LPSが多い食品5つ!管理栄養士監修による免疫力アップが期待できる食材を厳選

免疫細胞に作用して免疫力を高める「LPS」。聞きなれない名前ですが、私たちが普段食べている食品からも摂取することができます。LPSを十分に摂取することは感染症・がん予防にも役立ちます。LPSを多く含む食品を知り、積極的に毎日の献立に取り入れましょう。

LPS(リポ多糖)が多く含まれる食品とは?

2018年02月06日更新

免疫ビタミンLPS

亀崎智子 (管理栄養士)

  • fb
  • line

[1]LPS(リポポリサッカライド)を食品で摂るべき理由

LPS(正式名称:リポポリサッカライド)は免疫ビタミンとも呼ばれる、私たちの健康の維持に大きく役立つ物質です。身近な食品にも含まれており、LPSの食品からの摂取が勧められています。

LPS(リポポリサッカライド)が免疫力向上に役立つ

LPSは、免疫細胞のひとつであるマクロファージを活性化する作用を持ち、免疫力の向上に役立つとされています。免疫力とは、もともと私たちの体に備わる、細菌やウイルスから体を守る力のことを言います。

健康に欠かせない免疫力ですが、加齢やストレスなどでその力は低下します。免疫力が低下するとウイルスや細菌、がん細胞などを適切に除去できなくなり、感染症やがんの発症率が高まります。

LPS(リポポリサッカライド)の自然摂取量が低下傾向に!LPSを食品から摂取することが大切

LPSは、植物などに共生するグラム陰性菌「パントエア菌」という菌の細胞膜表面に付着しています。そのため、森林や土壌などの自然があるところにはLPSが広く存在しています。そして、植物や土壌に存在するLPSは、風にのって空気中を漂います。ひと昔前の日本は森や林が街の中にあり、このような空気中のLPSを呼吸から自然に摂取していたものでした。

しかし、森林伐採などにより生活環境の中に植物が減ったことで、自然に摂取できるLPS量は減ってきていると言われています。ただでさえ、現代人はストレスや寝不足、運動不足などで免疫力が低下していると考えられます。免疫力低下を防ぎ、健康的な生活を過ごすためにも、食品からのLPSが重要となってくるのです。

[2]LPSが多く含まれる食品【野菜・果物】

LPS(リポポリサッカライド)は野菜・果物などの植物性食品に豊富

LPSは、植物と共生するパントエア菌という菌に存在しているため、多くの植物にはLPSが付着していると言えます。植物性食品である野菜や果物をとることで、それらに付着したLPSを摂取することができます。

ジャガイモやサツマイモなどのイモ類、ほうれん草やキャベツなどの葉物野菜、ニンジン、大根などの根菜類といったものにLPSが含まれていますが、特にレンコンの節や皮の部分にはLPSが多く付着しています。

LPS(リポポリサッカライド)を意識して野菜・果物などの食品をとるときのポイント

近年は、健康のためには無農薬野菜がよいとされていますが、「LPSを多く摂取する」という面でも、農薬を使った野菜はあまりおすすめできません。農薬によって植物の共生細菌が減り、摂取できるLPSの量も少なくなってしまうからです。できるだけ自然な状態で栽培された野菜・果物の方がLPSを多く摂取することができます。

また、LPSは特に皮の部分に多く含まれているので、食べる際はよく洗い、皮ごと食べるのがおすすめです。そして、LPSは加熱しても栄養素が壊れることはないので加熱調理はしても大丈夫です。

[3]LPS(リポポリサッカライド)が多く含まれる食品【海藻類】

ワカメやメカブ、コンブ、ひじきなどの海藻類にも多くのLPSが含まれています。海藻類は、地上で栽培される野菜や果物と違って農薬の影響を受けにくいため、より多くのLPSを摂取できるのではと考えられます。

もともと海藻は食物繊維が豊富で、免疫細胞が集まる腸をきれいにし、免疫機能の向上に役立つとされている食べ物。お味噌汁に入れたり、サラダにしたり、炊き込みご飯にしたりと、レシピも豊富な食材です。毎日の食事にぜひ取り入れましょう。海藻の中でも特にメカブに1番豊富に含まれています。

[4]LPS(リポポリサッカライド)が多く含まれる食品【玄米・金芽米】

白米はそれほどLPSが多く含まれていない食品

お米も食用植物なので、LPSが付着しています。ただ、白米の場合はLPSの量はそれほど多くありません。お米は玄米から精米されて白米となります。玄米は、白米がぬかに包まれた状態のもの。

