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【管理栄養士監修】酢の効果がどのくらいすごいか知ってる?その作り方と驚きの健康効果について

昔から酢は身体にいいと言われていましたが、実際にどんな効果があるのか詳しく知っていますか?酢は健康に良いだけではなく、料理や洗濯、掃除にまですごい効果を発揮します。そんな酢についてどんな種類があるのか、どんな効能があるのか解説していきたいと思います。

2017年11月27日更新

亀崎智子 (管理栄養士)

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[1]酢とはどんなもの?

酢は糖質を含む食材を原料にして、アルコール発酵させた後に酢酸発酵させた調味料のことをいいます。主成分は酢酸(さくさん)となります。お酢は、酸味が特徴の穀物酢、まろやかな酸味がする米酢、コクのある米黒酢、フルーティな酸味がするリンゴ酢など、原料別に沢山の種類があります。それぞれの原料によって、味や風味が違うのが特徴です。

世界中で愛される酢

お酢の造り方は、4~5世紀頃に中国から伝わってきたといわれています。稲作文化のある日本の伝統的なお酢は、米から造るお酒を原料にした米酢です。お酢は糖分を含む原料であれば造ることができるので、世界にも日本と同じように土地の気候や風土に合わせた原料を使って造ったお酢があります。イギリスの麦芽酢や韓国の麦酢、果物を使ったワインビネガーやアップルビネガーなど、はちみつを原料にしたものなどもあります。

酢の始まり

酢が世界の文献に初めて出てくるのは、のちにバビロニアと言われる地域で紀元前5000年頃だといわれています。その頃の酢は、ナツメヤシや干しぶどうを使って作っていました。今から約4000年前の紀元前2000年頃には、ピクルスを作る文化があったのです。そして、紀元前4世紀、ヒポクラテスが酢の抗菌作用に気づき、呼吸器の病気や皮膚病の治療に酢を使っていたそうです。

また、中耳炎や咳止めとして酢を使っていたという記録も残っています。中世のヨーロッパでは、土地の作物を使っていろいろな酢を作るようになっていきました。イタリアではブドウの実を煮込み、10年以上熟成させるバルサミコが作られていました。それから14世紀頃のヨーロッパでは、野菜と油を混ぜて酢と塩をかけて食べる、現在のサラダのような食べ方が始まりました。

酢の種類は大きく2種類

お酢は食品表示基準によると、「合成酢」「醸造酢」の二種類とされています。「醸造酢」は原料によってさらに分類されます。家庭用に使われているお酢は、ほとんどが醸造酢と呼ばれているものなのです。

  • 人工的に作られた「合成酢」
  • 氷酢酸や酢酸を水で薄めて砂糖や酸味量、うま味調味料などを加え人工的に造った酢のことです。最近はほとんど見かけなくなりましたが、物が不足していた時代に出回っていました。

  • 穀物や果物から作られた「醸造酢」
  • 氷酢、酢酸を使っていないもので、穀物、果実、野菜などの農産物、ハチミツ、砂糖、アルコールなどを原料にして酢酸発酵をさせた調味料のことを醸造酢といいます。そして醸造酢は原料によって分類されています。

■穀物酢
原材料として、1種あるいは2種以上の穀類を使用した醸造酢のことです。穀類は醸造酢1リットルにつき、40グラム以上のものです。

<米酢>
醸造酢1リットルあたり40グラム以上の米を使って造られた酢のことです。米が40グラム未満のものを穀物酢といいます。まろやかな風味で、寿司や酢の物に使用されます。

醸造用のアルコールを混ぜたものは酸味が強い米酢になり、米のみで造った酢は「純米酢」と呼ばれ、米本来のうまみやまろやかさを味わうことができます。純米酢は、醸造酢1リットルに米が210グラムが必要です。

<黒酢>
黒酢の原料は米(精白されていないもの)、または米(精白されていないもの)に小麦か大麦を加えたものです。黒酢は醸造酢1リットルにつき、180グラムの米を使用しています。

「米黒酢」と呼ばれるものは、発酵や熟成によって褐色や黒褐色になったものです。また、「大麦黒酢」と呼ばれるものは、大麦のみを180グラム以上使って発酵・熟成させて褐色・黒褐色になったものを言います。

<その他の穀物酢>
麦や米、トウモロコシなどの原料で作られる、米酢・米黒酢・大麦黒酢以外の酢は穀物酢といわれます。米酢などに対して価格が安く、さっぱりしています。

■果実酢
醸造酢のうち、1種あるいは2種以上の果実を使ったものです。果実の搾り汁が1リットルにつき、300グラム以上のものをいいます。代表的な果実酢は、りんご酢・ブドウ酢があります。果実酢はクセがなく調味料だけでなく、飲む酢としても売られています。

酢の作り方を知ろう!

