を下げてしまうと、がんになってしまうリスクを高めてしまうことになりかねません。がんにならないためにも、良質な睡眠を確保することは大切です。

  • うつ病などの精神的な病を引き起こす
  • 睡眠不足が続いてしまうと、うつ病などの精神的な病を引き起こしてしまうことがあります。睡眠不足が続いてしまうと、一部の脳の働きが弱まってしまうためにストレスやうつ状態が続いてしまいます。また、うつ病になってしまうと眠りにつきにくくなります。

    眠りたくても眠れない状態が続いてしまうので、さらにストレスを受けやすくなってしまいます。メンタルヘルス的にも睡眠不足は深刻なダメージを与えてしまうのです。

  • インフルエンザにかかりやすくなる
  • インフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなってしまいます。免疫力が低下して、体の抵抗力がなくなってしまうことが原因です。インフルエンザ以外の感染症にもかかりやすい体になってしまうので、注意が必要です。

  • 肥満になりやすくなる
  • 免疫力とは関係がないことですが、睡眠不足は肥満の原因の一つでもあります。睡眠不足が続いてしまうと、レプチンやグレリンといったホルモンバランスが崩れてしまうので太りやすくなってしまうと言われています。これらのホルモンバランスが崩れることによって、食欲のコントロールが乱れてしまうことが原因です。

子どもの睡眠不足は成績悪化につながることも

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大人だけでなく子どもも睡眠不足になってしまうことがあります。すると、学校の成績が低下してしまう恐れもあります。人は、睡眠不足になってしまうと記憶力や集中力が低下します。そのことによって、勉強に身が入らなくなってしまう可能性があります。

また、イライラしやすくなり友達と喧嘩などのトラブルを発生させることにもつながってしまいます。子どもにとって睡眠とは成長期の丈夫な身体づくりの基礎となる貴重な時間でもあり、規則正しい睡眠時間の習慣をつけることがとても大切です。

[3]自分に合った睡眠時間を見つけるにはどうすればいいの?

免疫力を低下させないためには、良質な睡眠を確保することが大切だということがわかりました。では、自分に合った睡眠時間はどのようにして見つけるべきでしょうか?そこで、画期的な方法をご紹介します。余裕がある人は健康な時に挑戦してみてください。

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年齢によって自分に合った睡眠時間は異なる

よく、6時間から8時間ほどの睡眠時間を確保するべきという話がされていますが、年齢によって必要な睡眠時間は異なります。特に、年齢を重ねるごとに必要な睡眠時間は減少していく傾向があります。

10代までは8時間ほど必要だったのに対し、20代半ばでは7時間ほどで事足りるようになります。その後も60代で6時間ほどになるので、きっちり8時間眠れていないからだめだ!というわけではありません。自分が十分だと思えるような睡眠時間を確保できるようにしましょう。

まずは6時間睡眠からスタートしてみる

とはいえ、人によっては必要な睡眠時間は異なります。正確な時間が知りたいと思うのであれば、まずは6時間睡眠をしてみてください。毎日6時間眠って週末まで元気に過ごせるのであれば、6時間睡眠で十分です。

休日に入ると6時間以上眠ってしまったり、日中眠くて仕方がなかったりする場合は、睡眠時間が足りていない証拠です。次の週は7時間睡眠に、それでも足りなければその次の週に8時間睡眠に…といった様に調整してみるとよいでしょう。

ただし、風邪などで体調を崩しているときは、いつもより体が眠ることを欲しています。そのため、正確な時間を計れません。この調査を行う際は、必ず体調がよい時に行うようにしてください。

過眠も睡眠不足も免疫力にとってはNG

睡眠不足は免疫力を下げる原因の一つですが、過眠も同じくらいよくありません。眠らないよりはマシと思った人もいるかもしれませんが、ホルモンバランスや自律神経を乱してしまうため、よくありません。寝すぎていると思った人は改善してみてください。

[4]良質な睡眠で免疫力を上げるためにはどうするべき?

同じ眠るのでも、質のいい睡眠を確保したほうが免疫力アップには効果的です。では、どのようにすれば良質な睡眠が確保できるのでしょうか。様々な方法があるので、まずは自分が取り組めそうなものからチャレンジしてみてください。

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規則正しい食生活を送る

まずは3食きっちり食べるようにしてください。食事のバランスが崩れてしまうと睡眠のリズムも一緒に崩れてしまう傾向があるので、バランスよく食べるようにしましょう。また、眠る直前に食事を摂取するのもNGです。眠る3時間前には食事を終わらせておくのが理想的です。

寝る前の最低1時間はTVやスマホから離れる

TVやスマホ、PCなどからはブルーライトと呼ばれる物質が放たれています。体にもよくないのですが、ずっと浴びていると体が朝だと勘違いしてしまうので、眠りにくくなってしまいます。最低でも眠る1時間前は媒体を触らないようにしましょう。

リラックスした状態になるとより眠りやすくなりますので、アロマや眠りにつきやすい音楽など、自分に適したものを見つけてみましょう。

起床時間を毎日同じにする

良質な睡眠の確保には、体内時計を正常に保つことがポイントです。そのためには、眠る時間の多少のズレは構わないのですが、毎日同じ時間に起きることが大切です。毎日バラバラだという人は一定の時間に保てるように努力してみてください。
起きた直後に太陽光を浴びることは体内時計をリセットする働きがありますので、起きてすぐにカーテンを開けてみてくださいね。

その他にも良質な睡眠をとるポイントはいくつかあります。気になる方は、睡眠とだるの関係性についての記事も参考にしてください。

[5]良質な睡眠で免疫力をアップさせよう

良質な睡眠を確保することが免疫力アップにつながります。よく体調を崩すという人は、まずは自分の睡眠について一度考え直してみませんか?しっかり眠って免疫力を上げましょう。

参考元:厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針 2014

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