免疫ビタミンLPS

【管理栄養士監修】LPSと乳酸菌の同時摂取で免疫力アップ!効果的な食べ物7個と食べ方のコツ

LPSと乳酸菌にはそれぞれ免疫力を高める作用があり、免疫力が低下傾向にある現代人は積極的な摂取が勧められます。ここでは、LPS・乳酸菌を含む食べ物や、食べ方のコツを紹介します。LPSと乳酸菌は個別に摂取しても免疫力アップが期待できますが、併せてとるとさらにすごい力を発揮します。

2018年06月12日更新

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1] LPSと乳酸菌のすごい相乗効果

ヨーグルトなどの乳製品に含まれることで知られている乳酸菌。わざわざ「乳酸菌入り」をアピールしている製品などもあり、なんとなく体によいというイメージはみなさんも持っているでしょう。実は乳酸菌には、免疫ビタミンLPSに関係する健康効果が期待できるのです。

LPS(リポ多糖)は免疫細胞マクロファージを活性化する

私たちが健康に生きていくうえで免疫力は欠かすことのできない存在です。免疫力はもともと体に備わっている力ですが、ストレスや加齢などでその力は弱まってしまいます。免疫力が弱まると、体に入ったウイルス・細菌や体の中に発生したがん細胞を適切に除去できなくなり、感染症やがんのリスクが高まります。
そんな重要な役割をもつ免疫力を高めてくれるのが「LPS(正式名:リポポリサッカライド)」。植物と共生するグラム陰する物質で免疫ビタミンとも呼ばれています。LPSは免疫細胞の中で最初に反応し異物を攻撃する「マクロファージ」に作用し、活性化させる働きをもっています。野菜や海藻など植物性食品に多く含まれており、免疫力向上のためにLPSを摂取することが勧められています。

LPSと同様に腸内環境を整え免疫力を高める乳酸菌

LPSと同じく免疫力を高めるとされているのが乳酸菌です。乳酸菌はグラム陰性菌ではなくグラム陽性菌に属しますが、その細胞壁の主要物質であるペプチドグリカンに免疫力を高める作用があります。
また、乳酸菌は腸内環境を整えることで免疫力向上に役立ちます。

私たちの腸内には数百種類の細菌が住み着いています。腸内に生息する細菌は大きく「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3タイプに分けられます。理想的な細菌のバランスは善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7と言われており、悪玉菌が増加しすぎると腸内環境が悪化しさまざまな体調不良を招きます。そして、免疫力も腸内環境に左右されるもののひとつ。免疫力を担う免疫細胞の多くは腸に存在するため、腸内環境が悪化すると免疫細胞の機能が低下し、免疫力も弱まってしまうのです。
乳酸菌は、体に良い働きをする「善玉菌」の一種。腸の中で乳酸や酢酸をつくり出し、悪玉菌の増殖や定着を抑えます。その結果、腸内環境も整い、免疫力向上につながるのです。
このことについて更に詳しく知りたい方は、LPSと腸内フローラについての記事も参考にしてくださいね。

[2] LPS(リポ多糖)と乳酸菌がとれる5つの食品

免疫力向上に役立つことがわかったLPSと乳酸菌ですが、具体的にどのような食べ物に含まれているのでしょうか。LPSと乳酸菌がとれる食べ物の例をそれぞれ紹介します。

LPS(リポ多糖)がとれる食品例

  • 野菜・果物

  • LPSは植物と共生するグラム陰性菌に付着しているので、多くの植物にLPSは存在します。そのため、野菜や果物などの植物性食品をとることでLPSを摂取することができます。
    野菜の中では特にレンコンが含有量が高く、節や皮の部分に多く存在しています。ただ、野菜や果物でも、農薬を使って栽培されているものはあまりおすすめできません。農薬によってグラム陰性菌が除去され、LPSの量が減少している可能性があるからです。野菜や果物からLPSをとるときは、できるだけ自然のままに栽培されたものを選ぶとよいでしょう。

  • 玄米・金芽米
  • お米も植物性食品なのでLPSが含まれています。玄米は白米がぬかに包まれた状態のものですが、LPSが含まれるのは、このぬかと白米の間にある亜湖粉層という部分です。亜湖粉層は玄米が白米に精米される際に剥ぎ取られてしまいます。そのため、白米にはそれほどLPSが多くありません。LPSを摂取するのであれば玄米雑穀米の方が効率的です。
    玄米や雑穀米の食感が苦手…という人には、「金芽米」がおすすめです。金芽米は、白米の方に亜湖粉層が残るよう特殊な方法で精米されたお米です。白米と味も食感も変わらずLPSもしっかり摂取できるということで、近年注目されています。