原料によって作り方が異なりますが、ここでは「純米酢」の作り方をご紹介いたします。

  • アルコール発酵
  • 蒸したお米に米麹と水を加えると、米のデンプンが糖に変わります。それに酵母を加え、発酵することで糖がアルコールに変わります。

  • 酢酸発酵
  • このアルコールに「純米酢」を混ぜて加温します。酢酸菌により発酵が進みアルコールが酢酸に変わるのです。

  • 熟成
  • 1~2ヶ月ほどじっくり寝かせて熟成させることでお酢の味が整います。

  • ろ過・殺菌・瓶詰め
  • ろ過、殺菌を行って瓶に詰められて出来上がりです。

[2]酢の健康効果

酢が与える健康効果について

  • クエン酸とアミノ酸で疲労回復
  • 酢に含まれるクエン酸とアミノ酸は、体の疲れを回復させてくれる働きがあるといわれています。疲労は活性酸素により細胞が酸化され、ダメージを受けているために修復が必要な状態であることをいいます。その修復のためには、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギー源が必要です。このエネルギーを活性化させるために、クエン酸が役に立っていると考えられているのです。

    また、酢に含まれているアミノ酸は体を作ります。血液になったり、ホルモンや抗体となり身体を守る役割を担っています。このように、酢を摂取することで疲労からの回復や身体を守る働きをしてくれる効果が期待できるのです。

  • 善玉菌で腸内環境を整える
  • 酢の中でもりんご酢は製造過程で発酵させているため、その中には善玉菌を多く含んでいます。善玉菌は腸内環境を改善させる働きがあります。腸内の環境が改善されると免疫力の向上にもつながります。りんご酢を摂ることで、腸内環境が改善されることが期待されます。

  • 血糖値の上昇を抑える
  • 酢酸を主成分とする酢ですが、酢を使った料理を食べると胃から腸への移動の時間が通常より長くかかるといわれており、食後の血糖値の上昇を防げると期待されています。他にも、二糖類を分解する酵素の働きを抑えたりブドウ糖の分解を抑えたりもしてくれるので、血糖値の上昇を抑えるのに効果が期待できるのです。

    酢を摂る時の注意点

  • 冷え性の人は摂りすぎに注意
  • 黒酢には身体を冷やすという性質があります。冷え性の方が過剰に摂取することや冷たい黒酢を一気に飲むことはよくないので、気をつけましょう。

  • 胃が弱い人は飲み過ぎと濃度に注意
  • 酢には「そのまま飲むタイプ」「薄めて飲むタイプ」のものがあります。薄めるタイプは商品によって薄め方が違いますので、説明書をよく確認して記載されている通りに薄めてください。間違えて濃いものを飲んでしまうと、酸の影響で胃や口の中の粘膜が荒れてしまうことがあるので気をつけましょう。

    また、子どもや胃腸が弱い人には飲む酢が胃腸に負担を与えてしまう場合があります。試す時は、説明書に書いてあるよりも薄くして飲んでみるのをおすすめします。

  • 就寝前の飲み方に注意
  • 濃い酢は歯にもよくない影響を与えます、酸が歯に長時間付着することで、エナメル質が溶けてしまい、薄くなることが原因だと考えられています。また、寝る前に酢を飲んで寝てしまうことは避けましょう。酢が歯に接触する時間をなるべく短くすることが必要ですので、ストローを使う飲み方をするのがいいかもしれません。

[3]酢のすごい力

防腐・抗菌効果がある

酢は昔から食材を腐らせないために使われてきました。魚を酢でしめる、酢の高い殺菌効果は科学的にも実証されています。そして、O157やサルモネラ菌などに対する抗菌効果も確認されています。食中毒予防に酢が効果的だといわれています。

参考元:感染症学雑誌 腸管出血性大腸菌O157:H7をはじめとする食中毒に対する食酢の抗菌作用(その1)静菌作用および殺菌作用

減塩・カルシウムの吸収をサポートする

料理に酢を使用することで、塩分の過剰摂取を抑えることができます。健康のために塩を控えるようにすることにも、酢を積極的に取り入れることがよいとされます。また、酢にはカルシウムの吸収を助ける効果があるので、酢を一緒に摂ることで吸収率の悪いカルシウムが効率的に摂れます。

食欲を増進させる効果がある

酢の主成分である酢酸には、胃液や唾液の分泌を促進させる効果があります。そして、胃の働きをよくする消化酵素の働きを活発にする働きがあるため、食欲を増進させる効果があると期待されます。食欲増進で太ってしまうと心配しないでください。酢は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあるので、便秘の改善になりお腹をすっきりさせる効果が期待できるのです。

魚の臭みを取り、肉を柔らかくする

酢は料理の下ごしらえにも使われることがあります。肉を柔らかくするために使うのは、酢を加えることで肉のタンパク分解酵素が働くからです。また、魚の生臭さをとる効果もあります。魚を酢に浸すことで臭みが取れるので試してみてください。

掃除や洗濯にも使える

掃除をする時にも酢を使うことができます。掃除の時に使うのは、旨味成分が入っている穀物酢や米酢は不向きです。アルコールから作られたホワイトビネガーを使いましょう。キッチンやお風呂の水回りのぬめりなどを拭いて落とします。また、酢はカビ対策に使うことができます。まな板を酢で拭くと食中毒予防にもなります。

[4]効果的に酢を取り入れて健康を意識しよう

酢が身体にいいとは昔からいわれていました。疲労回復や腸内環境を整えるという効果が期待できる酢を、普段から食事の中に取り入れてみてはどうでしょうか。最近では飲む酢も売られていて、水で薄めて飲むタイプのものやそのまま飲むタイプのものがあります。果物や野菜を材料とした酢なので、比較的飲みやすくなっています。健康のために意識して酢を摂るようにしましょう。

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