LPS(リポ多糖)で腸内フローラも活発に!便秘改善や免疫力向上にも繋がるその驚くべき効果とは

腸には非常に多くの細菌が存在しており、その様相を腸内フローラと言います。LPSで腸内フローラの状態を良くすれば免疫力アップが期待できますが、そのメカニズムとはどのようなものなのでしょうか。LPSと腸内フローラの関係について詳しく解説していきます。

2018年03月20日更新

免疫ビタミンLPS

M.I (看護師)

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[1]健康を維持してくれる「腸内フローラ」とLPS(リポ多糖)の関係

「腸内フローラ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。「腸内」と名前についているのでなんとなく健康に関わることはイメージできるかもしれません。腸内フローラは、腸の健康だけでなく、人間がもつ免疫力にも関係しています。

腸内フローラとは

人間の腸の中には非常に多くの数の細菌が住んでいます。このように腸の中に住み着いている細菌は「腸内細菌」と呼ばれます。腸内細菌の種類はおよそ500~1000種類、細菌の個数では100兆個以上というから驚きです。そんなにもの大量の細菌が、私たちの腸には存在しているのです。(腸内フローラの種類は、ヒトそれぞれ異なります。そして、腸内フローラの状態は、その時々の生活習慣や年齢、ストレスなどによっても影響を受け変化していきます。)

腸内細菌は、特に小腸の終わり部分から大腸にかけてびっしりと種類ごとにまとまって腸内の壁面に生息しています。そのびっしりと壁面を埋め尽くしている様がお花畑(フローラ)のように見えるということから、腸内の細菌の様相を「腸内フローラ」と呼ぶようになりました。

腸内フローラの細菌のタイプ

腸内フローラ、つまり腸内に生息している細菌の種類は500~1000種類とされていますが、それらは大きく3つのタイプに分類されます。

  • 善玉菌

  • 悪玉菌の増殖を抑えたり腸の動きを促したりしてお腹を快調にしてくれる菌です。具体的な菌の種類としては、一般的に乳酸菌と呼ばれるビフィズス菌やフェーカリス菌、アシドフィルス菌などが挙げられます。

  • 悪玉菌

  • 腸内で有害物質をつくり出し、体に悪影響を与える菌です。大腸がんの原因物質や悪臭のもととなるガスなどもつくり出します。具体的な菌の種類としては、ウェルシュ菌、ブドウ球菌などが挙げられます。これら悪玉菌が腸の中に増殖すると便秘や下痢が引き起こされることがあります。

    日和見菌


    善玉菌にも悪玉菌にも属さない菌です。そのときの善玉菌と悪玉菌の「優勢な方」に味方して作用します。体調が崩れた時には悪玉菌として働く菌です。具体的な菌の種類は、大腸菌、バクテロイデス等があげられます。

腸内フローラの理想的なバランス

善玉菌、悪玉菌、日和見菌が混在する腸内細菌は、その細菌の量のバランスがとても重要です。腸内フローラの理想的なバランスとされているのが、善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1、という配分です。
悪玉菌が増殖して優勢になると、ガスや毒素などの有害物質が発生します。有害物質は便秘や下痢といったお腹の不調の原因となります。また、それだけでなく、有害物質が腸管から吸収されると肝臓や腎臓、心臓など内臓に負担がかかり、がんの原因となってしまうこともあります。

健康を守るためにも常に最適なバランスに保っておきたい腸内フローラですが、加齢や食生活の乱れ、ストレスなどによってバランスが崩れてしまいます。腸内フローラを整え健康な生活を送るには、毎日の生活習慣に気をつける必要があるので