乳酸菌がとれる食品例

  • ヨーグルト

  • 一般的なヨーグルトは乳を乳酸菌で発酵させたものです。日本の省令では「はっ酵乳」に分類され、乳酸菌の数は1mlあたり1000万個以上と定義されています。ハードヨーグルト、ソフトヨーグルト、飲むヨーグルト、フローズンヨーグルトなどさまざまなタイプのものが売られています。このことについて更に詳しく知りたい方は、ヨーグルトと免疫力の記事も参考にしてください。

  • ナチュラルチーズ

  • チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられます。生きた乳酸菌を含んでいるのはナチュラルチーズ。ナチュラルチーズは、乳などを乳酸菌や凝乳酵素で固めてつくられています。

  • 味噌・しょうゆ

  • 味噌やしょうゆは、その原料となる大豆に麹や塩を混ぜたものを乳酸菌で発酵させることでできあがります。一般的に販売されている味噌やしょうゆは、商品として出荷する前に殺菌するものが多く乳酸菌がほとんど残っていないものも多いです。しかし、中には生きた乳酸菌にこだわった味噌やしょうゆも売られています。

[3]LPS(リポ多糖)と乳酸菌は一緒にとるのが理想なのはなぜ?

LPSにも乳酸菌にも免疫力向上効果があるのであれば、どちらか片方をとっていれば良いのでは?と思いますよね。確かにどちらか片方だけでも免疫力向上は期待できますが、できれば一緒にとるのが理想的とされています。

LPS(リポ多糖)と乳酸菌の同時摂取で相乗効果が生まれる

植物性食品などに含まれるLPSと、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌。このふたつを同時にとることで強い相乗効果が生まれることが研究によって明らかとなっています。
研究では、LPSと乳酸菌をある比重で混ぜ、同時に作用させました。すると、IL-12という細胞性免疫が誘導され、免疫細胞であるマクロファージやNK細胞の活性を高めるサイトカンという物質の産生が顕著に高まったのです。この細胞性免疫IL-12は、がんやウイルス感染症の治癒にも重要となるもの。LPSをとるときは乳酸菌も一緒にとる、ということを常に意識しておきたいものです。

LPS(リポ多糖)と乳酸菌が同時にとれる理想的な食品2つ

  • カスピ海ヨーグルト

  • 乳酸菌が含まれる食品としてヨーグルトを紹介しました。ただ、一般的なヨーグルトには、乳酸菌は含まれていますがLPSは含まれていません。そのため、相乗効果を期待するのであれば、一般的なヨーグルトと一緒に野菜や果物などの植物性食品を食べる、ということになります。
    しかし、実はヨーグルトの中には乳酸菌とLPSを両方含むタイプのものも存在します。それが、「カスピ海ヨーグルト」と呼ばれるもの。カスピ海ヨーグルトはクレモリス菌乳酸菌と酢酸菌を混ぜ合わせてつくられますが、この酢酸菌はグラム陰性菌に属する菌でLPSを含んでいます。

    このことについて、さらに詳しく知りたい方はカスピ海ヨーグルトの効果の記事も参考にしてくださいね。

  • 発酵ライ麦パン

  • もともと北欧やロシアなどで広く親しまれている発酵ライ麦パン。近年は日本でも健康志向の人たちに注目されています。
    発酵ライ麦パンをつくる際には、グラム陰性菌であるパントエア菌が使われます。パントエア菌に付着したLPSも当然ライ麦パンに含まれるというわけです。また、発酵ライ麦パンを発酵させる際にはイースト菌とともに乳酸菌も用いられるため、LPSにプラスして乳酸菌も摂取できるのです。

    この他にもLPSが多く含まれている食品はたくさんあります。このことについて更に詳しく知りたい方は、管理栄養士さん監修のLPSが多く含まれる食品の記事も参考にしてください。

[4]LPSと乳酸菌を積極的に摂取して健康な体づくりを

現代人はストレスや睡眠不足、運動不足などから免疫力が弱まっていると言われています。最近の子どもにアレルギーが多いのも、免疫力低下の影響とも考えられます。ストレス発散や運動不足解消は今日からすぐに、というのは難しいかもしれませんが、食事を少し工夫することなら今日からでも始められます。まずはLPSや乳酸菌を含む食べ物を積極的に摂取することから始めてみましょう。

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