白米とぬかの間には「亜湖粉層」という非常に薄い膜があり、この亜湖粉層にLPSが存在しているのですが、通常、玄米が精米される際に亜湖粉層は剥ぎ取られてしまうのです。そのため、白米は玄米に比べLPSの量が大きく低減してしまいます。そのため、LPSには玄米や雑穀米がよいとされています。

LPS(リポポリサッカライド)を豊富に残した画期的な食品「金芽米」

LPSが残されているのは玄米や雑穀米ですが、やはり現代の日本人は「食べ慣れている白米の方が美味しい」と感じる人が多いようです。ただ、白米が美味しいとはいえ、せっかくの免疫活性物質が剥ぎ取られてしまうなんてもったいないですよね。そこで開発されたのが「金芽米」です。

金芽米は、通常精米の際に剥ぎ取られてしまっていた亜湖粉層を白米に残すように精米された画期的なお米です。見た目も食感も白米とほとんど変わらないにも関わらず、LPSはしっかり残されているのが特徴です。金芽米がマクロファージの働きを強化させることはマウスを使った実験でも明らかとなっています。

さらに、金芽米はLPSだけでなく、日本人が不足しがちなミネラルやビタミンも豊富です。精米された白米に比べ、なんとミネラル類は約3倍、ビタミンEは4.5倍、ビタミンB1は2.9倍、食物繊維は1.6倍も含まれています。玄米の食感が苦手、という人は金芽米で免疫力向上を図ってみてはいかがでしょうか。

[5] LPS(リポポリサッカライド)が多く含まれる食品【カスピ海ヨーグルト】

ヨーグルトはもともと健康食品として知られていますが、最近では「カスピ海ヨーグルト」と呼ばれるものが注目されています。ヨーグルトはさまざまな乳酸菌を使ってつくられます。カスピ海ヨーグルトの場合、通常のヨーグルトでは使用されないクレモリス菌という乳酸菌と酢酸菌を混ぜ合わせてつくられているのが特徴です。一般的なヨーグルトに使われる乳酸菌にはLPSが存在しませんが、カスピ海ヨーグルトに使用される酢酸菌にはLPSが存在し、マクロファージの活性化に役立ちます。

また、LPSは乳酸菌と一緒にとることで強い相乗効果を示すことがわかっています。LPSと乳酸菌を一定の比重でとると、IL-12という細胞性免疫が誘導され、マクロファージやNK細胞といった免疫細胞を活性化する、サイトカンと呼ばれる物質の産生量が高まることが研究で明らかとなっています。LPSと乳酸菌が一緒にとれるカスピ海ヨーグルトは、まさに理想的な食品と言えるでしょう。

このことについて、さらに詳しく知りたい方はカスピ海ヨーグルトの効果の記事も参考にしてくださいね。

[6] LPS(リポポリサッカライド)が多く含まれる食品【発酵ライ麦パン】

LPSと乳酸菌を一緒にとることができる食品は、カスピ海ヨーグルトのほかにもあります。たとえば、近年の健康ブームで人気が高まっている発酵ライ麦パンもそのひとつ。発酵ライ麦パンをつくる際には、LPSを含むグラム陰性菌であるパントエア菌が使用されます。ほかのパンはイースト菌を使ってつくられますが、発酵ライ麦パンはイースト菌とともに乳酸菌を発酵させてつくられます。つまり、発酵ライ麦パンにはパントエア菌由来のLPSと乳酸菌が両方含まれているというわけです。

また、発酵ライ麦パンをつくる過程でパン生地のもとを発酵させる際、パントエア菌や乳酸菌が増殖するのですが、そのときに水溶性ビタミンの一種である葉酸も産生されます。葉酸は造血ビタミンとも呼ばれ、貧血予防などに役立つ成分です。

健康的な体づくりに最適な発酵ライ麦パン。パンを好んで食べているご家庭は、普段のパンを発酵ライ麦パンに切り替えてみるのもおすすめです。

[7]LPS(リポポリサッカライド)を含む食品を身近に摂りいれて免疫力アップ

LPSが多く含まれる食品をご紹介しましたが、意外と身近な食べ物も多く驚いた方もいるのではないでしょうか。野菜や海藻などは献立にもよく取り入れられる食材で、メニューに加えるのは難しくありません。しかし、近年はパンやインスタント食品など手軽なもので食事を済ませてしまう人も増えています。

LPSを十分に摂取するには、やはり少しでも食事内容を意識することが大切です。カスピ海ヨーグルトや金芽米などは、意識しないとなかなかとる機会が無いものです。毎日の健康のためにもぜひ積極的に取り入れてみてください。また、管理栄養士さんによる免疫力アップが期待できるお手軽レシピの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。

関連するキーワード