LPSがアトピー性皮膚炎の改善に役立つ!かゆみや湿疹緩和に期待できる免疫ビタミンとは

近年その患者数が増加しているアトピー性皮膚炎。そのアトピー性皮膚炎の改善に役立つとされているのが免疫ビタミンとも呼ばれる「LPS」です。LPSがどのようにアトピーに作用する のか、そのメカニズムを詳しく解説します。

LPSでアトピー性皮膚炎を改善

2018年03月22日更新

免疫ビタミンLPS

M.I (看護師)

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[1]アトピー性皮膚炎発生のメカニズムとLPSの関係性

アトピー性皮膚炎の患者数は増加しており、小学校就学時の子どもの8~19%にアトピー性皮膚炎が発見されたという報告もあります。子どもだけでなく、最近では大人のアトピー性皮膚炎も増えてきています。アトピー性皮膚炎をはじめとする花粉症やぜんそくといったアレルギーは、「免疫力」の低下が原因のひとつと考えられています。

免疫力とは、人間の体にもともと備わっている防御機能で、ウイルスや細菌といった異物が体内に侵入した際に、それらを除去して体の健康を守る役割を持っています。異物が侵入すると、免疫力を担う免疫細胞が異物に対する「IgE抗体」をつくり出し、異物を攻撃し、排除するのです。このIgE抗体をつくり出すのが「Th2型」の獲得免疫です。獲得免疫にはTh1型とTh2型があり、このふたつの獲得免疫がバランスをうまく保ちながら働いています。

しかし、免疫力が低下するとTh1型とTh2型のバランスが崩れ、Th2型が異常に活発に作用してしまうことがあります。そうなると、ウイルスや細菌だけでなく食べ物や花粉、ほこりなどに対してもIgE抗体がつくられてしまい、再びこれらが体内に入ったときにアレルギー反応を起こしてしまうのです。アトピー性皮膚炎はこのアレルギーが起こっている状態。アトピー性皮膚炎の患者の多くは肌のバリア機能も低下しているため、カサつきやかゆみといった症状が現れます。

[2]LPSがアトピー性皮膚炎の緩和・改善に役立つ

多くの人を悩ませているアトピー性皮膚炎。その改善や症状緩和に役立つとされているのが「LPS(正式名:リポポリサッカライド)」です。LPSはパントエア菌という細菌に付着する物質で穀物や野菜、果物などから摂取が可能です。免疫細胞のひとつであるマクロファージに働きかけ免疫力を高める作用があるため、「免疫ビタミン」とも呼ばれています。

LPSがアトピー性皮膚炎に働くしくみ

アトピー性皮膚炎は花粉症やぜんそくと同じくアレルギーの一種。アレルギーはTh1型とTh2型のふたつの獲得免疫のバランスが崩れることで起こります。免疫ビタミンLPSには、不均衡になったTh1型とTh2型のバランスを戻す作用があるのです。

アトピー性皮膚炎で深刻となるのが肌に現れる湿疹やかゆみなどの症状です。LPSには皮膚の免疫の要となる「ランゲルハンス細胞」を刺激する作用があります。LPSによってランゲルハンス細胞が刺激されると、Th2型の発現が抑えられることがわかっています。Th2型の発現が抑制されることでTh2型の過剰な働きが抑えられ、Th1型とTh2型のバランスがよい状態になり、湿疹やかゆみといったアトピー性皮膚炎の症状(アレルギー症状)も改善されるというわけです。

研究で解明されたアトピー性皮膚炎へのLPSの効果

LPSの免疫機能への作用を最初に発見した免疫学者、杣源一郎氏が行った研究でも、LPSのアトピー性皮膚炎への効果が示されています。
研究では、アトピー性皮膚炎の診断を受けた患者5名に、LPSを溶かした液体を1日3回、2か月の間飲み続けてもらいました。5名の患者は病歴も長く難治性であったにも関わらず、2か月後には5名中4名に湿疹やかゆみなどの症状の改善が見られたということです。

[3]LPSにはアトピー性皮膚炎の薬であるステロイドの副作用を抑える効果も

アトピー性皮膚炎の薬として処方されることが多いステロイド外用薬。ステロイドにはアレルギー症状を抑え込む作用があり、その効果はとても強力です。そのため、アトピー性皮膚炎をはじめ湿疹の治療にはとても重宝されている薬です。

しかしその一方で、場合によっては皮膚萎縮や毛細血管拡張などの副作用があることが知られており、使用に不安を感じる人も多いようです。LPSには、アトピー性皮膚炎の緩和だけでなく、このような副作用を抑える効果も期待できます。

ステロイドの副作用には、体の免疫細胞が細胞死を誘導してしまうことが関係しているとされています。LPSには免疫細胞のひとつであるマクロファージを活性化させる作用があり、マクロファージが活性化すると細胞死を回避できることがわかっています。
ステロイドは医師の指示を守って正しく使用していれば基本的には安全な薬なので過剰に心配することはありませんが、LPSにはアトピー性皮膚炎の症状自体の緩和にも役立つため、摂取して損はないと言えそうです。

[4]アトピー性皮膚炎の改善のためにもLPSを摂取しよう

アトピー性皮膚炎では非常に強いかゆみが起こります。かゆくて掻きむしってしまい炎症が悪化する、という悪循環になってしまうことも。つらい症状を少しでも抑えるために、意識してLPSを摂るようにしましょう。その他にLPSはアレルギー症状にも効果が期待できると言われています。このことについて更に詳しく知りたい方は、LPSとアレルギーの関係性についての記事も参考にしてくださいね。

LPSは穀物や野菜、果物といった身近な食品にも含まれているので摂取は難しくありません。特に、雑穀米や玄米、レンコン、海藻類には多く含まれます。毎日の食卓にぜひ取り入れましょう。

参考文献:日本皮膚科学会ガイドライン

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