[2]腸内フローラのバランスは免疫力に影響する

免疫力は、私たちの体内に侵入したウイルスや細菌、体内に発生したがん細胞などを攻撃して除去し、体を病気から守ってくれる力のことを言います。免疫力が正常に機能しているおかげで、私たちは元気で健康的な生活を過ごせるのです。
この免疫力を担っているのが、NK細胞やマクロファージなどの「免疫細胞」と呼ばれる細胞です。NK細胞、別名ナチュラルキラー細胞は、その名の通り殺し屋の役割をもち、ウイルスやがん細胞を発見し次第、即攻撃して除去します。マクロファージも体内に侵入したウイルスや細菌を捕食して除去する働きがあるほか、他の免疫細胞に異物の情報を提示して働きを促す作用を持ちます。
このように免疫細胞はそれぞれが役割を持ち、連携して異物を発見・除去しています。そして、これら免疫細胞の6割~7割が存在する場所が腸です。免疫機能を担う免疫細胞のほとんどが腸に集まっているため、腸内フローラの悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなると免疫細胞の活動も弱まり、免疫力が低下しやすくなるのです。逆に、善玉菌が優勢となったベストな環境の腸であれば、免疫細胞も活性化し免疫力が高まります。

[3] LPS(リポ多糖)の摂取で腸内フローラも健全に!

免疫ビタミンとも呼ばれるLPS。LPSも免疫力を高める働きをもっていますが、腸内フローラとどのような関係があるのでしょうか。

腸内フローラにはもともとLPS(リポ多糖)が存在している

免疫力向上に役立つとされるLPSは、植物に共生するパントエア菌というグラム陰性菌に付着しています。そのため、野菜や果物、穀物などの植物性食品を積極的にとり、LPSを十分摂取することが勧められています。しかし、実は腸内細菌が集まる腸内フローラには多くのグラム陰性菌が含まれており、そこからもLPSは供給されているのです。

LPS(リポ多糖)を食べ物から摂取することも重要

LPSが付着するグラム陰性菌が腸内フローラにもともと存在していたとなると、わざわざLPSを食べ物から摂取する必要がないのでは?とも思えますよね。しかし、口からLPSを取り込むことにより、口から小腸までの消化管粘膜で免疫が活性化するのです。また、野菜や果物といった植物性食品には食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維には、悪玉菌を減少させて腸内の有害物質を減らし、腸内環境の改善に役立つことが研究により明らかとなっています。

[4] LPS(リポ多糖)は腸のぜん動運動にも作用する

腸が縮んだり緩んだりといった動きを繰り返すことで、消化された食べ物は腸の中を移動し最終的に便として排出されます。この腸の動きは腸のぜん動運動と呼ばれます。腸のぜん動運動が弱まると、腸の中の消化された食べ物がスムーズに運ばれず、便秘の原因となります。この腸のぜん動運動にも、LPSは関係していると考えられています。

近年、腸のぜん動運動は腸を取り巻く筋肉に存在する「筋肉マクロファージ」が制御している、という研究結果が発表されました。そして、この筋肉マクロファージを活性化させているのがLPSです。LPSが腸管神経に作用すると、腸管神経の細胞が筋肉マクロファージを活性化させる物質を分泌します。実際に、マウスを使った動物実験では、腸内細菌が極度に少ないマウスを用意し、腸のぜん動運動が弱まっていることを確認した後にLPSを投与しました。その結果、ぜん動運動の障害が回復したことが確認できたのです。
腸のぜん動運動がスムーズになると、その動きにのって腸内細菌も腸の中を動き回りやすくなります。腸内フローラの動きも活発になり、その結果免疫力の向上につながります。

[5]腸内フローラを活発にするLPS(リポ多糖)を積極的に摂取しよう

LPSは腸のぜん動運動を活発にして免疫力向上に役立つほか、便秘改善の効果も期待できることがわかりました。健康のためにも積極的に摂取したいですね。LPSは、野菜、果物などの植物性食品に多く含まれていますが、農薬を使って育てられた植物性食品の場合、グラム陰性菌が農薬によって除去されてしまうためLPSの量は減少してしまいます。できるだけ無農薬栽培のものを選んで食べるようにしましょう。
今話題のカスピ海ヨーグルトやお酢などにもLPSが含まれています。意外と身近な食品にLPSは含まれているので、毎日の食事、献立に意識して取り入れましょう。

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